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2014/08/07

[慰安婦報道検証] 朝日は追い詰められていたのか?

NHKにも報じられる

なぜ今になって朝日新聞は、過去の慰安婦報道を検証しようと考えたのか?(関係者のツイートを見ると、検証自体はもっと早くから行われていたようなのだが)この問題が主因となって日韓関係が救いようのない状況に陥っている。元凶の一人として追い込まれているのだろうか?

相変わらず「被害者を売春婦などとおとしめることで自国の名誉を守ろうとする一部の論調が・・・問題をこじらせる原因を作っている」などと責任を転嫁している。前にも元取材班の一人が「黒田さんが『慰安婦狩り証言はウソだ』という記事をバーンと書いて、日韓関係もぐちゃぐちゃになった」と責任転嫁していたが、原因を作ったのは他ならぬ自分である。

「似たような誤りは当時、国内の他のメディアや韓国メディアの記事にもありました」というのはその通りなのだろうが、当時朝日のソウル特派員だった前川惠司は「韓国社会を熟知している各社の特派員は、吉田氏の証言を端から疑っていた」とも証言している。NHKのディレクターだった池田信夫は「私は当時、植村記者と同時に取材したが・・・常識だ」と批判している。当然、読売や産経は反論している。

読売新聞にも当初、女子挺身隊や吉田氏に関して、誤った記事を掲載した例があった。だが、90年代後半以降は、社説などを通じて、誤りを正している。(読売
その後、本紙は取材や秦氏らの実証的研究をもとに、証言が「作り話」であることを何度も報じている。(産経

誤報自体が問題なのでなく、朝日新聞が訂正せずに20年も30年も垂れ流しにしてしまったことが責められているのだと思う。一方で、朝日新聞のこの一連の検証を「朝日新聞が安倍首相に反撃」と報じたのは、韓国メディアであった。ある意味必死なのかもしれないが、朝日が韓国メディアの橋頭堡となっていることを証明しているようにも見える。

今さら撤回しても韓国メディアは聞く耳持たず

「隣国と未来志向の安定した関係を築くには慰安婦問題は避けて通れない課題の一つです」。そうなったのは誰のせいなのか。おまけに勢い余ってボスニア紛争の集団強姦まで持ち出している。ボスニアの集団強姦とは、民族浄化を目的とした「戦争の手段としてのレイプ」であった。反日団体がしばしばこの戦争犯罪と慰安婦問題を並べて国際世論に訴えて来たのは当然悪意からであろうが、朝日新聞は単に鈍感なのだろう。

「アジア女性基金が元慰安婦に償い金を渡す際、歴代首相はこんな一節も記した手紙を添えました。・・・和解へ向けて歩を進めようとする政治の意思を感じます」。朝日新聞がアジア女性基金をこれほどまでに高く評価しているとは知らなかった(やや棒読み)。この辺も過去の報道を検証した方がいいのではないか?

「私たちはこれからも変わらない姿勢でこの問題を報じ続けていきます」・・・反省してないというか、自覚がないというか・・・。

慰安婦問題の本質 直視を

編集担当 杉浦信之

日韓関係はかつてないほど冷え込んでいます。混迷の色を濃くしている理由の一つが、慰安婦問題をめぐる両国の溝です。

この問題は1990年代初めにクローズアップされ、元慰安婦が名乗り出たのをきっかけに議論や研究が進みました。戦争の時代に、軍の関与の下でアジア各地に慰安所が作られ、女性の尊厳と名誉が深く傷つけられた実態が次第に明らかになりました。

それから20年余、日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」の見直しなどの動きが韓国内の反発を招いています。韓国側も、日本政府がこれまで示してきた反省やおわびの気持ちを受け入れず、かたくなな態度を崩そうとしません

慰安婦問題が政治問題化する中で、安倍政権は河野談話の作成過程を検証し、報告書を6月に発表しました。一部の論壇やネット上には、「慰安婦問題は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」といういわれなき批判が起きています。しかも、元慰安婦の記事を書いた元朝日新聞記者が名指しで中傷される事態になっています。読者の皆様からは「本当か」「なぜ反論しない」と問い合わせが寄せられるようになりました。

私たちは慰安婦問題の報道を振り返り、今日と明日の紙面で特集します。読者への説明責任を果たすことが、未来に向けた新たな議論を始める一歩となると考えるからです。97年3月にも慰安婦問題の特集をしましたが、その後の研究の成果も踏まえて論点を整理しました。

慰安婦問題に光が当たり始めた90年代初め、研究は進んでいませんでした。私たちは元慰安婦の証言や少ない資料をもとに記事を書き続けました。そうして報じた記事の一部に、事実関係の誤りがあったことがわかりました。問題の全体像がわからない段階で起きた誤りですが、裏付け取材が不十分だった点は反省します。似たような誤りは当時、国内の他のメディアや韓国メディアの記事にもありました

こうした一部の不正確な報道が、慰安婦問題の理解を混乱させている、との指摘もあります。しかし、そのことを理由とした「慰安婦問題は捏造」という主張や「元慰安婦に謝る理由はない」といった議論には決して同意できません。

被害者を「売春婦」などとおとしめることで自国の名誉を守ろうとする一部の論調が、日韓両国のナショナリズムを刺激し、問題をこじらせる原因を作っているからです。見たくない過去から目を背け、感情的対立をあおる内向きの言論が広がっていることを危惧します。

戦時中、日本軍兵士らの性の相手を強いられた女性がいた事実を消すことはできません。慰安婦として自由を奪われ、女性としての尊厳を踏みにじられたことが問題の本質なのです。

90年代、ボスニア紛争での民兵による強姦(ごうかん)事件に国際社会の注目が集まりました。戦時下での女性に対する性暴力をどう考えるかということは、今では国際的に女性の人権問題という文脈でとらえられています。慰安婦問題はこうした今日的なテーマにもつながるのです。

「過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております」

官民一体で作られた「アジア女性基金」が元慰安婦に償い金を渡す際、歴代首相はこんな一節も記した手紙を添えました。

歴史認識をめぐる対立を超え、和解へ向けて歩を進めようとする政治の意思を感じます

来年は戦後70年、日韓国交正常化50年の節目を迎えますが、東アジアの安全保障環境は不安定さを増しています。隣国と未来志向の安定した関係を築くには慰安婦問題は避けて通れない課題の一つです。私たちはこれからも変わらない姿勢でこの問題を報じ続けていきます。

朝日 2014.8.5

韓国メディアのウケはいいようで・・・。朝日新聞も少し救われたのではないか?困った時の友は真の友と言います。

朝日の主張、韓国メディアは好意的に報道「消せない事実」

朝日新聞が5日付朝刊に自社の慰安婦問題報道について検証記事を掲載したことについて、韓国各メディアは報道の事実を簡潔に伝えた。

夕刊紙、文化日報は、朝日新聞1面に掲載された杉浦信之編集担当の記事内容を主に伝え、2面にわたる特集記事の内容を紹介した。吉田清治氏による「済州島で連行」証言を朝日が虚偽と判断し記事を取り消したことも報じた。

しかし、「尊厳を蹂躙(じゅうりん)された慰安婦(問題)の本質を直視しよう」「性の相手を強要、消せない事実」などとの見出しを掲載。慰安婦問題についての論調に基本的な変化がみられない朝日新聞の報道に同調し、好意的に報じている。

産経 2014.8.5