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2012/10/23

米国人のお気楽な「反日」 朝日記者も「噛み合わない」 


朝日新聞のこの感想は正しいと思う。アメリカで熱心に慰安婦問題を宣伝している韓国系の主力が(本国で反日教育に染まった)1世だというのも、ピーター・クーのようにアメリカ人化したアジア系(日系を含む)が我々が想像するよりも軽い気持ちで慰安婦騒動に便乗しているらしいことも・・・。クーが住民サービスという感覚でいるのは、お笑いだが、本当なのだろう。

日本人には反日活動に映り、韓国人には国際的な日本包囲網と見なされていても、アメリカ人にとっての慰安婦問題はちょっと違うのではないか?自分の乏しい海外生活経験からもそう思えるのだが、なかなか日本では理解してもらえないかもしれない。

だが、驚くようなことではない。日本にだってご近所付き合い感覚で反日キャンペーンに同調してしまう日本人は多い。各地の地方自治体で採択されている「慰安婦問題に関する意見書」がその証左だろう。

反日などとんでもない
クー市議にとっては単なる住民サービス

ただ、韓国の政治団体は、アメリカ社会のこういった部分に上手くつけ込んで工作活動をしている。慰安婦騒動については、あまりにもその実態が知られていない。問題の根(河野談話など)を解決することなく、いきなりアメリカに行って説明しようとしてもムダである。朝日新聞の記者ですら話がかみ合わないと困惑しているのである。

もっとも、朝日新聞が他人ごとのように語るな!っていうのはある。

祖国背負い暮らす良き隣人 (アメリカを生きるアジア)

図書館と民家に挟まれた幅数メートルの芝生に、その石碑はあった。高さは1メートルにも満たない。韓国旗がなければきづかなかったろう。

この「従軍慰安婦の碑」は米ニューヨーク郊外のニュージャージー州パリセイズパーク市に一昨年秋、建てられた。今春、自民党国会議員4人と現地の日本総領事が相次いで撤去を求めて拒否され、逆に耳目を集めたいわく付きの碑だ。

近くで談笑していた白人のアリー・ラコラッツァさん(15)に聞くと、「知らない」と首を振った。碑の前で電話をしていた白人男性(49)も「今まで気にもとめなかった」と話した。

同市の人口は約2万人で半数が韓国系だ。日本の新聞記者だと名乗り、今度は韓国系の住民に尋ねると、話をしてくれた5人全員が石碑を知っていた

「米国に移った今も、韓国は母国です。石碑はその象徴なんです」。サング・リーさん(44)は22年前に韓国から移民した1世だ。

金融の仕事で親しくしている日本人が数十人はいる。「私の知る日本人はみな同情するのに、なぜ日本政府は歴史をねじ曲げようとするんですか

民間団体「韓国系米国人市民エンパワーメント」によると、来年半ばまでにテキサス州など米国内7カ所で同様の碑が建つ予定という。最も熱心に取り組むのが移民1世たちである。

周辺には日系人や日系企業の駐在員も多く住んでいる。ニュージャージー日米教会は38年前の設立以来、日本語教室などを催してきた。

会長の吉垣美奈さん(48)は半年ほど前、日本に住む人から「嫌がらせされていないか」と問われ、初めて石碑の存在を知った。「日本語教室に通うアジア系の多くは韓国系です。私たちはずっと仲良くやってきた。碑が建っても生活には支障ありません

ニューヨーク市のフラッシング地区では、道路に「慰安婦通り」と名付ける運動が進む。

推進する中国系のピーター・クー市議(60)の事務所を訪ねた。なぜ、日韓の外交問題を、米国でわざわざ取り上げるのか。

「選挙区には中国系と同時に韓国系もたくさんいる。住民が望むことをするのが議員の仕事だよ」。だから、反日運動をしているつもりはないし、最近の日中韓の「領土問題」にも特に関心はないと明言する。

あくまで地域のため、と市議はいい、取材はかみ合わない。議会や事務所には日本から500通近い抗議文が届いているという。

40年前に香港から移住し、薬局チェーンを築いた半生を語りながら、クー市議は屈託なく言った。「同じ英語を話す2世以降は中国系、韓国系、日系ではなく、自分を『アジア系』と見なすんじゃないかな」

アジア系米国人。そう一言で表現しても引き継ぐ言葉や歴史が違う。渡米時期も、世代も違う。そんなモザイクの中、ときに人々は祖国を背負い、その代弁者となりながら、同時に隣人として暮らす。この感覚は在米期間の短い私たち記者にはつかみにくい

「今すぐ中国は出て行けー」。5月中旬、ニューヨークの中国総領事館前で、100年ほどの群衆が叫んだ。中国とフィリピンが主権をめぐって対立する南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)をめぐり、フィリピン系米国人の民間団体が行動に出たのだ。

「中国は軍事圧力を強めており、このままでは侵略される。我々も立ち上がるべきだ」。団体は連邦議会議員にも働きかける。

そんな活動の一方、同団体代表で弁護士のロデル・ロディスさん(60)は強調する。「抗議するのはあくまで中国政府で、中国系米国人は関係ない」

彼の事務所があるサンフランシスコ市は人口の約2割が中国系。ロディスさん自身、中国系が4割を占めるコミュニティーカレッジの役員を務めている。

「中国系も我々も同じ米国人だから。何の問題もないですよ」

朝日新聞 1面 2012.9.15