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2011/09/01

日本人ボランティアが伝えるドイツの慰安婦デモ


矢嶋宰は昔ナヌムの家でボランティアとして働き、ドイツ人女性と結婚してドイツへ移住した人物だと思った。慰安婦デモもすっかりお祭り化し、「傷つけられた尊厳の回復」などと言われても、聞かされる方は虚しい思いがするだけ。

昨年のハンギョレ紙によると矢嶋は韓国系の運動家と共に「ドイツ全国を巡回して講演、ドキュメンタリー、写真展等を通して慰安婦問題を知らせている。ドイツの人権担当ヨ ーロッパ議会議員とも接触して慰安婦問題ヨーロッパ次元の広報と女性に対する暴力防止国際連帯活動を行っている」ということである。

「日本が過去に何をしたかについても知らねばならない」と忠告するこの記事のドイツ人は、大方こういった本を読んで慰安婦問題を学んだのだろう。8月10日にベルリンで開催された水曜デモに矢嶋の名も写真も見当たらないと思ったが、彼は写真を撮る側にいたのだろう。


ベルリンで「慰安婦」問題解決求むデモ

8月10日、「慰安婦」問題の早期解決実現をアピールするスタンディングデモがベルリンで行なわれた。主催した「プロジェクト700」はベルリン在住の韓国・日本女性を中心に、2006年にソウルの日本大使館前の水曜デモが700回を迎えるのを機に結成されたグループ。

今年は金学順さん(韓国)が名乗りを上げてからちょうど20年になる。彼女の証言する姿を目にした各地の被害女性たちはそれまで固く閉ざしてきた口を次々と開き、戦時中彼女らの身に何が起こったのかを語り始めると同時に、傷つけられた尊厳の回復を求め、日本政府を相手に現在も闘い続けている。

しかし生存者のさらなる高齢化という現実にも直面している。韓国の例を見ても、この20年間に名乗り出た234名の女性のうち、生存しているのはわずか71名と半数以下になってしまった。

デモに参加した、ベルリンの大学で日本学を専攻しているというドイツ人男性は「日本の若者文化について研究しています。しかし日本が過去に何をしたかについても知らねばならない。今日本では脱原発を求めて多くの若者がデモを行なっていると聞いていますが、こうした関心が過去に残してきた課題にも向けられるといい。脱原発も日本の過去の克服も日本という国のあり様を問うという意味では共通していますし、それをになっていくのは若者ですから」と語った。(矢嶋宰・フォトジャーナリスト)

週間金曜日2011年8月19日号