日本が朝鮮人女性を強制連行し性奴隷(慰安婦)にしたとする本が、日本図書館協会により選定図書に指定されていたことが分かった・・・などと今さら言われても。
これは、韓国メディアがご丁寧にも日本語版で一年近く前に報じてくれていた話だし、選定図書に指定されたことを挺対協(本の著者は挺対協の幹部)に「日本の青少年たちが慰安婦問題の真実を知ることができるよう、その背景を作って」くれたと褒められたことも、これまた韓国メディアが日本語で報じてくれていたのに・・・。
ローカルな話では、釧路の市民団体がこの本を地元の全中学に寄贈していたし(ちなみに本の売上は、先日完成したソウルの慰安婦博物館の建設費用に当てられた)、挺対協が、この本が日本で代替教科書の役割を担ってくれることを期待していることも、日本語ではないものの、既に報じられていた。
ただ、産経の記事もどうだろう。自分も読んでみたが、強制連行については、上手くはぐらかされていたという印象があるのだが・・・(その点で、彼女らには抜かりはないはず)。それはともかく、「韓国では反日的な意見もあるということを知ってもらうために選定した」というのは、ちょっと苦しい。だったら、嫌韓本も選定図書に選ばれることもあり得るのだろうか。当の著者側は、日本の青少年たちが真実を知ることができるよう下地を作ってくれたと感謝しているのだが?
「日本が強制連行、殺害」断定の韓国慰安婦本 図書館協会が推奨
日本による朝鮮半島統治時代の慰安婦について、日本が国家レベルで強制連行し、性奴隷にしたと断定する韓国人の著書の翻訳版を、文部科学省所管の社団法人「日本図書館協会」(東京)が、全国の図書館に推奨する選定図書に指定していたことが6日、分かった。慰安婦について「強制連行を示す資料はない」とする日本政府の見解に反する内容が一方的に書かれており、識者からは「公的機関が推奨する本ではない」との批判が出ている。
本は「20年間の水曜日」(東方出版)。著者は、毎週水曜日に元慰安婦女性らとソウル市内の日本大使館前でデモ活動を続けている韓国人市民活動家の尹(ユン)美(ミ)香(ヒャン)氏で、昨年8月に日本語訳版が出版された。
内容は、当時の慰安婦について「日本軍の性奴隷制度」の被害者とし、「拉致」「連行」といった表現を使って国家レベルの強制だったと断定。終戦直後には、日本軍が罪を隠(いん)蔽(ぺい)するため、多くの慰安婦を殺害したとの記述もあったが、根拠は元慰安婦女性の証言だけで、裏付ける資料的証拠は何も示されていない。
慰安婦をめぐっては、平成5年8月、河野洋平官房長官が官憲による慰安婦募集の強制性を認める「河野談話」を発表したが、その後、元慰安婦女性からの聞き取りだけを根拠に作成されたことが判明。政府は19年3月に「強制連行を示す資料はない」とする答弁書を閣議決定。現在、文科省の教科書検定でも軍や官憲による強制があったとする記述は認められていない。
ところが、日本図書館協会は昨年9月、選定図書に指定した。同協会は「韓国では反日的な意見もあるということを知ってもらうために選定した。誤解を招く部分もあるが、前例がないので選定図書を取り消すつもりはない」としている。
慰安婦問題に詳しい東京基督教大の西岡力教授は 「元慰安婦女性の証言などには真実の裏付けがないことが日韓の研究者や日本政府の調査でほぼ判明しているが、それらを無視した非常に偏向的な内容で、公的機関が推奨するのは極めて不適切だ」と指摘した。
産経 2012.7.7