日韓請求権協定の枠組みを壊すわけにはいかない。韓国政府もそれを理解しているから、和解・癒し財団の理事(当時は準備委員長)も当初は10億円は賠償金ではないと言っていたのだが、
バッシングされて前言撤回となった。日本側としては、改めて念押ししておこうということだろう。
慰安婦支援10億円「賠償該当せず」日韓、認識確認へ
日本政府は31日、元従軍慰安婦を支援する韓国の財団に拠出する10億円について「賠償金に当たらない」との認識を確認する方針を固めた。過去の請求権を互いに放棄した1965年の日韓請求権協定に基づいているとの立場を明確にする必要があると判断した。複数の日本政府筋が明らかにした。だが賠償の性格を反映させたい韓国が全面的に応じる展開は想定しにくく、「玉虫色」決着を図る可能性もある。
慰安婦問題に関する日韓合意に基づく10億円拠出を巡っては、与野党や保守層の一部から「日本が法的責任を認め、賠償金を支払ったとの印象を与える」との声が出ている。一方の韓国では、日本の法的責任追及を求める世論がくすぶる。韓国政府は世論動向を意識しており、両国間でどこまで共通見解を明確化できるかが焦点になる。8月中にソウルで開く韓国との外務省局長協議で調整を進める。
日本政府は「10億円は賠償金ではない。そう受け止められないようにしなければいけない。韓国とは協議中だ」と述べた。別の政府関係者は「未来志向の日韓関係を築くという観点が盛り込まれてもいいのではないか」と強調した。