2017/08/08

韓国「慰安婦の服、修復保存」の怪しさ

国家記録院院長(左)と慰安婦の服?
重要文化財?実はただの作業着の可能性

韓国の国家記録院が、日本軍の慰安所で使われていた建物から見つかった衣服2点を修復し、これを世界慰安婦デー(8月14日)に国立日帝強制動員歴史館で公開するというニュース。普通に聞くと慰安婦縁の品が見つかったのかと思うが(それのどこがニュースか、という突っ込みはとりあえず置いておくとして)、よく読むととんだ羊頭狗肉。まず、「慰安所として使われていた建物」で見つかったとはあるが、KBSも慰安婦の衣類であるとは書いていない。ただ「慰安婦デー」に公開すると言うから、思わず錯覚してしまうだけのことである。わざとだろう。

強制連行や慰安所について書かれていた案内板(1995-2014)
誤解の恐れありとして撤去された

発見場所が軍の慰安所であったかからして疑わしい。奈良県の柳本飛行場(大和海軍航空隊基地)に関しては、90年代に設置された説明版の「強制連行」記述が問題視され、数年前に天理市が撤去して日本の市民運動家らが騒いでいた。それに触発されたか、韓国の慰安婦運動家ソン・ドジャが1万人の署名を持って天理市に抗議に押し掛ける一幕もあったのだが、強制連行はともかくとして、ソン・ドジャと共に韓国で記者会見を行った「撤去について考える会」の川瀬俊治も、慰安所を軍人が利用していたという証拠はなく労働者が利用していたと結論づけていたはずなのだが・・・。

韓国で記者会見した「考える会」の川瀬(右)は、
(朝鮮人)労働者用の施設だとしていた(2015.4)
※後ろの写真にも注目

つまり労務者(日本人&朝鮮人?)が利用した建物から発見された服というのが実際で、そもそも、現在、防空壕や朝鮮人労働者の宿舎と”見られる”建物が残っているというが、慰安所の建物については「天理・柳本飛行場跡の説明板撤去について考える会」も確認していないようなのである。天理市人権教育研究会のサイトにもそれらしい物は紹介されていない。

もちろん労働者の福利厚生の一環として軍が娼婦を手配した(戦争や軍と関係なく、当時炭鉱や工場でもそうした事は行われていた)可能性はあるが、兵隊が利用するでもないこんな物を、日本軍の慰安所と呼べるか疑問である。実際に高野真幸なる人物(『朝鮮人強制連行・強制労働ガイドブック』などの著作がある)が作成したメモには「大林組?慰安所」の文字が見える(メモには無印の慰安所も記載されている)。

韓国メディアに川瀬が提供したメモ(高野真幸作成

ただの作業着に過ぎないかもしれない物を慰安婦縁の品と有難がっているのだから、実にカルトな世界である。イ・サンジン国会記録院は、対日抗争期の資料として後世に伝えるというような事を言っている。保存処理に5か月をかけたこの逸品は、今後は国立日帝強制動員歴史館で大切に保存される。その前に「なんでも鑑定団」で鑑定してもらった方がいいかも。

慰安所で使われた衣服2点 国家記録院が公開

行政自治部の国家記録院は2日、太平洋戦争当時に旧日本軍慰安所として使われていた建物から見つかった衣服2点を公開しました。

今回公開された衣服は作業着と和装下着の2点で、2007年に奈良県の柳本飛行場内の慰安所跡地から見つかり、去年、釜山の国立日帝強制動員歴史館に寄贈されたものです。国家記録院は歴史館側からの依頼を受け、5か月間にわたって破れていた衣服の修復・保存処理をしていました。

国家記録院は、このうち作業着は、1942年に旧日本陸軍被服廠が製造したことを意味する検定印が残されており、旧日本軍が公式に使用していたものであることが確認されたと説明しています。

衣服は国立日帝強制動員歴史館に戻され、今月14日の世界慰安婦の日に一般に公開される予定です。

国立日帝強制動員歴史館は、2015年暮れに釜山市南区に開館しています。

KBS 2017.8.3[2]