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2017/02/09

NYTの脱洗脳は『帝国の慰安婦』から?著者勝訴報じる

一部の日本人や在日も朴バッシングに加担した

ノリミツ・オオニシ以下、何人もの迷物記者が慰安婦問題をミスリードして来たニューヨーク・タイムズだが、『帝国の慰安婦』を巡る刑事訴訟にパク・ユハ教授が勝訴し、以前から彼女に注目していたNYTが教授の主張を中心にこのニュースを取り上げた事で、結果的に日本に助け舟を出す形になったかもしれない。

慰安婦騒動がどういう物かアメリカにも少しずつ伝わりかけて来たか?なぜこの問題が終わらないのか。韓国社会では正史に逆らうことが許されないとか、法廷内で慰安婦がパク教授を罵倒したことも明らかにされ、「強制はなかった」という日本人の舌足らずな弁解を聞いて激怒していたアメリカ人も、「日本政府が・・・強制的に募集するのに公式に関わったという証拠はなく、それゆえ法的な責任はない」というパク教授の主張を紹介されて、ようやく合点がいったかもしれない(日本人の説明下手は、犯罪レベル)。

地裁前で怒りを表明するイ・ヨンス(1.25)
法廷内でも朴教授を罵倒

韓国で主流になっている「性奴隷制度」という認識が必ずしも全体像ではないというパク教授の意見に、記者も感化されつつあるのだろう。だから慰安所も売春宿と書いている。細かい部分には疑問もあるが、全体的に先入観から脱しつつあるといった印象を受ける記事ではある(まだ断定するには早いが)。

しかし、変化が起こりつつあるとしても、それは日本政府の働きかけでも日本人の電凸のせいでもない。韓国人であるパク・ユハ教授の存在があったればこそである。そういうパク教授も、アン・ビョンジクキム・ワンソプと同じ運命を辿ったかもしれない。彼女が日本の知識階級に多くの知己を持ち、日本の新聞も彼女の苦難を報じた・・・そしてもしかしたら、彼女が女性であったことも幸いしたかもしれない(もっとも、朴バッシングの裏にも日本人や在日がいた)。それがニューヨーク・タイムズに変化をもたらしたのなら、今回の事は、パク教授をスラップ訴訟の標的にした慰安婦支援団体(ナヌムの家)が自ら墓穴を掘ったと見るべきだろう。

非道な?判決に目頭を押さえるイ・オクソン

「慰安婦」について書いた教授名誉棄損裁判に勝つ

第二次大戦中の日本の軍用売春宿について書かれ、元従業員(慰安婦)の韓国人女性を怒らせた本の著者である大学教授が水曜日、名誉棄損(の裁判)で無罪を勝ち取った。

ソウルにある世宗大学の日本文学の教授であるパク・ユハは、2003年に『帝国の慰安婦』を上梓した。その時以降、彼女は戦時中に売春宿で働くことを強制されたと主張する9人の韓国人女性から民事と刑事で告訴された。

一年前、パク氏は民事裁判に負け、「偽り」と「歪曲された」本の中身で女性らを名誉を棄損したと裁判所に言い渡され、9人に一人当たり1000万ウォン、8500ドルの支払いを命じられた。

しかし、この水曜、パク氏は刑事裁判に勝訴した。韓国のメディアに注目された裁判で、ソウルの東部地裁の裁判官は、彼女の学問的自由は守られるべきだと判決を下した。

「本の中の被告の意見は、批判や反論を招き、慰安婦が強制的に動員されたことを否定する人々によって悪用される懸念すらある」とイ・サンヨン裁判官は述べた。「しかし、学問的表現の自由は守られなければならない。それが正しい場合だけでなく、それが誤っている場合も」。

イ裁判官は、パク氏の本は最終的には自由な討論を通じ学者や市民によって裁かれるべきだと述べた。

慰安婦問題は、韓国と日本の間で最も感情的な紛争の一つである。歴史家は、最低でも数万人、1930年代の初期から1945年まで売春宿にいたとしている。その多くが朝鮮人であった。238人の女性が韓国で名乗り出て、40人足らずが存命である。全員が80代と90代である。

パク氏に懲役3年を求刑した検察は、不服申し立て一週間の猶予がある(引用者注:検察は控訴した)。

水曜日に裁判官が判決を読み上げた際、9人の慰安婦の一人、イ・ヨンス(89歳)は立ち上がって非難した。韓国の報道によれば、彼女はパク氏を「親日の裏切り者」と呼んだ

パク氏は判決を歓迎し、自分は慰安婦たちと戦っていたのではなく、韓国の学者やジャーナリストたち(慰安婦の)支持者と戦っていたのだと述べた。彼らは、慰安婦に対する主流の物語と異なるいかなる意見も許さないのだと彼女は言う。

たくさんの韓国と日本の有識者が、パク氏の法的トラブルは韓国でデリケートな歴史問題について既存の常識に盾突くのがいかに危険か警告してきた。

パク氏は本の中で、日本人が婉曲的に「慰安婦」と呼ぶ売春宿にいた女性たちについてもっと大局的な見方をと訴えて来た。彼女たちは、韓国の公式な歴史の中では広く性奴隷制度に強制されるか誘い込まれた若い女性と記述されている。パク氏は、それは部分的にしか正しくないと主張している。

彼女は、日本政府が当時植民地であった朝鮮から女性を強制的に募集するのに公式に関わったという証拠はなくそれゆえ法的な責任はないと書いた。彼女は朝鮮人の(対日)協力者(collaborators)に日本の民間人募集者同様、朝鮮人女性を、時に強制的に、「慰安所」に入れた主たる責任があると言う。彼女は同時に、慰安所での生活には強姦と売春の両方が存在し、女性の一部は日本兵たちと「同志的関係」を育んだと言う。

歴史家や元性奴隷を含む韓国におけるパク氏の批判者たちは、彼女が多くの日本人の見解を口真似する為に歴史資料を恣意的に抽出していると批判する。彼らは彼女を「親日の擁護者」と呼ぶ。一部の日本の右翼政治家は、慰安婦は単なる売春婦だと言って韓国人を怒らせて来た。

韓国は公式に、日本は強制的に女性を募集し売春宿を運営したことで法的に責任があると言っている。日本政府は1965年の外交関係回復の条約で完全に決着したと言っている。

しかし、2015年の12月、両政府は、彼らが言うところの「最終的かつ不可逆的」な合意を発表した。この取り決めで、日本は責任を認め、新たな謝罪を女性たちに行い、(慰安婦たちの)老後の面倒を見る補助に830万ドルの基金を約束した。だが一部の慰安婦は、日本の「法的」責任を特定しておらず、公的な賠償がないとして合意を拒否している。

合意一周年にあたる先月、慰安婦の支援者たちは、慰安婦を象徴する新な銅像を韓国にある日本総領事館の正面に設置した。これに抗議して日本政府は駐韓大使(?)を帰国させた。