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2014/05/27

慰安婦問題に火をつけた日本人、本岡・高橋・戸塚(産経)

本岡に見出された戸塚だったが、後に本岡とも対立

慰安婦騒動は日本人が焚きつけたものであるが、この中には、言うなれば故意の人(犯)と過失の人(犯)がいた。戸塚悦朗は前者、本岡昭次は後者だろう。

1990年の本岡の国会での質問が慰安婦問題のきっかけである(この時社会党の議員であった本岡は、強制連行<徴用>された韓国人の中に慰安婦はいなかったのかと質問した)。その本岡が、国際問題化した現在の状況を憂えているというのは意外だった。曰く「納得がいかない。・・・問題の解決に役立つとは思わない」。しかし、戸塚悦朗に慰安婦問題を国連に持ち込ませたのも本岡であったらしい。その戸塚が国連に慰安婦=性奴隷言説を定着させた。そのことで本岡は戸塚と言い争ったというが・・・。

「私も火付け役」
胸を張る?高橋

慰安婦騒動の母ユン・ジョンオク千田夏光の本を売り込んだ矯風会高橋喜久江は、自分も火付け役だと胸を張っているらしい。そう産経は伝えている。

【歴史戦 第2部 慰安婦問題の原点(5)後半】
火付け、たきつけた日本人たち

平成4年8月にソウルで開かれた「挺身隊問題アジア連帯会議」で、日本だけをたたく韓国とは違う視点を示した台湾やタイの女性に対し、「余計なことを言うな!」と怒鳴った相手が誰かを、ジャーナリストの舘雅子は記憶している。

声の主は、日本キリスト教婦人矯風会メンバーで「売買春問題ととりくむ会」事務局長を務める高橋喜久江。明治19年に発足した矯風会の初期の主な活動の一つに公娼制度の廃止運動(廃娼運動)がある。

高橋によると、矯風会が慰安婦問題に関わるようになったのは昭和63年のことだ。高橋が、のちに韓国の挺身隊問題対策協議会(挺対協)共同代表になる梨花女子大教授の尹(ユン)貞(ジョン)玉(オク)に出会ったことがきっかけだった。

この年の春、高橋は韓国・済州島で尹の講演を聞き、「講演で挙げた資料に(日本の作家の)千田夏光の本がないのはなぜか」と尹に話しかけた。帰国後、「従軍慰安婦」という造語を広めた千田の著書を尹に送り、連携を強めていった。高橋は日本国内での慰安婦問題の拡大、過熱について「挺対協がのろしをあげてくれた」と評価した上で、こう自負する。

「私も火付け役をした」

高橋は平成2年6月6日の参院予算委員会での議事録を尹に送った。それは、社会党参院議員の本岡昭次の質問に、労働省職業安定局長が「(慰安婦の)実態について調査して結果を出すことはできかねる」と答えた部分だった。

この答弁について、現在、挺対協常任代表を務める尹(ユン)美(ミ)香(ヒャン)は今月20日、日本人記者団にこう評価した。

「韓国世論が(慰安婦問題に)関心もなく、被害者自体も(名乗り)出ていなかった中で、世論(の共感)が盛り上がる大きなきっかけは、本岡の国会質問に対する日本政府の答弁だった

日教組傘下の兵庫県教組委員長出身の本岡は、元年から兵庫県における「朝鮮人強制連行」の実態調査を開始した。その過程で慰安婦問題にも着目し、3年12月に神戸市内で韓国人元慰安婦の金学順と面会した。その時のことを、本岡はこう振り返る。

「『国会議員でしょ。本来ならあなた方が解決しなきゃいかんことじゃないですか』とやられた。『そこまで言われたら、国会議員としてやれるだけのことはやってみせます』とたんかをきったんですよ」

本岡は以後、慰安婦問題に本格的に取り組む。13年8月に参院副議長に就任するまでの間、慰安婦と日本政府の法的責任をめぐる国会質問は20回以上にのぼった。

「日本で問題にならないなら、ジュネーブの国連委員会に議論を持ち込もう

こう考えた本岡が白羽の矢を立てたのが、英語に堪能で、国連に人脈を持つ弁護士、戸塚悦朗だった

戸塚は4年2月、ジュネーブの国連人権委員会に対し、慰安婦問題を取り上げるよう求め、初めて慰安婦は「性の奴隷」だと主張した。「龍谷法学第45巻第2号」の中で、戸塚は「この問題を国連に報告すべき時期が到来したと判断した」と説明している。

別の雑誌では「性奴隷」という言葉を用いた理由について、こう記している。

「『従軍慰安婦』問題に関する国際法上の検討がなされていなかったため、これを法的にどのように評価するか新たに検討せざるをえなかった。結局、日本帝国軍の『性奴隷』(sex slaves)と規定した。直感的な評価だった」

戸塚は、7年までに少なくとも15回以上欧米などに渡航し、国連などで活発なロビー活動を展開した。その結果、8(1996)年2月、国連人権委は、慰安婦を性奴隷と認定した「クマラスワミ報告」を採択するに至る。それが2007年7月の米下院慰安婦決議などにもつながった。

戸塚を運動に巻き込んだ本岡だが、慰安婦を性奴隷と規定することには違和感を抱き、「戸塚と言い争った」と語る。

本岡は「国の責任で法律をつくって『慰安婦』問題を解決すべきだ」との立場だ。とはいえ、「20万人強制連行説」や「性奴隷説」が慰安婦像や碑文とともに世界で流布されている現状に対しては不満がある。

「納得がいかない。そういうことが独り歩きするのは嫌だし、問題の解決に役立つとは思わない

産経新聞は戸塚に複数回にわたって取材を申し込んだが、「(私の)論文を読んでいただきたい」として応じなかった

産経 2014.5.25

追記: この産経の記事には一部事実と異なるという指摘もある。