2013/04/12

デトロイトの慰安婦像計画はなぜ挫折した?

デトロイト市の北西にある図書館
その西にホロコースト博物館がある

聨合ニュースは、デトロイトにおける慰安婦少女像の設置計画が日本の官民合同の阻止活動により頓挫した、現地の韓国人コミュニティの内紛の隙をつかれたと報じているが・・・。

デトロイトに慰安婦像(碑ではない)を建てる計画があるというニュースが出たのは昨年のことだった。韓国人女性のグループが募金イベントを開き、ソウルにある少女像のミニチュアを競売にかけるなどして資金集めをしていた。記事にあるキム・スギョンもその一人で、写真は昨年の競売会の時のもの。いつの間にか旗振り役を降りていたらしい。内紛があったとも伝えられている。少女像のミニチュアは挺対協ルートから手に入れたものだろうから、やはり挺対協と繋がっていたのだろう(もっとも、挺対協に唆されたとしても、彼女に悪意があったとは限らない)。

夫と像のミニチュアを手にするキム・スギョン

彼女らが慰安婦像を建てようとしていたのは、デトロイトの北西にあるサウスフィールド公共図書館。今年の初めに数人の日本の経済人が訪れ、その後、駐デトロイト日本総領事が動いたとこの記事は伝えている。聨合ニュースは日本側の買収工作といったニュアンスで書いているが、日本の夕刊紙みたいなものだから、あまり信用してはいけない。

総領事といえば、昨年ニューヨークの廣木総領事が大失敗しているが、今回は早めに手を打ったことが功を奏したか。あるいは松田総領事の説明が上手かったのかもしれないが、人気商売である政治家と異なり、大きな図書館なら学術的な検討を踏まえて結論を出すだろうから、こういう結果になったのだろう。アジア系が1パーセントと少ないので、韓国系が政治圧力に訴えることも出来なかったのだろう。

サウスフィールド図書館が言うように、この問題については日韓の間に見解の相違があり(つまり外交問題)、ひいては地域社会にも分裂をもたらしかねない、というのが一番説得力のある説明だろう。聨合ニュースは、危機感を煽り韓国系の内部対立を沈静化させようとしているが、これは内紛云々の問題ではない。

韓国のシカゴ総領事館は、韓国政府はこの問題に介入しないとしている。これが建前なのかパク新政権の方針なのかは分からない。2007年の慰安婦決議の時は、「韓国政府が介入しているとの印象を与えれば・・・米下院が負担を感じ、処理を保留するかも知れない」と判断して外交官が隠密行動を取り、後に政府から勲章をもらっている。イ・ミョンバク政権でもニューヨーク総領事がこんな事をやっていた

対日ネガキャンにはホロコースト団体を利用するのが定石となっている
Zekelman Family Campus

運動家たちは、今回もユダヤ系とホロコースト関連組織を利用した。ミシガン州のホロコースト博物館というと、ホロコースト・メモリアル・センター(Zekelman Family Campus)の事だろう。ちなみにこの博物館のサイトには、日本語の解説もあり、杉原千畝の命のビザも紹介されている。


位置関係としては、デトロイトの中心からサウスフィールド図書館まで車で20分超(20~30キロ)。そこからホロコースト博物館まで、西へ車で10数分といったところらしい。

日本の官民、デトロイト慰安婦少女像設置に「ブレーキ」

(シカゴ=聯合ニュース)キム・ヒョン通信員=米国、ミシガン州の日本軍慰安婦少女像の設置が韓国人社会内部の対立の機会を利用した日本側の妨害で難関に突き当たった。

ミシガン州の慰安婦少女像の設置場所に有力視されたデトロイト近郊のサウスフィールド市立図書館側は最近少女像設置委員会に立場変更の事実を通知した。

デービッド・シン(50)前デトロイト韓人会の広報担当は8日(現地時間)聯合ニュースに「
駐デトロイト日本総領事館と財界人が慰安婦少女像設置にブレーキをかけたという話を聞き、先週デービッド・イーウィック図書館長に会い事実を確認した」としてイーウィック館長の同意の下で録音した会談内容を公開した。

イーウィック館長はこの面会で「慰安婦少女像は多くの米国人が知らずにいた大きな歴史を語ると考えた。 しかし慰安婦問題をめぐり韓国と日本の間にまだ政治的見解が多いという事実を知った。 韓国人は良い提案をしたが、日本人の感情も理解する」と図書館側の立場を説明した。

イーウィック館長によれば今年の初めサウスフィールドに駐在する6人の日本経済人が図書館を見学し、それから一週間後、駐デトロイト日本総領事館の松田邦紀総領事がイウィク館長夫妻を夕食に招いた。

夕食会にはサウスフィールド駐在の日本企業デンソーの副会長、デトロイトの日本企業連合会(Japan Business Society of Detroit)会長などが夫婦同伴で出席した。

日本総領事は食事後イーウィック館長をしばらく脇に呼び、「図書館に慰安婦少女像の設置を許すのか」を尋ね、イーウィック館長は「最終決定権は図書館理事会にある」という事実を伝えた。

日本の財界人は、イーウィック館長に書籍の寄贈意志と今後サウスフィールド地域社会で活発な活動を広げたいという意向も伝えた。

イーウィック館長は「日本側が問題を提起してから、図書館理事会と小委員会が全て集まり韓国と日本の双方が提供した資料を綿密に検討した」とし「何が地域社会のためで、図書館に役立つのかについて議論があった」と伝えた。

彼は「図書館の前に第ニ次世界大戦の歴史を学ぶことができるモニュメントを建てるのは素晴らしいアイディアだと思った。 女性の人権に焦点を合わせた少女像の設置のアイディアには皆が好感を持った」としながら、「しかし、論争があるという事実を知った以上、設置の提案を受け入れることができなくなった」と理解を求めた。

引き続き「『ニュージャージーなど他の州で慰安婦記念碑が日本コミュニティの抗議を受けている』という指摘も出た」として「図書館理事会は論議を呼び起こしたり地域社会を分裂させることに出ることができないという結論を下した」と話した。

シン氏は「韓国人社会が少女像建設の推進力を失い、内部対立を生じさせる間に日本が妨害工作を行った」と指摘した。

これを確認するために少女像設置(建立)委員会会長を引き受けていたキム・スギョン(42)氏と連絡を試みたが彼女は「3月の末に個人事情で会長職を降りたので、話す事はない」と回答した。

設置委員会の元老であるパク・ムンジェ博士は「キム氏の辞退は最終決定されなかった。 内部対立はない」と否認した。

シカゴ総領事館はこの問題に対して「慰安婦少女像は民間レベルで推進することだ。 政府は直接介入しないということが基本の立場」と明らかにした。

ミシガン州の韓国人は2011年から第二次世界大戦当時の日本軍の「性奴隷」として強制動員された慰安婦の歴史を米国主流社会に広く知らしめるという趣旨で少女像設置を推進した。

これらはミシガン・ホロコースト博物館のスティーブン・ゴールドマン館長を中心に諮問委員団を構成して韓国企業の支社(?)が多数駐在しているデトロイト近隣のビジネス拠点都市サウスフィールドの公立図書館を有力候補地として内定した。

この計画はサウスフィールド市議会のユダヤ系元老であるシドニー・レンツ議員とイーウィック館長などの支持を受けて図書館理事会の最終決定段階を残した状態であった。

だが、韓国人社会の内部対立と日本の官民合同の阻止行動により関心と期待を集めたミシガン慰安婦少女像の設置は先行き不透明になった。


日민관, 디트로이트 위안부 소녀상 건립에 '제동'

(시카고=연합뉴스) 김현 통신원 = 미국 미시간주의 일본군 위안부 소녀상 건립이 한인사회 내부 갈등을 틈탄 일본 측 방해로 난관에 부닥쳤다.

미시간주 위안부 소녀상 건립 장소로 유력했던 디트로이트 인근 사우스필드 시립도서관 측은 최근 소녀상 건립위원회에 입장 변경 사실을 통보했다.

데이비드 신(50) 전(前) 디트로이트 한인회 홍보담당은 8일(현지시간) 연합뉴스에 "디트로이트 주재 일본 총영사관과 기업인들이 위안부 소녀상 건립에 제동을 걸었다는 소식을 듣고 지난주 데이비드 이윅 도서관장을 만나 사실을 확인했다"며 이윅 관장 동의 아래 녹음한 면담 내용을 공개했다.

이윅 관장은 이 면담에서 "위안부 소녀상은 많은 미국인이 모르고 있던 방대한 역사를 말해줄 것으로 생각했다. 그러나 위안부 문제를 놓고 한·일 간에 아직 정치적 이견이 많다는 사실을 알게 됐다. 한인들이 좋은 제안을 했지만 일본인들의 감정도 이해한다"고 도서관 측 입장을 설명했다.

이윅 관장에 따르면 올해 초 사우스필드에 주재하는 6명의 일본 경제인들이 도서관 시설을 견학했고 그로부터 일주일 후 디트로이트 주재 일본 총영사관 쿠니노리 마쓰다 총영사가 이윅 관장 내외를 저녁식사에 초대했다.

이 자리에는 사우스필드 주재 일본 기업 '덴조'(Denso)의 부회장, 디트로이트 주재 일본 기업 연합회'(Japan Business Society of Detroit) 회장 등이 부부동반으로 함께했다.

일본 총영사는 식사 후 이윅 관장을 잠시 따로 불러 "도서관에 위안부 소녀상 설치를 허용할 것인지"를 물었고 이윅 관장은 "최종 결정 권한은 도서관 이사회에 있다"는 사실을 알렸다.

일본 기업인들은 이윅 관장에게 책 기증 의사와 함께 앞으로 사우스필드 지역사회에서 활발한 활동을 펼치고 싶다는 뜻도 전달했다.

이윅 관장은 "일본 측이 문제를 제기한 이후 도서관 이사회와 소위원회가 모두 모여 한·일 양측이 제공한 자료를 면밀히 검토했다"며 "무엇이 지역사회를 위하는 길이고 도서관에 도움이 되는 일인가에 대한 논의가 있었다"고 전했다.

그는 "도서관 앞에 제2차 세계대전 역사를 배울 수 있는 조형물을 세우는 것은 훌륭한 아이디어라 생각했다. 여성인권에 초점을 맞춘 소녀상 건립 아이디어는 모두가 좋아했다"면서 "하지만 논쟁이 있다는 사실을 알게 된 이상 설치 제안을 받아들일 수 없게 됐다"고 양해를 구했다.

이어 "'뉴저지 등 다른 주에서 위안부 기림비가 일본 커뮤니티의 항의를 받고 있다'는 지적도 나왔다"며 "도서관 이사회는 논란을 불러일으키거나 지역 사회를 분열시키는 일에 나설 수 없다는 결론을 내렸다"고 말했다.

신씨는 "한인 사회가 소녀상 건립 추진력을 잃고 내부 갈등을 빚는 사이 일본이 방해 공작을 펼쳤다"고 지적했다.

이를 확인하기 위해 소녀상 건립위원회 회장을 맡고 있던 김수경(42)씨와 연락을 시도했지만 그는 "지난 3월 말 개인 사정으로 회장직을 그만두었기 때문에 할 말이 없다"고 답했다.

건립위 원로인 박문재 박사는 "김씨의 사퇴는 최종 결정되지 않은 사실이다. 내부 갈등은 없다"고 부인했다.

시카고 총영사관은 이 문제에 대해 "위안부 소녀상은 민간 차원에서 추진하는 일이다. 정부는 직접 개입하지 않는다는 것이 기본입장"이라고 밝혔다.

미시간주 한인들은 지난 2011년부터 2차 세계대전 당시 일본군의 '성노예'로 강제 동원된 위안부 역사를 미국 주류사회에 널리 알린다는 취지로 소녀상 건립을 추진했다.

이들은 미시간 홀로코스트 박물관 스티븐 골드먼 관장을 중심으로 자문위원단을 구성하고 한국기업 지상사가 다수 주재해 있는 디트로이트 인근 비즈니스 거점 도시 사우스필드의 공립도서관을 유력 후보지로 내정했다.

이 계획은 사우스필드 시의회 유대계 원로인 시드니 랜츠 의원과 이윅 관장 등의 지지를 받으며 도서관 이사회의 최종 결정 단계를 남겨둔 상태였다.

하지만 한인사회 내부 갈등과 일본의 민관 합동 저지 움직임으로 인해 관심과 기대를 모았던 미시간 위안부 소녀상 건립은 향후 진로가 불투명해졌다.