ここ数日の朝日新聞の新・慰安婦問題キャンペーン(?)はちょっと問題だと思う。それについてまだまとめられずにいるのだが、つなぎとして、朝日の「ニュースがわからん!」コーナーがある意味分かり易いので・・・。
繰り返しになるが(何度でも繰り返さねばならないらしい)、吉見義明教授も言うように、慰安婦が女子挺身隊(徴用=強制連行)と混同されて政治問題化したのは90年前後のことである。
指摘を受けた政府は省庁の資料を調査したが、慰安婦が国家総動員法の対象であった事を示す公文書は存在しなかった[参議院予算委員会1990.6.6 外務委員会12.18など]。しかし、それでも韓国側は納得しなかった。朝日新聞は主語を省略しているが、「(日本政府が)女性を強制的に連行した」(強制動員)というのが先方の言い分であった。どうしても韓国側が納得しないので、その生き証人だとされた韓国人元慰安婦への聞き取りが行われた。
慰安婦には日本人女性も多くいたが、日本人慰安婦に対する突っ込んだ調査は行われていない。日本人慰安婦が徴用(強制連行)の対象者だったと考える人がいなかったからだろう。インドネシア人に対しても同様である。
福島原発の作業員を対象に東電が健康診断(被ばく線量に応じたがん検診など)を行っているが、「東電の新潟の水力発電所では検査していなかった!」と騒ぐようなものである。それも20年も経ってから。常軌を逸している。
(ニュースがわからん!)慰安婦問題で政府はどんな調査をした?
◇韓国でのみ、聞き取りをした。他国では行わなかったんだ
ホー先生 日本政府は慰安婦問題(いあんふもんだい)でどんな調査(ちょうさ)をしたんじゃ?
A まず1991~92年に省庁(しょうちょう)などに残っていた資料(しりょう)を調べ、当時の加藤紘一官房長官(かとうこういちかんぼうちょうかん)が政府の関与(かんよ)を認(みと)める談話(だんわ)を出した。
ホ それで終わらなかったのか?
A そう。女性を強制的(きょうせいてき)に連行(れんこう)したことを認めるように求める韓国側が納得(なっとく)しなかった。日本側は韓国の元(もと)慰安婦16人から聞き取りもした。この証言(しょうげん)を元に、93年の河野洋平(こうのようへい)官房長官談話で本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあるとした。
ホ 政府は問題を広げないようにしていたのか?
A 調査は韓国を意識(いしき)したものだった。聞き取りは他国では行わなかった。
ホ ホホウ! 調査で何がわかったんじゃ?
A 32年の上海事変(シャンハイじへん)のころから45年の終戦(しゅうせん)にかけて、アジア各地に軍の要請(ようせい)で慰安所(いあんじょ)が設営された。多くは民間業者(みんかんぎょうしゃ)が経営(けいえい)したが、軍は管理(かんり)に関与した。
(以下略 全文)
朝日 2013.10.14
けっきょく韓国人慰安婦に対する調査でも、慰安婦強制連行(徴用)の事実は証明されなかった。 ところでこのコーナー、振り仮名を振ってあるところを見ると子供も意識しているのか?
(追記:朝日新聞のハングル版にもこのQ&Aが登場。韓国人にも分かりやすく「解説」している)