韓国での慰安婦騒動は、この人から始まった。名門、梨花女子大学のユン・ジョンオク(尹貞玉)。
人間性を回復しなければいけないと訴えるユン。彼女はこれを日本人に限ったこととはしていないが、「日本の鋳造機は地球上で最も大きく、周囲の多くの人々に害を加え、自然を最もひどく破壊しながら回っている」と言っているから、人類の中で最も人間性に欠けているのが日本人だと彼女は思っているのだろう。日本語版のまえがきだと思っても、日本に対する激しいヘイトの感情は抑え切れない。
そんな彼女だが、松井やよりや鈴木裕子ら日本人崇拝者は多い。そしてそうした人々が慰安婦騒動の中期において韓国側にせっせと燃料を提供したのである。山下英愛(ヨンエ)は、「尹さんは、強い民族意識と日本に対する厳しい批判の目を持っている。しかしそれはより深い隣人愛によって支えられている P.13」とフォローしているが、明らかに苦しい。
ちなみにユンが強い民族意識の持ち主だという山下の指摘だが、慰安婦騒動が形を変えた韓国の(反日)ナショナリズムの表れだということは、大沼保昭や上野千鶴子のような進歩派も認めているようである。
私はここで長くを語りたくはない。二つだけ話そうと思う。一つは、20世紀末を生きている私たちは人間性を回復しなければいけないということ。もう一つは、「自分」の殻から脱皮しなければならないということである。私たちはお金を造るための巨大な鋳造機の小さな歯車になっているのではないだろうか。
日本の鋳造機は地球上で最も大きく、周囲の多くの人々に害を加え、自然を最もひどく破壊しながら回っている。それでも日本が最も立派だとうぬぼれているようだ。人間が生きる上で、なにが大切かを知らないところに問題があるようだ。私たちは小さな歯車には決してなってはいけない。人間には温かい血が流れているのだ。
このように私たちの心は鋳造機に溶かされる鉄ようようになってしまい、隣人の心を感じることができなくなってしまったようだ。46年もの間、口を閉ざし息をひそめて生きてきた元朝鮮人従軍慰安婦たちは、「民間業者がしたことだ」とか「見舞金を考えている」という言葉にあきれ返って、こぶしで胸を叩きながら立ち上がった。「私たちが望んでいるのはお金ではない」「犯罪人が誰を見舞うというのか」という言葉の真意が日本人には伝わらないようだ。[...]
言葉の上では日本人は何度も謝罪した。しかし、それが真の謝罪でなかったことは、韓国人ばかりでなく良心的な日本人も知っている。韓国人が願っているのは心からの謝罪なのである。日本が従軍慰安婦だった方たちに本当にすまなかったと考えるならば、誠意をもって真相を究明したと思う。真相が究明されたとすれば、心から謝罪せずにはいられないだろう。補償は謝罪の表現にすぎない。[...]日本人も人間として「自分」だけの殻を抜け出し、周囲を見て、自分がもたらした破壊を直視してほしい。[...]日本政府というのは、事態を把握して行動へ移すのに、足踏みする傾向があるようだ。そのような政府の姿勢を変えうるのは、日本人一人ひとりの力だと思う。そのために日本人は自分の殻から抜け出し、人間性を回復することから始めなければならないのではないだろうか。
朝鮮人女性がみた「慰安婦問題」 P.4
「補償は謝罪の表現」・・・。こういう人たちは色々面白い言葉を発明する。