これは日本の強制連行派の学者や、朝日新聞、社会党が散々やってきたことでもある。それにしても文字だと伝わり難いニュアンスもある代わりに、曲解や矛盾がよく分かる。橋下大阪市長が慰安婦の強制連行を否定する発言をしたということで、中央日報が噛み付いているのだが・・・
「日本軍が慰安婦を連行したという証拠はない」とし、日本軍慰安婦制度の強制性を否定する発言をした。
こんな短い文章でも、前後が繋がっていないことは誰にでも分かる。前半では、市長が「軍が(強制)連行したという証拠はない」と発言したと言っているのに、後半では「強制性を否定」したと言っている。ようするに、前半と後半は別の話なのである。
橋下市長が否定している強制連行とは、こういう話↓である。
現在韓国で放映中のドラマ「ガクシタル」より
中央日報の言う「強制性を認めた『河野談話』」もこのような↑状況は認めていない。「『河野談話』の意味を縮小することを望む日本右翼の主張」ではなく、橋下は、河野談話の解釈としては正しいこと言ったのであり、河野談話を拡大解釈している韓国側の方が問題なのである。
橋下大阪市長「慰安婦、強制連行の証拠ない」
橋下徹大阪市長が「日本軍が慰安婦を連行したという証拠はない」とし、日本軍慰安婦制度の強制性を否定する発言をした。
21日の日本メディアによると、橋下市長はこの日、李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(ドクト、日本名・竹島)上陸に対する立場を尋ねる記者団の質問に対し、「従軍慰安婦という課題が(独島問題の)根」とし「「慰安婦が(日本)軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。そういうものがあったのなら、韓国にも(証拠を)出してもらいたい」と述べた。
また「慰安婦制度は今から考えると倫理的に問題のある制度なのかもしれない」とし「韓国の言い分を全部否定しているわけではない」と述べた。
橋下市長のこの日の発言は、過去に慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」の意味を縮小することを望む日本右翼の主張を繰り返したもので、波紋が予想される。
ただし、こういう情報操作をやられることが分かり切っているところに、
安易に「強制連行はなかった」などと発言する政治家は評価できない。事情に疎い欧米のメディアに"Comfort women denier(慰安婦否定論者)"と売り込まれるのがオチである。
読売新聞の記事を読んでも(読売は慰安婦の強制連行を否定する立場)、橋下が何を言いたかったのか普通の人には分からないだろう。日本の政治家は、なぜこうも誤解されるような、揚げ足を取られるようなことを言うのだろう?
追記: 中央日報(日本語版)は翌日の記事でも、「『慰安婦
強制動員の証拠出すべき』橋下市長が妄言」というタイトルをつけながら、本文では「慰安婦
制度の強制性を否定」したとか、「慰安婦
連行の強制性を認めた『河野談話』」とか、懸命に言い繕っている。
挙句の果てに、日本の右翼は「
制度自体には強制性」はなかったと主張しているが、韓国政府は「日本政府が河野談話を通じすでに
強制性を認めたものと考えている」ので、妄言にはいちいち対応しないと結んでいる。
「慰安婦強制動員の証拠出すべき」橋下大阪市長が妄言
大阪市の橋下徹市長が、日本軍慰安婦制度の強制性を否定する発言をした。共同通信は21日、橋下市長がこの日李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(ドクト、日本名・竹島)訪問に対する取材陣の質問に答えながら「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」と話したと報道した。橋下市長は、「慰安婦制度は今から考えると倫理的に問題のある制度なのかもしれない」とし、韓国政府の主張を全て否定するものではないと付け加えた。
だが、こうした発言は慰安婦連行の強制性を認めた「河野談話」を正面から否定する日本右翼の主張を繰り返したものだ。1993年8月に当時の河野洋平官房長官は、「慰安所は軍当局の要請で設置され、軍が慰安所の設置管理と慰安婦の移送に直接的・間接的に関与した。慰安婦の募集は甘言や強圧など本人の意思に反した場合が多く、官憲などが直接加担したこともあった」という内容の談話を発表し日本政府の介入を認めた。だが、日本の右翼は「日本軍が慰安婦を暴行・脅迫した」という内容は含まれなかったとし、制度自体に強制性はないと主張してきた。 橋下市長のこの日の発言に対し、外交通商部のチョ・テヨン報道官は定例会見で、「われわれは日本政府が河野談話を通じすでに強制性を認めたものと考えている。直接的な立場表明はしない」と話した。政府や内閣の一員でない限り政治家の妄言にいちいち対応しないという意味だ。
弁護士出身の橋下市長は極右的な指向と独断的なスタイルで、「橋下」と「ファシズム」を合わせた「ハシズム」や「ハシスト」というニックネームを得ている。日本では次期首相候補として議論されるほど人気を得ている。
追記:
ウォールストリート・ジャーナルにも橋下の発言が引用されたが、これを見ると、やはり海外の人には理解されないだろうなと思う。橋下は日本の記者にはこの後いろいろと補足説明しているが、外国に伝えられるときは「軍隊(人)が暴力を使って連行した証拠がないと主張した」としか伝えられない。必然的に、戦地での軍人による性暴力(軍規違反)のケース(
スマラン事件など)を持ち出されるだろう。それについて、細かく釈明するチャンスは橋下にはないのである。
やはり、政治家には「強制連行」「強制性」という左翼用語を避けて説明する知恵がいる。
※読売新聞
橋下市長、慰安婦の強制連行「証拠ない」
大阪市の橋下徹市長は21日、いわゆる従軍慰安婦問題について、「慰安婦という人たちが軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。もしそういうものがあったというなら、韓国の皆さんにも出してもらいたい」と述べ、旧日本軍や官憲による「強制連行」はなかったとの認識を示した。
大阪市役所で記者団の質問に答えた。
橋下氏の発言は、「資料の中に、強制連行を直接示す記述は見当たらない」とする政府の見解を踏まえたものだ。ただ、慰安婦問題の解決を主張する韓国側に論争を提起する姿勢を示したことで、韓国政府の反発を招く可能性もある。
橋下氏は、李明博韓国大統領の竹島訪問の強行について、「従軍慰安婦という課題が根っこにある。領土問題の前提として、従軍慰安婦について強制の事実があったかどうかを、韓国ときちんと議論すべきだ」と強調した。
読売新聞 2012.8.21