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2014/09/15

日本政府の聞き取り調査 映像公開へ

93年の聞き取り調査の様子
(報道ステーションより)

この日本政府による聞き取り調査の内容は既に月刊誌がスッパ抜いているが、政府は非公開を前提にした聞き取りの内容を公開することに慎重であった。しかし、遺族会がビデオを公開するというのだから、日本政府もこれ以上遠慮は無用だろう。そういう意味で、朝日新聞のスクープから公開が決まった吉田(昌郎)調書と似た流れと言えようか?公開されれば、今からでも検証可能な部分は検証すればいい。

遺族会は、視覚的にインパクトを与えられると考えているのだろう。「残りの映像についても日本政府の態度次第で段階的に公開する」と脅迫調である。確かに、英語字幕をつけて公開すれば、日本と韓国が戦争したと思い込んでいるような外国人には効果がありそうだが、日本人はどう受け取るか。この決断は、彼らにとって吉と出るか凶と出るか・・・。

元慰安婦への日本政府の聞き取り 映像初公開=韓国団体

慰安婦問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた河野談話の発表に先立ち、日本政府が21年前に韓国で実施した被害者の聞き取り調査の様子を収めた映像が初めて公開された。

市民団体「太平洋戦争犠牲者遺族会」は15日、ソウル市内で記者会見し、聞き取り調査の様子を収めた映像の一部を公開した。

「慰安婦の強制連行を裏付ける資料は確認されなかった」と主張し、談話の作成にあたって韓日両政府が文言のすり合わせを行ったとする日本の政治家や一部メディアの主張に反論する証拠になりそうだ。

映像は1993年7月26日から5日間、元慰安婦の故金学順(キム・ハクスン)さんら16人の証言を聴取する様子が収められたもの。同日公開された映像は15分間だった。

太平洋戦争犠牲者遺族会の梁順任(ヤン・スンイム)会長は、日本政府の要請で21年間公開しなかったが最近、日本政府が河野談話に関連し真実を歪曲(わいきょく)しているため、映像の一部を公開することにしたと説明。「証言者16人のうち14人は亡くなったが、証拠は生きている」と話した。

同団体は国連に映像を報告し、国際社会に広く知ってもらうほか、残りの映像についても日本政府の態度次第で段階的に公開する方針という。


これまで日本政府は公開に慎重だった。

根拠資料、非公開の方針 政府、にじむ韓国への配慮「大半が機密扱い」

慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話の検証結果をめぐり、検証の根拠となった元慰安婦への聞き取り調査などの資料について、政府が「大半が機密扱いの外交文書だ」との理由で公開しない方針であることが22日、分かった。

政府側は20日の衆院予算委員会理事会で、「河野談話作成過程検討チーム」による検証作業の経緯について「検討チームのメンバーには守秘義務をかけて外交の機密文書を公開し、報告書の作成をお願いした」と説明した。その上で「原始記録である外交文書を公開することはできない」と理解を求めた。

これに対し、河野談話の検証を求めていた日本維新の会の山田宏衆院議員は、検証結果がまとまったことを踏まえ「原始資料も合わせて公表しないと韓国から捏造(ねつぞう)だといわれる。報告書が真実だという証拠も公表しないと検証の意味がない」と公開を要求した。

しかし、政府側は「韓国には、検証結果の内容は客観性とすべての裏付けがあると伝える。理解してもらえるよう説得に努めたい」と応じるだけだった。加藤勝信官房副長官は「河野談話の見直しや取り消しは(安倍政権では)ない」と強調した。

政府は、韓国側が検証結果に反発していることから、韓国に配慮して外交文書の公開を拒否する方針とみられる。

外交文書の公開をめぐっては、22年に当時の民主党政権が日米核密約の調査を契機に、30年経過した文書を原則公開する制度を導入。自民党もその方針を踏襲し、公開手続きが済んだ文書は、都内の外交史料館で閲覧が可能になった。

元慰安婦の聞き取り調査を実施したのは5年7月、河野談話の発表は同年8月で、公開基準に達するまで9年間残っている。

産経 2014.6.23