石合記者の誘導に乗らなかったアボット首相
オーストラリアは日本軍慰安婦とほとんど関係がない。まったくないわけではないが、何千何万という女性が慰安婦として戦地へ赴いた日本や朝鮮に比べれば、無関係と言っていい。
朝日新聞は、そんなオーストラリアのアボット首相に慰安婦問題を持ち出し、日本政府批判を引き出そうとしたようだが、アボット首相に受け流された。それでも朝日新聞の石合力、国際報道部長は「日本の一部にみられる過去の正当化や歴史の修正主義の容認と結びつくものではない」と未練がましい。アボット首相から色よい返事をもらえず、匿名の外交官の談話でお茶を濁している。
インタビューした記者のツイッターには突っ込みも・・・
オーストラリアにも、白豪主義や児童移民に対する虐待といった歴史があり、ポーリン・ハンソンのような人間もいる。だからといって、こういった問題をわざわざ外国に持ち出しはしないだろう。朝日新聞の言うオーストラリア人慰安婦とは、戦後オーストラリア国籍を取得した人物であって、元々は外国人(オランダ人)である。しかもこの人は、慰安婦というより戦時性暴力の被害者である。オーストラリア人外交官はまず間違いなく両者の違いが分かっていないし、朝日新聞は相手が分かっていないことを分かった上でコメントを取っている。
この時オーストラリアでは、中韓の反日(?)団体が慰安婦像を建てようとするのを、現地の日本人が阻止しようと懸命になっていた。そんな時に、朝日新聞はオーストラリアでマッチポンプを試みていたのである。ところで、歴史修正(主義)という点では、朝日新聞も同じである。朝日新聞は、かつて何度も紙面に登場させた吉田清治証言を今では信用していない。歴史観を修正したのである。
「EPA、日豪友好に重要」 アボット首相会見
アボット豪首相は朝日新聞との単独会見で「貿易相手国との間では信頼と依存関係が育まれる。日豪経済連携協定(EPA)は、両国の関係拡大にとって極めて重要だ」と述べた。貿易の自由化を通じた経済関係の強化は、政治・安全保障面も含めた両国の友好関係の拡大にも貢献するとの考えだ。▼1面参照
インタビューでは第2次大戦中、日本と交戦国だった「過去」にはあえて触れず、「未来志向」を貫く姿勢で、中国や韓国との違いを見せた。安倍政権が目指す集団的自衛権の行使容認や安倍晋三首相の靖国神社参拝問題では、具体的な評価を避けた。
かわりに言及したのは半世紀前、安倍首相の祖父岸信介首相とメンジース首相(いずれも当時)との間で進めた日豪通商協定。双方に「戦争当時の余波や感情的な怒り」があったにもかかわらず、「歴史的な条約」にこぎつけた。「条約によって豪州の石炭、鉄鉱石さらにはガス産業が大きく発展し、日本の富と発展、繁栄にもつながった」
ただ、こうした実利主義的ともいえる対応は、日本の一部にみられる「過去の正当化」や「歴史の修正主義」の容認と結びつくものではない。ある豪州の外交官は「我が国にもまだ生存している慰安婦がいる。歴史問題を忘れたわけではありません」と明かす。
アジア太平洋国家を自任する豪州が貿易とともに重視するのは、教育を通じた交流強化だ。アボット氏は日本を手始めに域内諸国に自国の優秀な学生を送り込む「新コロンボ計画」を明らかにした。かつて域内の優秀な学生を豪州に受け入れた「コロンボ計画」の裏返しともなる。「域内への統合を深め、アジアの文化を理解する手段」は「域内諸国への尊敬の印」でもあるという。
(国際報道部長・石合力)
■主なやりとり
トニー・アボット豪首相との主なやりとりは以下の通り。
――日豪EPAは、双方に得るものがあるか?
「豪州は自動車関税で大きな譲歩をする方針だ。豪州産牛肉の関税でも良い合意を確信している。牛肉関税の大幅削減で、日本の消費者はもっと安くて良い食品を買えるようになる」
――交渉の進展具合は?
「今回の訪日は最終合意の発表にちょうど良い。そして、7月に安倍晋三首相が訪豪する時に署名に持ち込む。そう願っている」
――日本の農家を納得させられるか?
「自由貿易は多くの雇用を生む。より自由化すれば雇用はさらに増す。今はEPAの妥結にとって良いタイミングだ。環太平洋経済連携協定(TPP)は10カ国以上が参加しており、本質的に日豪EPAより交渉は難しい」
――アジア太平洋地域では安全保障面の緊張が増している。日豪関係は安定にどう貢献できるか?
「通商関係が強まれば信頼は強まる」
――安倍政権は憲法解釈を変更することで、集団的自衛権の行使に動こうとしている。
「日本は地域や世界の問題でより大きな役割を果たしてほしい。東ティモールやカンボジア、イラクでの(自衛隊の)活動でも日豪は緊密に協力してきた」
――豪州にもいる旧日本軍の慰安婦の問題など、日本の歴史認識はどう受け止めているか?
「(慰安婦の問題は)豪州では現代の問題ではない。戦争時代の記憶が残る約60年前、日豪は通商交渉を始め、それは日本の発展にもつながった。大事なことは未来を見据えること。そうしたからアジア諸国は発展できた」
――マレーシア機の捜索で進展は?
「有力な証拠は出てきていないが、最新の機器と技術を使って謎を解こうとしている。解決は約束はできないが、あらゆる方法をし尽くすまで捜索はやめない」
(古谷祐伸)
朝日 2014.4.7
追記: 聨合ニュースは、朝日新聞のこの記事を「『韓国にもまだ生存している慰安婦がある・・・』としたオーストラリアの外交官の発言を紹介した」と報じた※1(更に追記:韓国日報も)。オーストラリア人慰安婦の話が、韓国人の慰安婦の話にすり変わっている。日本談児さんに指摘して頂いた。
※1
(도쿄=연합뉴스) 이세원 특파원 = 일본을 방문 중인 토니 애벗 호주 총리는 일본군 위안부 문제에 관해 "호주에서는 현대의 문제가 아니다"라고 말했다.
그는 7일 보도된 아사히(朝日)신문과의 인터뷰에서 '호주에도 (피해자가) 있는 옛 일본군 위안부 문제 등 일본의 역사 인식을 어떻게 받아들이느냐'는 물음에 호주와 일본이 통상교섭을 시작해 발전을 이뤘다는 사실을 언급하며 이같이 답했다.
애벗 총리는 "중요한 것은 미래를 응시하는 것이다. 그랬기 때문에 아시아 여러 국가의 발전이 가능했다"며 "모든 국가가 미래를 보며 도발하지 않는 것이 중요하다"고 언급했다.
그는 아베 총리가 추진하는 집단자위권 구상에 관해 "일본이 지역이나 세계의 문제에 더 많은 역할을 하기 바란다"며 "동티모르, 캄보디아, 이라크에서 (자위대의) 활동에도 호주가 긴밀하게 협력해 왔다"고 말했다.
아사히는 애벗 총리가 일본과 호주가 2차 대전 중 교전을 벌인 과거를 굳이 언급하지 않고 미래 지향을 강조해 중국이나 한국과는 다른 모습을 보였다고 평가했다.
하지만, 이 신문은 애벗 총리의 이런 발언이 일본 내 일부 세력의 과거 정당화나 역사 수정주의를 용인하는 것은 아니라며 '우리나라에도 아직 생존한 위안부가 있다. 역사 문제를 잊을 수는 없다'는 한 호주 외교관의 발언을 소개했다.
애벗 총리는 7일 아베 신조(安倍晋三) 일본 총리와 정상회담을 하고 양국 경제동반자협정(EPA)의 주요 사항에 관한 합의의 뜻을 밝힐 것으로 알려졌다.