【ソウル=加藤達也】日本による朝鮮半島統治時代の元慰安婦を支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が、ソウルの在韓日本大使館前の路上に「慰安婦の碑」の建立を計画している問題で、挺対協は7日、「14日に建立する」と発表した。一方、道路管理者として「許可」を決めていたソウル市鍾(チョン)路(ノ)区は「(建立許可は)権限外」と態度を一変し、可否については韓国政府の公式見解を待つ方針だ。建立されれば、李明博大統領の訪日や日韓外交への悪影響が不可避となる。
挺対協関係者によると、鍾路区当局は6日、挺対協側に「碑の設置許可は区の権限の対象ではない」と通知した。にもかかわらず、挺対協は14日の建立を最終決定した。
碑をめぐっては、鍾路区が8月末に内部審査で「妨げる理由はない」とし「許可」を決定。挺対協側にも「問題ない」と口頭で伝えた。しかしその後、区の権限を超えると判断し、外交通商省などに問い合わせた。これに対し外交通商省は「碑が設置されれば日本大使館が混乱するのではないか」と非公式に回答した。区の判断変更の背景には外交問題化を避けたい韓国側の事情も影響した可能性がある。
日本側は外交ルートで韓国側に不許可を働きかけてきた。しかし、韓国の憲法裁判所が賠償請求権をめぐる韓国政府の努力不足を違憲とする決定を下したほか、反日世論への配慮もあり、政府としては抑制する動きを取りづらいようだ。
産経 2011.12..7
で、この流れの中で韓国期待の日本の民主党政権だが、官房長官が不快感を表明した。日韓の運動家たちは長く、戦前を引きずっている自民党政権が障害であり、良心的な民主党が政権を獲れば事態は(自分たちの思う方向に)進展する、と言っていたが、残念ながらそうはならなかった。民主党が野党時代の無責任な言動を問われているのは、この問題に限らない。
官房長官が「慰安婦」の碑に不快感
藤村修官房長官は8日の記者会見で、日本による朝鮮半島統治時代の元慰安婦を支援する韓国の団体が、ソウルの在韓日本大使館前に「慰安婦の碑」を14日に建立するとしている問題について「好ましくないと受け止めている。碑の建設が日韓間の外交活動に否定的な影響を与えるべきではなく、建設を中止するよう韓国側に伝えている」と述べ、不快感を示した。
産経 2011.12.8
追記: 進歩派の東京新聞も日韓関係に摩擦が生じる可能性があると懸念を表明している。こちらでは、地元自治体が難色を示す中、挺対協側が強行しようという風に伝えている。
「許可なくても慰安婦像設置」 韓国の団体方針
【ソウル=辻渕智之】ソウルの日本大使館前の歩道に旧日本軍慰安婦問題を象徴するブロンズの少女像の設置を計画する韓国の民間団体は七日、「地元区役所の許可がなくても建てる」と強行する方針を明らかにした。
道路を管理するソウル市鍾路区は「通行の障害物を許可なく設置すれば道路法違反」と警告。日本大使館は「日韓関係に否定的な影響を与えかねない」と韓国側に懸念を伝えている。設置されれば、十七~十八日とされる李明博(イミョンバク)大統領の訪日を控え、両国間に摩擦が生じる可能性もある。
東京 2011.12.8