ページ

2012/08/03

NY「慰安婦通り」法案提出、賛成vs反対


状況は2007年の下院決議の時と似ている。法案賛成派も反対派も、基本的に慰安婦問題をよく知らない。反対派だって、慰安婦問題を日本の戦争犯罪だと思い込んでいる。

法案提出者ピーター・クー

このように初歩の初歩すら相手が理解していない場合、対処療法として、日本政府がこれまでやって来たように謙虚な姿勢を見せるしかない。誤解、すなわち病巣を取り除く手術はその後である。最悪なのは、5年前のように空気を読まず「慰安婦は売女。全ては嘘」と突っ走るパターン。味方はいなくなり、四面楚歌となった。

「これはコリアンと日本人の問題」とサニー・ハン
韓国系でありながら米国人としての矜持か?

実は、パリセイズパークでも、最初はこのような反対論があったのである。サニー・ハンのような人間は大事にすべきである。ハンは韓国系でありながら、こういったやり方は間違いだと「強く」反発している。彼女のホームページによれば、彼女は韓国生まれ。父親は戦前の日本で教育を受けたらしい。それも関係あるのかもしれない。

フルーグは物心両面で韓国側を支援していくだろう

右端:KAVCのキム・ドンソク 左から3人目がフルーグ
韓国系は味方を増やすことに力を注いでいる

カッファバーグ・ホロコースト・センターのアーサー・フルーグは、完全に韓国側に取り込まれている。彼は、これからも慰安婦騒動に積極的に関わっていくだろう。アメリカでは、慰安婦の強制連行(日本政府・軍が女性を拉致した)を疑う人はいないということも含め、これらを前提に対策を考えていく必要がある。闇雲に反発するだけではダメなのである。

こういう反論の仕方はどうだろう?

「慰安婦に敬意を表することに反対はしない。しかし、私たちは米軍や韓国軍の慰安婦について、あまりにも知らない。これらの女性たちにも公平に敬意を表すべきと考える」→「えっ、米軍に慰安婦など聞いたことない」→「これは驚き。朝鮮戦争の折、国連軍専用の慰安所を利用していたはずだが?まずは、慰安婦について一辺おさらいしてみよう」

すぐに、 「よくよく勉強してみれば、我々が聞かされていた話とはだいぶ違う」という風になるだろう。

それに、仮に慰安婦通りが実現したとして何の不都合があるのか。

「慰安婦通り」の候補地

周辺にはハングルの看板が多い
米国と考えるよりコリアタウンと考えた方がいいかも

「どうしてアメリカ原住民はインディアンと呼ばれてるの?」それはね。昔コロンブスという人が勘違いして・・・。「どうして慰安婦通りが出来たの?」それはね。昔市議会議員たちが変な勘違いをして・・・。

コロンブスがどう勘違いしようが、アメリカがインドになるわけでもなく、事実は覆らないのである。

ピーター・クー、慰安婦の為の法案提出

木曜日、市議会議員ピーター・クー(フラッシング)が、正式に慰安婦の為に道路を改称する法案を提出した。

来年中に承認されれば、ノーザンブールバードとユニオン通りの南西の角が改称される。

慰安婦とは第2次世界大戦中に日本兵たちの性奴隷とされるべく強制的に連れて行かれた若い女性たちに付けられた名前である。

クーは、昨年の12月カッファバーグ・ホロコースト・リソース・センタークイーズバーグ・コミュニティ・カレッジのベイサイドキャンパスのアーカイブで、これらの女性たちに敬意を表したいと思うようになった。彼は女性たちの物語に感動し、彼女たちに敬意を示すことで将来の世代が学ぶことが出来るようにしたいと考えた。

「我々は歴史を変える為に時間を遡り、日本兵が仕出かした罪のない女性たちに対する蛮行を止めることは出来ないが、彼女たちによって示された勇気に敬意を表することは出来る」とクーは法案の趣旨説明で述べた。

QCCホロコースト・リサーチ・センターの所長アーサー・フルーグは、クーの支持者の一人。彼はこの9月、第二次大戦中の出来事やホロコーストについて学ぶ意志のある学生の為に新しいインターンシッププログラムを始める

「犠牲者の多くが世を去ろうとしている。数年以内に彼女たちと彼女たちの物語は消えてしまう」フルーグは数少ない慰安婦の生き残りについて述べた。

多くの日本人は、こんな事は起こらなかったと否定する。ホロコーストとそっくりだ」フルーグは言う。「こうする事で、学生たちは彼女たちの話を未来に生かす為に記録しながら勉強することが出来る」

フルーグは、道路の改称は女性たちの体験に敬意を示す上で「適当」だと考えている。

多くのコリア系アメリカ人は法案に支持しているが、全員が賛成というわけではない。共和党員としてGrace Mengの議席を争うサニー・ハンは強くこの提案に反対している

「この運動には愉快ではありません。フラッシングに協和を作ることが我々の未来です。昔の泥を持ち出すことではありません」

これらの問題は「何年も昔にコリアンと日本人の間で起こった出来事です」「今我々は、醜い過去を許し忘れ去り抱擁しあうべきなのです」

しかしクーの意見は違う。「ニューヨーカーが歴史を忘れず、将来の世代に同じ残虐行為を繰り返させないということを世界に示そうではないか」と彼は法案の趣旨説明で述べた。


「強制的に連れて行かれた(forcefully taken)」というのは、日本の強制連行論争の名残と見ていいだろう。80~90年代の日本の不毛な政治論争が海の向こうにまで飛び火し、芽を吹いたのである。

Koo introduces bill for ‘comfort women’


by Valeen Kalimootoo, Chronicle Contributor


Councilman Peter Koo (D-Flushing) officially submitted his street renaming request last Thursday for comfort women.
If approved sometime next year, the location will be on the southwest corner of Northern Boulevard and Union Street.
Comfort women is the name given to young Asian females who were forcefully taken to be used as sex slaves by Japanese soldiers during World War II.
Koo decided he wanted to pay tribute to these women after attending a symposium last December at the Kupferberg Holocaust Resource Center and Archives on the Bayside campus of Queensborough Community College. He was touched by their story and wanted to honor them so that future generations can learn from it.
“Although we cannot go back in time to change history and stop the barbaric acts against innocent women perpetrated by Japanese soldiers, we can honor the bravery exhibited by these women,” Koo stated in his legislative request.
One of his supporters is Arthur Flug, director of the Holocaust Research Center at QCC, who will be initiating a new internship program in September for students who wish to study in depth the events that took place during World War II and the Holocaust.
“Many of these victims are dying off; within another few years they will be gone and so will their stories,” Flug said about the few remaining comfort women.
“Many Japanese deny these events ever happened, just as the Holocaust,” Flug said. “In this way the students can study and learn while documenting their stories for the future to keep it alive.”
Flug considers the street renaming “proper” in paying respect to what the women had to endure.
Although many Korean Americans support the measure, not all are in agreement. Sunny Hahn, who is running for Assemblywoman Grace Meng’s seat as a Republican, strongly disagrees with the proposal.
“I am disturbed by the movement,” Hahn said. “Our future is to build unity in Flushing, not to bring up old dirt.”
Those issues “happened between the Koreans and Japanese years ago,” she said. “We should embrace one another now, forgive and forget our ugly pasts.”
But Koo differs. “Let us show the world that New Yorkers remember history and that we will not condemn future generations to repeat past atrocities,” he stated in his legislation request.