2013/06/28

パク大統領、歴史問題で中国と共闘?


本当の事を言うと国益を損ねるとか、なぜ今なのかとか、日本が孤立するとか識者は言うが、こういった動きに対し対策を講じないでいい、ということではなかろう?

朴氏、安重根の石碑設置求める 歴史で中国と共闘か

【北京共同】中国訪問中の韓国の朴槿恵大統領は28日、昼食を共にした中国の習近平国家主席に対し、初代韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺し死刑になった安重根の行為を記念して、暗殺現場の中国黒竜江省のハルビン駅に石碑を建てることを要請した。韓国大統領府が明らかにした。

大統領府は「習氏は理解を示し、関連する部署によく検討するよう指示すると述べた」としている。

日本の朝鮮半島植民地支配や、日中戦争につながった半島・大陸進出への抵抗運動を中韓が協力して顕彰し、研究することを持ち掛けたもので、日本との歴史問題で中国との共闘を強めたい意向の表れとみられる。

47ニュース 2013.6.28

追記:

訪中の韓国大統領、再び歴史問題に言及

中国を訪れている韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、大学生を前に講演し、再び日本を念頭に歴史問題に言及しました。

【中国語で―】
「韓国と中国が共に未来を切り開くことについて話し合うことができて、うれしく思います」(韓国 朴槿恵大統領)

「韓国と中国の未来は明るい」。中国の大学生らを前にこう述べた朴槿恵大統領。28日夜は両国の若者4000人が招かれたK-POPグループのコンサートにも登場。「韓流」の宣伝に力を入れました。一方で、共同声明を含め今回繰り返されたのが、日本を念頭に置いた「歴史問題での対立と不信」というフレーズ。

「歴史と安保問題をめぐる葛藤と不信により、政治、安保協力は難しくなっています」(韓国 朴槿恵大統領)

また、昼食会では、習近平国家主席に、日本による植民地支配の抵抗の象徴である韓国の独立運動家の記念碑の設置などを直接要請。「以前、中国側の協力が得られなかった」というこの問題について、習主席から「関係機関に検討するよう指示する」という言葉を引き出しました。

5月のアメリカ、今回の中国と、いずれの首脳会談でも「歴史問題」に言及した朴大統領。共同声明では、先送りになっている「日中韓首脳会議の開催に努力する」と盛り込まれはしましたが、日本政府に対しては「歴史問題では譲らない」という姿勢をあらためて強調した形です。

TBS 2013.6.29

歴史問題は、実は中韓の間にもあったはずなのだが・・・。産経の黒田記者の分析

ソウル・黒田勝弘 中韓、過去抜き“蜜月ムード”

朴槿恵(パク・クネ)大統領の中国訪問は韓国では「中国が異例の厚遇」「中国に朴槿恵ブーム」「朴大統領が華麗なファッション外交」「“経熱政冷”から“経熱政熱”へ」などと大々的に伝えられている。

「経熱政熱」とは、これまで経済に比べ政治はいまひとつだった両国関係が、今後は経済も政治も緊密になるという意味だ。見栄えのいい女性大統領の人気もプラスアルファになっているが、今や中国と韓国は“蜜月ムード”だ。

韓中は1992年の国交正常化以来、21年たつ。しかしこれまで多くの首脳会談が行われてきたにもかかわらず不思議なことに両国の“過去史”が問題になったことはない。

韓国にとって中国は過去、朝鮮戦争(1950~53年)の際の侵略者であり、南北分断固定化の元凶である。当時の毛沢東は北朝鮮の金日成(キム・イルソン)の韓国侵略戦争を支持、支援した。さらに韓国・国連軍に反撃された後、中国の軍事介入がなければ韓国主導による南北統一も可能だった。

韓国は当然、その戦争責任、侵略責任を中国に問うべきなのに終始、黙っている。今回の大統領訪中に際しても、政府はもちろんマスコミも識者も誰もこの“過去”を語ろうとはしない。6月は朝鮮戦争開戦63周年だったにもかかわらず。

日本に対し“植民地支配”の過去を限りなく追及し続ける態度とは対照的だ。

韓国は日本が公式に「謝罪と反省」を繰り返しているのに執拗(しつよう)に日本との過去史を追及し「謝罪と反省」を求めてきた。この違いは何なのか。

韓中国交正常化の際、このことを韓国当局者に質問したことがある。回答は「中国の戦争責任と日本の植民地支配とは違う」といい、「日本の方が責任が重いから」といわんばかりのものだった。

しかし戦争被害や南北分断、統一妨害など現代韓国への悪影響を考えれば中国の戦争介入責任の方が重いという見方も可能だ。それに韓国にとって日本の支配は近代化というプラスの副産物(?)ももたらしたが、中国の韓国侵略戦争には何のプラスもなかったではないか。

今回、朴大統領訪中を前に、韓国マスコミの中国専門家を囲むセミナーでこれが話題になった。筆者の質問に対し彼は、中国に過去を追及しない理由として「中国と日本とは体制と価値観が違うから」といい、さらに韓中関係の基本として「求同存異」を挙げた。

つまり、日本は自由民主主義体制の国だから「謝罪と反省」はちゃんとすべきで、かつしてくれるはずが、中国は体制が違うので要求しても応じないから、という趣旨の答えだった。

韓国は中国が侵略戦争責任を追及しても応じないと分かっているので黙っているのだ。とすると結果的に日本のように応じると限りなく追及される?

韓国は中国とは朝鮮戦争の評価(侵略かどうか)を含む歴史認識がまったく異なる。しかしだからといって中国を非難、糾弾などしない。経済や政治など実利のためには中国と仲良くし、ご機嫌をうかがわなければならないからだ。

それが「求同存異」-日本でいう「小異を残して大同につく」である。現在、歴史認識問題をはじめ日韓の過去がらみの対立もいわば「小異」である。すぐに解決できないものにはこだわらずお互い棚上げすればいいのだ。セミナーでは日本に対しても「求同存異」でやってほしいものだ、と言っておいた。

産経 2013.6.29 1, 2, 3