2014/09/29

将校たちが身請けした慰安婦 「救出せよ、一人残らず答えた」

長谷川伸

劇作家長谷川伸が記した中国の三竃島でのこの話。著者の手が入っているのか、実際に見たままを書き記したものか、自分には分からない。だが、あまりに生々しい情景はノンフィクションとして十分に説得力を持つように思える。

ここに記された慰安婦の姿は複雑である。彼女たちは、金稼ぎの為に追い返されても再び戦地へ舞い戻ってくるプロの売春婦であると同時に、(元々は)騙されて連れて来られた気の毒な人々でもあった。そして、甘言で慰安婦にされたらしい処女を救出するのに、軍人たちは契約内容を確認し、カンパを募り落籍の資金を作ってやらねばならなかった。このカンパには阿部弘毅司令官までが協力している。部隊中の慰安所関係の担当者が主計中佐に叱られているが、契約書は正式な物であったようである。

慰安婦には玄人の女が向いているとか、「初めは将校向きの五円の女を希望するが、ほどなく下士官兵向きか徴用工向きの二円の女に転向したがる。・・・二円の女だと荒稼ぎが出来るから」という話も、最近の作られたセックス・スレイブのイメージからは想像し難いが、千田夏光が集めた証言の中にも同様の話があったと記憶している(要確認)。慰安婦は台湾などで募集された者らであったという。

事実残存抄                  

華南の真っ只中にある三竈島に、数日私はいたことがある。昭和の大戦がまだ太平洋戦争に突入しなかった、昭和十三年十一月下旬であったと思う。この島の雨はふとさが細引き縄ぐらいあり、たちまちのうちにそこら中が海のごとくなるほどの降雨量であると、上陸した途端に海軍の士官に聞かされ、また、ここは百歩蛇・コブラのような毒蛇七種がいると、道案内の海軍下士官におどかされた。

[...]

しかし私たち数人の小説戯曲映画関係のものは、幸いに縄のような雨や百歩蛇や胴まわりが四斗樽ぐらいの大蛇などには、お目にかからないで済んだ。

この島で私たちの世話をしてくれたのは、詩人の主計中佐(後に大佐)矢野兼武であった。その矢野中佐に頼んで私と他に一両人が、同島に出来ている三種の売女がいるところを視察につれて行ってもらった。

[...]

その見送りの一般日本人とは別なところに、一群の女がいて、あるものは笑って嬌声ともども手を挙げ、ハンカチを振り、手拭を振り、あるものはトラさんとか、杉村さんとか呼びかけ、呼んだ軍夫君が振りむいて、手をあげたり袋入りの日本刀をあげて見せたりすると、女は涙を頬に走らせて再び呼びかけるのが、明かに別離を惜しむものであること、疑う余地がなかった。その女たちが遠目にも白粉臭い女とわかり、かつ服装がやや正常を欠いてケバケバしいので、居合わした下士官に尋ねたら、あれは慰安所の女でありますと答えた。それ以来、私たちは戦地には慰安所の女というものがあるのを知っていたので、この島にもそれがあるのをちらりと見かけ、矢野中佐に案内を頼んだという訳であった。

ここが士官用の慰安所ですと矢野中佐がつれて行ったところは中国風家屋に手を少し入れて無理やり日本的にした家で、白粉の女たちは一人も顔をみせなかった。がしかし私は、入口の壁に鉛筆で、「泣かせてよ泣かせてよ、泣かずにいられないわたしじゃないの」と書いてあるのを見た。

慰安所の宿舎に女がいないのを、矢野兼武中佐は、きょうは検査日で、ただ今がその折柄ですと説明した。

ここは下士官兵の慰安所女の宿舎ですと、矢野がいいながら門口に近づくより早く、宿舎の奥から飛び出して来た芸者くずれらしい大年増の女が、「主計長さんまた帰って参りました。どうぞよろしく」と立ち身のままで挨拶した。矢野は「今度はゴタゴタを起さんでくれ」といった。この女の引っかけていた黒縮緬の羽織の紋が汚れていた。とまた、もう一人、二十六、七歳の女が赤大名のお召の袷に、二本独鈷の伊達巻で出てきて、「また来ちまいました」といって、人を食った笑い方をしてみせた。このどちらの女も、私どもには用がないので無視してかかっていた。矢野は「君も来たのか、今度はおとなしくしろ」と歎息まじりにいった。

あとで聞いたところによると、きのう来たばかりの黒縮緬古羽織の女は、抱え主を困らせることが達考で、こんな時にこんな島へ女をつれて来るほどの抱え主が、何に彼につけて阿婆ずれの巧みさに負かされるので、遂に金をいくらかやって、募集地の台湾まで帰ってもらったのだという。

赤大名の女の方は、仲間の女の間に波瀾を起させるのが上手で、そのテにかかって、陰性と陽性と二種の喧嘩が、当番交代のようにたびたび起るので、抱え主が往生して、これも募集地の台湾まで帰した。それがやって来たのは、台湾でまたもこの募集に応じたので、偶然というものがやる奇妙さで、もとのこの島へ舞戻ったのだという。

この種の女はそのとき二十余人いたが、数週間の後に、約十人やって来ると、これは徴用工と下士官兵のうちの或る二、三人がいったことである。女の名を呼ぶことは非公式だが禁止してある、その代り番号で呼ぶ。しかし、十三番の女のことを客の男はジュサ(十三)ちゃんと呼び、二十三番の女のことはおフミ(二三)さんと呼ぶ、という式でやっているので、女の名を呼ばせないという趣意は無効になっている。女の名を呼ばせないのは、情意の深入りをふせぐためであるとか聞いた。ところが、非情な番号を人人は、有情な呼び名に呼び改めたのだから、何もならない。

将校は五円の入場券がいる。下士官兵と徴用工の入場券ぱおなじく二円で、夜十時になると銅羅を打って、その打ち終りと同時にこの種の女のすることは、ことごとく止めとなる。行間はもちろんこの種のところは閉鎖し、夕食時から開店だそうである。

 [...]

女の前借金は多きは千二、三百円で、少ないのは五、六百円である。募集は台湾基隆とか高雄とかでやるが、実際に女を集めるのは、募集の特約者で、つのりに応じてくる女も勧誘の手をのばす相手の女も、俗にいう玄人がいいとされている。素人は戦地向げのタマには適さないという、例外はある由。前借金のもっとも少ないのは百円の飯焚きである由。

こうした者たちは、初めは将校向きの五円の女を希望するが、ほどなく下士官兵向きか徴用工向きの二円の女に転向したがる。五円の女では相手が少数で稼ぎ高が低い。相手が人多数の二円の女だと荒稼ぎが出来るからだという。女の手取りは五円も二円も率は一つで、二円の女でいえは半分の一円は前借金へ入れ、残る半分の一円が手取りとなる、とこう聞かされたが、表面はそうだろうが、陰では勘定が別にあるらしかった

私どもが南シナ海で短時日のうちに、二度も乗せてもらった紀州の第二江口丸という

海上トラックの船長が、今いったような女たちをあわれんでいった。

「ああいう女たちはみんなだまされて来ているのでねえ、この船でつれて来た女たちの顔というものが、当分のうち眼に残りましてねえ」

[...]

前にいった三竈島に再びやって来た二人の泥水を飲みつづけて来たらしい女達と、一つ船で来た二十歳の女があった。島へあがってすぐ軍医が、同時にやって来た女だちと同様に、検査をやったところ、軍医はその二十歳の娘が意外にも処女であることを知った。驚いたがそれを色にも出さなかった。

それから暫くし正午になり、食事にかかる前に矢野兼武(主計)中佐は、軍医から相談をかけられた。午前中に検診した慰安所の女のうち一人の処女がいる。これをおれはおれの良心に問うたところ、お前がその女を助けないでだれが助けるか、その女が処女であることを知っているものはお前だけではないかと答えた。そこでおれは助ける決心をつけたが、方法がわからないのみならず、救出に必要の金も、おれが受取る戦時加算付きの今月分では足らぬらしい。こういう時はどうすればいいのか、相談に乗れ、というのである。矢野はよろしいと引受けた。

昼食がすむと矢野が、食卓についたそのときの将校たちに呼びかけ、今日午前中に軍医によりて発見された娘を、救出するか放置するかを問うたところ、救出せよと一人残らず答えた。無論、この答えを求める前に、軍医の臨床報告と所感とが述べられたのである。

救出資金がみるみる矢野の軍帽の中へ集まった。軍医はその月の受取り分をそっくり出した。集まったそのときの総額は、確か八百何円かであったと憶えているが正確を欠いている気もする。矢野は時を移さず、慰安所関係の責任者と、女の監督や金銭収支の担当者を、司令部の主計長室に呼び、軍医の検診報告書をつきつけ、生娘をこんなところへ持ってくるからは話に聞く誘惑の嫌疑をかけると叱りつけ、娘に関する書類一切の即時提出をもとめ、その書類を検討して、前借金返済の金額をその場で決め、娘の身柄を酒保の責任者に預けた。悪い仲介人があって売り飛ばされたこの娘は喜びのあまり、顔をくちゃくちゃにして泣いたこと、いうまでもない。

矢野は第十四空防備の中少尉以下の寄付金は断わったが、司令阿部弘毅少将はじめ、大尉以上の寄付金を受けて、救出資金は満額を超えた。超えた方の金はその娘の新出発の資金にさせた。この娘がこの島を去るとき、莫蓮とか阿婆摺れとが人もいい私もいった慰安所女が、わがことの如く泣いて喜び、帰って後の身のもち方について助言するのを見ていると、姉か従姉に違いない真実さが溢れていた。そしてその次の時間には、莫蓮女になり阿婆摺れ女となる。

この島にも水兵中に悪徒がいて、夜中に原住民の家に押入り、強盗した外に、女を汚して逃げたイヤな事件が起っていた。この犯人は当夜の風紀衛兵の責任者であった兵曹が、夜が明けて二、三時間の中に捕えた。犯人は佐世保で後に重く罰せられた

[...]

矢野はその後、茨城県の航空隊に転じ、それは短期で、東南方の戦場へ出ていった。矢野には『十二月八日未明』(仮題)という真珠湾攻撃前を描いた戯曲と『海戦後の筏』(仮題)という珊瑚海戦を描いた戯曲とがある。私たちが知っているこの二つの原稿は、矢野の最後の任地の室に置いてあったのではないかと思う。矢野のその室には私たちが贈った伊東深水作の美人画があった筈である。この方は英・豪・米どこかの者が、記念品に持ち去ったことであろうが、戯曲の原稿の方は見棄てられたことだろう。矢野はサイパン島にかりの宿を求めたその日、そこで戦死した。大佐であった。

生きている小説 長谷川伸 P.101-110

2014/09/24

パク・ユハ「帝国主義に基づく収奪と捉え直せば解決」 


パク・ユハ教授のキーワードは「帝国主義」らしい。彼女の新しい本のタイトルも「帝国の慰安婦」。「なぜ、慰安所に日本人だけでなく朝鮮人や台湾人がいたのか?そこを私は考えていただきたいと思います。・・・元凶は・・・帝国主義というシステムにあったのです」と言う。さらに、慰安婦問題を「帝国主義に基づく性の収奪」と捉え直せば解決策になるかもしれない、米蘭仏にも共通の問題であったと国際社会にアピールできると提案する。・・・そうかなぁ。

この問題を、日本が「帝国主義に基づく性の収奪」ととらえ直し、反省の意を国会決議として出せば、最高の解決策となるかもしれません。そうすることで、日本だけでなく、アメリカやオランダ、フランスなどの元帝国にも共通の罪だということを国際社会に示せることでしょう。

あの時点では同化は完全ではなかったが、事実として朝鮮人は日本国民であった。彼女の中では沖縄(ウチナンチュ)の慰安婦はどういう位置づけになるのか?男たちは命を女たちは性を国に捧げさせられた、慰安婦は暴力を経験したというなら、男たちだって現場でビンタの洗礼を受けていたのである。そもそも(特に内地人の)男性が有無を言わさず徴兵されたのは事実だが、女性が性を捧げさせられたというのは無理があるのではないか?

自国民でない女性たちの性を収奪し、苦痛を与えることが起きた元凶は、実は帝国主義というシステムにあったのです。

この括りでは、朝鮮戦争の慰安婦は救われないのは彼女も分かっているだろう。帝国主義で括るのならば、女性に限定する理由もない。中国のような多民族国家なら兵士の民族も多種多様である。イギリスのロイヤル・スコットランド連隊は「被害者」なのか?

男性が兵士として徴集された場合は、恩給や遺族年金など国からの補償がありますが、慰安婦としてつれていかれた女性たちにはありませんでした。法的補償の代わりに金銭を与えるシステムになっていたわけです。それは、近代国家の女性差別の表れでもあります。戦場に彼女たちを向かわせたのも、社会のいわゆる「売春婦」差別だったと考えています。

従軍看護婦には軍属とそうでない者がいたが、軍属でない者は恩給を受けていないはず(要確認)。売春婦だから差別(区別)されているのではなく、従軍看護婦の面倒は日赤が、慰安婦の場合は抱え主(慰安所の経営者)が面倒見たのである。仮に慰安がいれば、男だろうと同じ扱いだったろう。

それから、ストレートに米軍慰安婦の存在を突きつけてもはぐらかすのに、日本が反省して見せたからといってアメリカが日本に倣おうとは思えない。他人事のように振舞うだろう。フランスもオランダも。欧米は、「帝国主義に基づく性の収奪」などというアイディアには興味は示さないと思う。


※ タイトルは中央公論がつけたもので、自分の意図を反映したものではないとパク・ユハ教授が断っている。


慰安婦報道の大罪
国家による「性の収奪」は万国の罪である

「強制連行はなかった」と報じた韓国メディア

朴裕河世宗大学日本文学科教授

朴氏は慰安婦について、日本だけの責任にしては問題の本質を考える機会が失われると発言している

ようやく立場をはっきりさせた『朝日新聞』が過去の慰安婦問題の検証記事を出したことを、私は基本的に評価しています。内容には少し問題もありますが、あれだけ攻撃されていた『朝日』が、今回立場をはっきりさせたことです。ポイントは、「女子挺身隊」と「慰安婦」を混同して誤用していたと認めたこと。そして軍が組織的に「強制連行」に関与したという過去の報道を撤回した、そのうえで日本政府に責任があるとしていることです。そのような全体の枠組みは私の考えにも近いものです。

私自身は、少なくとも朝鮮人に関して、日本が国家として物理的な強制性をもって女性を連行することはなかったと把握しています。日本軍が慰安婦という存在を必要としたのはたしかで、政府はそれに関する指示も出しています。しかし、誘拐や人身売買といった強制的な方法を国が主導したという状況はいまのところ見えません。

ところで、記事では当時オランダ領インドネシアにいたオランダ人女性も慰安婦にされたことが示されています。

が、私はオランダ人と朝鮮・台湾人の問題は別に考えたほうがいいと思います。朝鮮・台湾は日本の植民地でしたが、オランダはインドネシアを介しての敵国でした。それぞれの国の日本軍との関係は解決を求めるにおいて重要です。

この『朝日』の検証記事について、韓国メディアはおおむね公平で誠実な報道をしました。多くは「安倍政権に対する『朝日』の反撃」を主題にしながら、吉田清治氏の証言が虚偽だったこともきちんと報じていました。唯一、日本批判を重ねてきた『朝鮮日報』は吉田氏の件に言及しませんでした。

植民地における物理的強制性を否定した今回の記事は、この問題を考えるのに必要なことだったと思います。朝鮮人慰安婦の全員が強制連行されたかのように言われるのは日本人にも不満だったことでしょう。しかし募集において国家による物理的強制性がなかったとしても、朝鮮人慰安婦たちは現場で暴行と強姦に遭ってもいました物理的な強制性を私も否定しますが、そういう文脈から『朝日』の記事に、おおむね同意します。

それでも責任は免れない

物理的強制性の有無をはっきりさせる必要はありますが、たとえ強制でなかったとしても、「国家が女性を収奪した」ことは間違いありません。

「もともと売春婦だったのではないか」と言う人がいますが、そんなことは重要ではありません。女性が自発的についていったとしても、それは需要があったためで、そのようなシステムを考えた国に責任があるのです。現在、「強制連行だったか否か」が論争の的になっているわけですが、「日本の責任」という点で言えば、強制性の有無もあまり関係ないというのが私の考えです。

売春として代金を支払ったのだから、責任が果たされたはずだという意見もありますが、それは違います。男性が兵士として徴集された場合は、恩給や遺族年金など国からの補償がありますが、慰安婦としてつれていかれた女性たちにはありませんでした。法的補償の代わりに金銭を与えるシステムになっていたわけです。それは、近代国家の女性差別の表れでもあります。戦場に彼女たちを向かわせたのも、社会のいわゆる「売春婦」差別だったと考えています。

私は、ここに帝国主義というシステムの問題が関わっていると考えます。日本に限らず、当時は列強各国がアジアの国々を植民地化するという帝国主義がはびこっていました。日本も朝鮮半島を植民地にして、朝鮮人を自国民として従わせていました。男性たちが兵士として国に命を捧げたように、女性たちは性を捧げさせられた。それが日本国民の務めだという考えのもと、「愛国臣民」として女性たちをつれていったのです。そこには日本人慰安婦もいましたが、数が足りなかったので、朝鮮人女性が動員された。そのような構造の中で「売春婦」かどうかは重要ではありません。

なぜ、慰安所に日本人だけでなく朝鮮人や台湾人がいたのか? そこを私は考えていただきたいと思います。自国民でない女性たちの性を収奪し、苦痛を与えることが起きた元凶は、実は帝国主義というシステムにあったのです。先にオランダ人慰安婦と区別すべきと述べたのは、このためです。

そしてこの問題は、戦争中に限ったことではありません。軍隊は移動、隔離され、そこでは必ず、「性の問題」が起こり得ます。現代における日韓の米軍基地問題ともつながる問題なのです。

他国に先駆け国会決議を

この問題を、日本が「帝国主義に基づく性の収奪」ととらえ直し、反省の意を国会決議として出せば、最高の解決策となるかもしれません。そうすることで、日本だけでなく、アメリカやオランダ、フランスなどの元帝国にも共通の罪だということを国際社会に示せることでしょう。

現在、朴政権が慰安婦問題にこだわっている背景のひとつに、二〇〇五年に韓国で日韓会談文書が公開され、韓国政府が慰安婦個人の日本への賠償請求権は残っているとしたためです。そのあと、韓国政府がこの問題解決のために働きかけないのは憲法違反との訴訟が起こされ、二〇一一年の夏に勝訴しています。

日本を相手とする行動において韓国では左派が中心になることが多いのですが、そもそも韓国の右派左派は、植民地時代に国家に協力した側と抵抗した側で分かれます。両者の歴史認識の違いから、現在国内の対立が激しくなっている部分もあり、内部冷戦的な現在の葛藤の根本が植民地時代にあったことを、日本の皆さんにはぜひ知っていただきたいと思います。

この問題を解決するには、新しい層に議論に加わってもらうことが必要です。二〇年以上前から両極端に分かれて対立している人たちは議論の接点を見出し、歩み寄れる新しい議論の空間を作るべきです。党派的不信を乗り越えられる第三者たちが、合理的かつ倫理的に議論ができるといい。

そういう意味で、今回の『朝日』の記事はひとつのきっかけになり得るのではないでしょうか。

[慰安婦問題はどう語られたか 2] 「人権感覚が狂ってる」 平野啓一郎

twitter 2014.9.19

「『業者使って欺して連れてきただけですから!』と胸を張るのは何なのか?理解力がないのか、人権感覚が狂ってるのか」と芥川賞作家平野啓一郎。彼は、日本政府が業者に命じて女性を騙して連れて来させていたとでも思っているのだろうか?海外では(意図的に)そういった風に語られていたりするから外国人がそう思い込んでいても仕方ないが、彼は日本人である。「日本軍が慰安所なるものを設置・運営して、深刻な人権蹂躙を行っていたこと自体を非難されてる」。日本軍がやったのは設置までであり、人権侵害と言われているのは、数十万の女性を拉致し強姦し、証拠隠滅の為に殺害したことだったりするわけだ(もちろん事実ではないが)。

「歴史を間違った形で修正しようとすれば、相手国は反発します」と言う前に、そもそも彼は何が正しく何が間違っているか分かっているのだろうか?続くツイートで平野が紹介しているのは、(隠れ?)拉致問題相殺論者である。個人的にはこういうタイプが一番悪質だと思っている。例によってスマラン事件を持ち出している。

仮に安倍首相が主張するように「狭義の強制性」「強制連行」を証明する証拠の文書がなければ、世界から非難されるような問題はないとした場合、北朝鮮の拉致問題も世界から非難される問題ではなくなってしまいます。


「いつまででも。日本としての反省が不十分なまま、唐突に人類全体の問題と抽象化することは出来ません」・・・何をもって不十分と言っているのか分からないが、この問題を普遍的な問題として売り込んでいるのは韓国側である。全体的に空虚な文章だが、この人の文学もこんな感じなのだろうか?ずっと前に日蝕を読んだきりだが(もう忘れた)。

twitter 2014.9.19

2014/09/23

[メモ] 挺対協HPは韓国外交部の関連サイト

このスクリーンショットは日本語変換されている

豆知識。韓国政府(外交部)のウェブサイトには、挺対協のサイトが「関連サイト」としてリンクされている。日韓関係の最大の障害と言われる挺対協は、韓国政府にとって厄介者であると同時にもはや切っても切れない関係にあるのが分かる。



米下院議員、資料を手に日本批判「過去の犯罪を自白せよ」(テッド・ポー)



被害者の75%が亡くなったとか、いい加減してして欲しいと思うが、一方的な資料しか提供されていないのだから仕方ない。韓国側の立場に立つ者はこれからも増えるだろうが、日本を擁護する声は米国からはまったく聞かれない。テッド・ポーとはこういう人物。個人的には説得不可能なタイプだと思うが。

ところで、一番下の写真はKBSからのひとコマだが、ひょっとしてKBSは、この少女たちが慰安婦だと言うつもりなのだろうか?


米下院議員「日本は慰安婦など過去悪行自白すべき」

<アンカーコメント>

米連邦下院議員が過去の歴史を否定する日本を強い調子で批判しました。

慰安婦問題など過去の過ちを全部自白して謝るよう忠告しました。

移住した特派員です。

<リポート>

日本に向けたテッド・ポー(Ted Poe)下院議員の苦言はよどみませんでした。

あらかじめ配布した会議資料を通じて日本は軍隊慰安婦の強制動員と性奴隷強要など過去の誤った行動を全部自白するよう公けに批判しました。

特に日本軍慰安婦を認めた河野談話を修正しようとする試みを指し、悪行を煙幕の後に隠すと真実が変わりはしないと指摘しました。

20万人余りと推算される慰安婦被害女性のみじめな人生に対する憐憫も続きました。

被害者の75%が亡くなったが、生存女性たちは不妊と怒り調節障害、外傷性ストレス障害などで60年超えて苦痛な生活を送っていると強調しました。

<録音>テッド ポー(米下院議員): 「性犯罪事件で被害女性たちは非常に特別な人々です。 性犯罪によって彼らのアイデンティティは徹底的に破壊されるためです」

被害者が日本から謝罪を受け正義を享受する価値が十分にある、としながらこれは(?)韓日関係改善のためにも必要だと助言しました。

米下院の超党派議員会である「犠牲者権利会議(?)」の共同議長を受け持っているポー議員は過去に何回も性犯罪被害女性の人権を強調してきました。

今回の発言は過去の歴史を否定する日本右翼勢力に向かったアメリカ政界からの強い警告メッセージと解釈されています。

KBS 2014.9.22

どう見ても慰安婦と関係なさそうだが、意図的か?

미 하원의원 “일, 위안부 등 과거 악행 자백해야”

<앵커 멘트>

미 연방 하원의원이 과거사를 부정하는 일본을 강도높게 비판했습니다.

위안부 문제 등 과거의 잘못을 모두 자백하고 사과하라고 충고했습니다.

이주한 특파원입니다.

<리포트>

일본을 향한 테드 포우 하원의원의 쓴소리는 거침이 없었습니다.

미리 배포한 회의자료를 통해 일본은 군대 위안부 강제 동원과 성 노예 강요 등 과거의 잘못된 행동을 모두 자백하라고 공개 비판했습니다.

특히 일본군 위안부를 인정한 고노담화를 수정하려는 시도를 겨냥해 악행을 연막 뒤에 감춘다고 진실이 달라지지는 않는다고 지적했습니다.

20여만명으로 추산되는 위안부 피해여성들의 비참한 삶에 대한 연민도 이어졌습니다.

피해자들의 75%가 숨졌지만, 생존 여성들은 불임과 분노조절 장애, 외상후 스트레스 장애 등으로 60년 넘게 고통스런 삶을 살고 있다고 강조했습니다.

<녹취> 테드 포우(미 하원의원) : "성범죄 사건에서 피해 여성들은 매우 특별한 사람들입니다. 성범죄로 인해 그들의 정체성은 철저히 파괴되기 때문입니다."

피해자들이 일본으로부터 사과를 받고 정의를 누릴 가치가 충분히 있다면서 이는 한일 관계 개선을 위해서도 필요하다고 조언했습니다.

미 하원의 초당파 의원모임인 '희생자 권리 회의' 공동의장을 맡고 있는 포우 의원은 과거에도 여러차례 성범죄 피해여성들의 인권을 강조해 왔습니다.

이번 발언은 과거사를 부정하는 일본 우익세력을 향한 미국 정치권의 강도높은 경고 메시지로 해석되고 있습니다.

2014/09/19

朝日のスクープで国会の雰囲気一変? (92年)

国は関与を否定していたわけではなかったが

朝鮮人女性が国家総動員法に基づき「強制連行(徴用)」されたのではないかという社会党の本岡昭次議員の質問から始まった国会での一連のやり取りだったが、1992年になると議論が一変する。何があったのか。この年の1月、朝日新聞が「関与の証拠」が発見されたと報じて大混乱になっていた。二ヶ月後の清水澄子議員の質問は、「国の関与」をテーマに始まる。今度は外務省、防衛庁、警察、文部省などが労働省(総動員法業務を担当)に加わり答弁に立つ。議論は強制連行の有無から完全に国の各機関が慰安婦とどう関わっていたかに移っているが、それでも清水の頭には依然として慰安婦の強制連行(徴用)という先入観があるようで、「朝鮮での強制的に徴募」とか「なぜ朝鮮の女性が選ばれたのか」、その「法的根拠」明らかにするよう政府に迫っている。彼女が有名な詐話師吉田清治を参考人として国会に呼ぼうとしたことも分かる。清水が、朝鮮での募集の際に軍と警察が動員されたと言っているのは、吉田の本(私の戦争犯罪)や証言がネタ元と思われる。

私はきょう、朝鮮女性を強制的に駆り出す役割を果たした元山口県労務報国会動員部長だった方を、こちらでその実態をお聞きしたいと思って参考人として要請しましたけれども、それが実現しなかったことは非常に残念です。

国側は、軍が何らかの形で関与していたらしいとは認めるものの(これまでも、国は軍の関与は否定していなかった)、「従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのか」については「実態よくわかりません」と答える。俗に言う「強制連行」を裏付ける確たる証拠がないからだ。そんな政府を、清水は吉田清治が「非常に具体的な体験を持っているっしゃる」と政府の調査が不十分だと批判している。今から考えてショッキングなのは、加藤紘一官房長官が事実関係がよく分かっていないにも関わらず「我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわした」と告白している点だろうか。

まず、事実関係を誠心誠意調べていかなければならないと思っております。・・・我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわしたわけでございますし、また当時の方々の筆舌に尽くしがたい辛苦というものを考えれば何らかの措置というものを考えられないか、そういう骨組みで考えていきたいと思っております。(加藤紘一

渡辺美智雄外相も、政治問題化している以上何らかの謝罪が必要という認識を示している。結果論だが、こういった甘さが命取りになった。

従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのかどうか実態はよくわかりませんが・・・政治問題になっていることは事実ですから・・・実態をまずきちっとつかんだ上で・・・何かおわびのしるしというか、そういうことは何か考えなければなるまい

慰安婦問題が外交問題化すると「警告」したり「心配しております」などと清水が言うのを、今となっては苦々しい思いで読む人も多いのではないか。彼女が日本人慰安婦の存在にも触れながら、朝鮮人慰安婦だけを問題にしているのは、やはり「強制連行の有無」と見ていいだろう。

日本人の女性を慰安婦にしたことにも私は非常に大きな問題があると思っております。しかし、朝鮮の女性たちにはさらに植民地支配という、そういうやはり民族的な支配と差別があった

かなり長いやり取りを思い切って省略した。日本政府の補償に対する考え方、訴訟に対する考えなど色々な情報が含まれているが、ブログの性質上ここはあえて内容を絞ることにした。



○清水澄子君 私は、昨年(注:一昨年の間違いか)十二月の本予算委員会におきまして、従軍慰安婦問題について質問いたしました。その際に、政府がこの問題に誠実に対応しなければ、必ず日韓、日朝間の外交問題に発展するということを警告しておきました

その後、いろんな発展があったわけですけれども、現在、政府は調査をされておると思いますけれども、その進展状況と、今後の見通しについてお聞かせください。

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは今、軍がある程度関与したということですね。はっきりしてきておりますが、どの程度のものであるか、地区によってもかなり違うような気がする。それに、従軍慰安婦になられた方々の中にも、千差万別のような状況があって、実態がわかっていない。したがって、今実態上では各省庁、できるだけの実態的な把握に一生懸命努めているというところであります。

○清水澄子君 六省庁ですから、じゃ一つずつおっしゃってください、どういう段階で何が出てきたかということを。

○政府委員(谷野作太郎君) それではまず、外務省の方からお答え申し上げます。

このいわゆる従軍慰安婦の問題につきましては、昨年末、内閣官房の調整のもとに、関係省庁におきまして事実関係を調査せよというお達しかございました。そこで、私ども外務省といたしましても、保管中の文書について、ただいま誠心誠意、大臣から申し上げましたように、調査を実施しておるところでございます。

何分、膨大な調査でございますので、いま少しお時間をいただきたいと思います。調査の結果が判明次第、内閣官房に御報告申し上げたいと存じます。

○政府委員(村田直昭君) お答えさせていただきます。

防衛庁におきましても、昨年末、内閣官房の方からの調査依頼に基づきまして、防衛研究所を初め陸上、海上、航空の各自衛隊あるいは防衛大学校等の各機関等において、関係資料の有無について鋭意調査をしているところでございます。

なお、これまでに新聞等で報道されたものを含めまして六十九件の資料が発見されておりまして、これらの資料につきましては、内閣官房の方に直ちに送付しておるという状況でございます。

○政府委員(多田宏君) 私どもの方も膨大な資料を念には念を入れて今さらに点検をいたしておりますので、まとまり次第、また内閣官房の方に提出したいと思っております。

○政府委員(井上幸彦君) お答えいたします。

私どもの方でも、昨年末に内閣の方針を受けまして、警察庁はもとより全国都道府県警察に対しまして、関連の資料があるやなしやの調査を現在行っているところであります。現在のところ、これはという情報には接到していないところでありますが、なお念を入れて調査を続けているところでございます。

○政府委員(野崎弘君) お答え申し上げます。

文部省におきましては、全国の公立図書館、国公立、私立大学の附属図書館に調査を依頼いたしました。現在も継続中でございますけれども、現在のところ、公立図書館関係で、沖縄県教育委員会から、同県の浦添市立図書館所蔵資料の中に当時の資料が転載されている旨の報告がございます。この件につきましては、内閣官房外政審議室の方に報告をしているところでございます。

以上でございます。

○政府委員(佐藤勝美君) 労働省の状況でございますが、現在までのところ、省内関係部局及び関係機関におきまして所管する倉庫、書庫等を調査いたしましたが、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦に関します公的資料は発見されておりません。

当時の事情に詳しい行政関係者からもヒアリングを行いましたけれども、当該行政機関それから関係機関は、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦については関与しなかったということを聞いておるところでございます。

[...]

○清水澄子君 次に、名簿についてですけれども、あの資料を見まして、あれほど明確に各部隊の支隊まで、末端にまで何人と名前も全部名簿がございます。そういうことになれば、非常に名簿というのがはっきりしていたのではないかと思うわけですが、朝鮮での強制的に徴募した際の名簿というものは残っているのでしょうか。

そしてもう一つは、慰安所の設置場所で憲兵隊がきちんと名簿を作成しているという報告が出てまいります。それは、性病を予防し管理するために非常に厳重な管理をしているために逆に名簿は明らかであったと思いますけれども、その点いかがですか。

○政府委員(村田直昭君) その全体の名簿がどのように管理されておったかということは、私どもが持っている防衛研究所の資料だけではわからないわけでございまして、それについてはさらにいろいろな方法で調べるということが必要じゃなかろうかと思いますけれども、私どもああいう報告書というか、昔の旧公文書等だけでなかなかわからないのではないか、事実私は承知しておりません。

[...]

○清水澄子君 [...]いろんな記録によりますと、慰安婦の大半は朝鮮の若い女性たちですけれども、なぜ朝鮮の女性が選ばれたのか、その理由を明らかにしていただきたいと思います。

○政府委員(有馬龍夫君) 構成の比率等は正確にわかっておりません

○清水澄子君 それでは、どこの国の女性が資料の中から出てきたか、国別に御報告ください。

○政府委員(村田直昭君) 資料に基づいて、この資料からそういうのが出てきたものとしましては、朝鮮の方、それから台湾の方、それから半島の方と書いてあるのもあるんですが、等でございます。

○清水澄子君 またごまかされます中国ともありましたし、フィリピンというのもあります。いろいろあるわけです。ですから、そういうお尋ねをしたときにはあくまでも資料に忠実にお答えいただきたいと思います。

次に、朝鮮で若い女性たちを強制的に集めた、その場合の募集方法というのを明らかにしてください。そして、そのときに日本軍、警察が多数動員されておりますけれども、それらを動員するための法的根拠は何であったのかお聞かせください。

○政府委員(有馬龍夫君) 募集の実態についての資料は見つかっておりません。それから、法的な根拠というものもわかっておりません。

○清水澄子君 私はきょう、朝鮮女性を強制的に駆り出す役割を果たした元山口県労務報国会動員部長だった方を、こちらでその実態をお聞きしたいと思って参考人として要請しましたけれども、それが実現しなかったことは非常に残念です。

私たちはみずからの過去の歴史というものについて、みんなが本当に謙虚に事実を認識するということが大事だと思うわけですが、これまで質問した中では、本当にこれが実態調査、鋭意調査をしているという中身であろうか。全体像はおぼろげにわかりましたけれども、今までの資料の中でも、私たち素人がやってももっと正確なある程度の全体像が出てまいります。そういうものを今後も徹底して調査をしていただきたい、これでは調査だと言えないと私は思うわけです。

そこで、私は官房長官にお尋ねしますけれども、今お答えいただきました事実から、従軍慰安婦というのはやはりかつてのいわゆる帝国政府及び軍当局が戦争を遂行するための手段として、日本軍の軍人、兵士に性的慰安、これは旧軍隊が使っている言葉ですけれども、そういう性的慰安を与えるために朝鮮の女性を駆り出したものと見られますが、政府はこの事実をお認めになりますね

○国務大臣(加藤紘一君) 政府が集めました資料につきましては、それが明確になったものから今先生のお手元にあるように公表いたしたりしておるわけでございますけれども、累次御答弁申し上げておりますように、いわゆる朝鮮半島出身の慰安婦の問題につきましては、かつての日本軍が何らかの形で関与していたということは確かなことのように思います。したがいまして、その旨政府としても従来からお答えいたしておりますし、またそういう認識を今も持っております。

[...]

○清水澄子君 外務大臣、私どもはいろいろ新聞等でお見受けしているわけですけれども、衆議院の方でもこの問題が論議されて、非常に前向きな発言をされていらっしゃるわけですけれども、補償の必要性は考えていらっしゃるでしょうか。そのしかるべき措置というのはどういう方法で、何らかの誠意を示さなきゃならないという点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、この問題は法律論争を幾らやっておっても、これはもう平行線である、補償問題はこれは請求権は放棄、これは両国政府は取り合わない、したがって国際法上は決着済み、これが政府の基本的立場だろうと思います。

しかしながら、現実の政治問題として、そういうような慰安婦問題というのが新しく出てきて、それで非常な悲惨なことではあるが、戦争というものは常にそういうものがつきもので、殺された人もあれば、まことに残念なことだが、片手をとられたとか傷ついた人とかいろいろある。しかしながら、そういう方々には、軍人軍属の場合は相手国政府が何らかの措置をとってありますと。たまたま同じ従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのかどうか実態よくわかりませんが、軍が関与をして、そういうような今いろいろお話があったようないきさつの中で慰安所というものがあった、従軍をしてきた人もいた。これもいろいろ本当に何といいますか、先ほど日本の吉原がどうとかこうとかという読み上げた中にもありましたが、当時は売春防止法もありませんから、そういうようなところから連れていかれた方とそうでない方があるいはあるのかもしらぬ。それらは実態を見なければよくわからないんです、実際のところが。

しかし、これは何か解決をしたければ、政治問題になっていることは事実ですから、事実は事実、しかし個々にやるといってもこれもまた非常に難しい問題だと私は思います。人を特定するということが非常に困難。じゃ三人とか五人とかという訴え出た人はそれはわかるかもしらぬけれども、それ以外の人は、訴えたい人はわからないからいいということにはなかなかこれはもう難しい問題だなと。だから何とか実態をまずきちっとつかんだ上で、何か慰安といいますか慰霊といいますか、何かおわびのしるしというか、そういうことは何か考えなければなるまい(ママ)という感じですかねという話を衆議院でしたんです。

[...]

○清水澄子君 [...]これまでの調査の仕方は非常に不十分だと思います。

それから、旧朝鮮総督府関係の資料とか旧内務省関係の資料、憲兵隊関係の資料などがまだ調査をされておりません。

そしてまた、きょう参考人としてお願いをした元山口県労務報国会動員部長の吉田清治さんなどは、本当に非常に具体的な体験を持っていらっしゃるわけです。それからまた、今名のり出ている元従軍慰安婦の方々からの事実関係というのは参考になります。その方々の話を聞きますと、まるで私どもは慰安婦という仕事だけかなと思っていましたけれども、お伺いしますと看護婦の仕事もさせられた、しかも赤十字の帽子をつけて、それをかぶらされて一カ月間いろんな訓練を受けて看護婦もやらされたという報告も聞いております。ですから、そういう実際に体験した方から事実関係のヒアリングを私は積極的に行っていく、そういう姿勢がなければ本当の実態は解明できないと思うわけです。

ですから、ぜひ今後の調査の中で、この従軍慰安婦や強制運(ママ)に関する政府所管資料をもっと全面的に調査され、体験者からもお話を聞かれて、そしてその資料を全面的に私は公開をしていただきたいと思いますし、またこの事実関係を徹底的に明らかにしていく、そういう真剣な取り組みに努力した上で、私は被害者の心に届くような謝罪とそして補償、救済措置を講じてほしいと思いますけれども、官房長官はその責任者ですが、その御決意いかがでございますか。

○国務大臣(加藤紘一君) 先ほど外務大臣から御答弁いただいたとおりでございます。

まず、事実関係を誠心誠意調べていかなければならないと思っております。そしてまた法的措置の問題、補償の問題は、総理大臣が申されましたように、これは法的には決着済みですが、しかしそれは訴権を害するものではありませんから、それの訴訟の成り行きを見ていかなければならない。しかし同時に我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわしたわけでございますし、また当時の方々の筆舌に尽くしがたい辛苦というものを考えれば何らかの措置というものを考えられないか、そういう骨組みで考えていきたいと思っております。そのためにも当時の事情がどうであったのか、そしてそれにかわる何らかの措置というものをどう考えていったらいいのか、それについて真剣に検討していきたいと思っております。

[...]

次に、今ジュネーブで開かれております国連人権委員会で、NGOの国際教育開発協会の代表の方が、二月十七日にこの慰安婦問題を取り上げておりますし、それから二月二十五日には、韓国の女性団体が国連人権委員会にこの問題について申し立てをしております。また、今韓国内での従軍慰安婦の申告されている数が三月二日現在で百九十四人申告をされております。元慰安婦という方は六十八人、勤労挺身隊という方が八十六人、行方不明が四十人という、これは三月二日の数字ですけれども、こういうふうにまだ韓国の中でだんだん広がりが出てまいります

そこに加えて、今度台湾からやはり私は女性団体の訪問を受けたわけですが、そしてここに慰安婦の「慰」を入れ墨されたという女性にも会っているわけですけれども、そういう台湾、フィリピンの女性団体も今共同して国連人権委員会に提起をするという動きが出ているわけでございます。今や従軍慰安婦問題というのは、韓国、朝鮮との外交問題だけではなくなりつつある。世界は今、日本がさきの戦争で犯した、そしていまだに償おうとしない戦争と植民地支配の被害者、特に慰安婦にされた女性への深刻な生命と人権の侵害に対してみんなが注目をしております。

総理は、国際的な女性の人権問題に発展をしてきた従軍慰安婦問題をどう見ておられるのか、先ほどのお考えで私は国際的に通用しなくなるんじゃないか、このことを心配しておりますけれども、どうぞ御見解をお述べいただきたいと思います。

[..]

○清水澄子君 時間がなくて論争できませんけれども、日本人の女性を慰安婦にしたことにも私は非常に大きな問題があると思っております。しかし、朝鮮の女性たちにはさらに植民地支配という、そういうやはり民族的な支配と差別があったという、この問題は私たちはやっぱり反省しなきゃいけないと思うわけですね。それが、何か戦争一般論でこのお話をしていらっしゃるところに、私は、この問題の深刻な取り組みなり事態の受けとめ方がやっぱり弱いんじゃないかと非常に心配をしております。

[...]

2014/09/15

日本政府の聞き取り調査 映像公開へ

93年の聞き取り調査の様子
(報道ステーションより)

この日本政府による聞き取り調査の内容は既に月刊誌がスッパ抜いているが、政府は非公開を前提にした聞き取りの内容を公開することに慎重であった。しかし、遺族会がビデオを公開するというのだから、日本政府もこれ以上遠慮は無用だろう。そういう意味で、朝日新聞のスクープから公開が決まった吉田(昌郎)調書と似た流れと言えようか?公開されれば、今からでも検証可能な部分は検証すればいい。

遺族会は、視覚的にインパクトを与えられると考えているのだろう。「残りの映像についても日本政府の態度次第で段階的に公開する」と脅迫調である。確かに、英語字幕をつけて公開すれば、日本と韓国が戦争したと思い込んでいるような外国人には効果がありそうだが、日本人はどう受け取るか。この決断は、彼らにとって吉と出るか凶と出るか・・・。

元慰安婦への日本政府の聞き取り 映像初公開=韓国団体

慰安婦問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた河野談話の発表に先立ち、日本政府が21年前に韓国で実施した被害者の聞き取り調査の様子を収めた映像が初めて公開された。

市民団体「太平洋戦争犠牲者遺族会」は15日、ソウル市内で記者会見し、聞き取り調査の様子を収めた映像の一部を公開した。

「慰安婦の強制連行を裏付ける資料は確認されなかった」と主張し、談話の作成にあたって韓日両政府が文言のすり合わせを行ったとする日本の政治家や一部メディアの主張に反論する証拠になりそうだ。

映像は1993年7月26日から5日間、元慰安婦の故金学順(キム・ハクスン)さんら16人の証言を聴取する様子が収められたもの。同日公開された映像は15分間だった。

太平洋戦争犠牲者遺族会の梁順任(ヤン・スンイム)会長は、日本政府の要請で21年間公開しなかったが最近、日本政府が河野談話に関連し真実を歪曲(わいきょく)しているため、映像の一部を公開することにしたと説明。「証言者16人のうち14人は亡くなったが、証拠は生きている」と話した。

同団体は国連に映像を報告し、国際社会に広く知ってもらうほか、残りの映像についても日本政府の態度次第で段階的に公開する方針という。


これまで日本政府は公開に慎重だった。

根拠資料、非公開の方針 政府、にじむ韓国への配慮「大半が機密扱い」

慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話の検証結果をめぐり、検証の根拠となった元慰安婦への聞き取り調査などの資料について、政府が「大半が機密扱いの外交文書だ」との理由で公開しない方針であることが22日、分かった。

政府側は20日の衆院予算委員会理事会で、「河野談話作成過程検討チーム」による検証作業の経緯について「検討チームのメンバーには守秘義務をかけて外交の機密文書を公開し、報告書の作成をお願いした」と説明した。その上で「原始記録である外交文書を公開することはできない」と理解を求めた。

これに対し、河野談話の検証を求めていた日本維新の会の山田宏衆院議員は、検証結果がまとまったことを踏まえ「原始資料も合わせて公表しないと韓国から捏造(ねつぞう)だといわれる。報告書が真実だという証拠も公表しないと検証の意味がない」と公開を要求した。

しかし、政府側は「韓国には、検証結果の内容は客観性とすべての裏付けがあると伝える。理解してもらえるよう説得に努めたい」と応じるだけだった。加藤勝信官房副長官は「河野談話の見直しや取り消しは(安倍政権では)ない」と強調した。

政府は、韓国側が検証結果に反発していることから、韓国に配慮して外交文書の公開を拒否する方針とみられる。

外交文書の公開をめぐっては、22年に当時の民主党政権が日米核密約の調査を契機に、30年経過した文書を原則公開する制度を導入。自民党もその方針を踏襲し、公開手続きが済んだ文書は、都内の外交史料館で閲覧が可能になった。

元慰安婦の聞き取り調査を実施したのは5年7月、河野談話の発表は同年8月で、公開基準に達するまで9年間残っている。

産経 2014.6.23

[在庫整理] [報道] 河野氏招致に慎重(自民)


「呼んで何を明らかにするかは冷静に考えなければならない。単に、個人的な非難や攻撃をするためであってはならない」。つまり、自民党は未だに河野に何を聞くべきかすら分からずにいる、ということか。日本の右派は基本的にあまり深く考えないまま行動する傾向があるような・・・。

河野氏招致に慎重姿勢=自民・稲田氏

自民党の稲田朋美政調会長は14日のフジテレビの番組で、従軍慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話をめぐり河野氏の国会招致を求める声が一部で上がっていることについて、「呼んで何を明らかにするかは冷静に考えなければならない。単に、個人的な非難や攻撃をするためであってはならない」と述べ、慎重な姿勢を示した。

時事 2014.9.14

2014/09/14

朝日の撤回と歴史教科書

「女性のなかには、日本軍に連行され、『軍』慰安婦にされる者もいた」
清水書院 日本史A

そもそも女衒が女性を斡旋することを普通の日本語で「連行する」などと言うだろうか(おしんは、連行されたのか)?従軍看護婦が軍と行動を共にすることを(彼女たちだって、気が進まないからといって仕事を放り出すわけにはいかなかった)軍に「連行された」と書くのかという話。普通の日本人はそんな言い方はしない。遊郭の説明をするのに、「強制性」を、それこそ強調するのは不自然だろう。教科書のこうした記述は執筆者の主義主張の反映なのか、それとも採択に影響力のある一部の教師のウケを意識してのものなのだろうか。

なお、自分は藤岡教授の「高校の全教科書から記述を削除すべきだ」という意見には反対で、中高生には「慰安婦問題(騒動)」を教えるべきだと考えている。そうせずに、子供たちは海外でジャパン・ディスカウントにどう対処するのか?それこそ、朝日新聞の過去記事は最良の副教材になるはずである。泉谷明子などは、教育されずに海外に出た、ある意味犠牲者であった。

また、教科書にはある程度の「色」の違いも許すべきだと思う。今は、子供だってネットで情報を補完できる。偏向した教科書には、社会と子供たちの厳しい目が向けられれば十分だろう。

文科省の検定すり抜け…「強制連行」×、「連行」○

高校の日本史教科書で、日本軍による慰安婦の強制連行を強くうかがわせる記述が教科書検定に合格するのはなぜなのか。

文部科学省教科書課によると、慰安婦の記述についての主要な検定スタンスは、河野談話と「強制連行を直接示す資料はない」とする政府見解の2点。

具体的には、軍が無理やり連れ去ったことはないが、民間業者が集めた女性を軍の船やトラックで移送した事実はあったので「強制連行」はアウトだが、「連行」だけならセーフ。「強いられた」「強要された」なども、「日本軍によって」と記述しなければセーフといった形だ。

ある文科省幹部は「検定は明確な間違いでなければ修正を求めることはできないため、各社、主語を消すなど“言葉遊び”で検定をすり抜けている状態だ」と明かす。

今回、朝日新聞が吉田証言の誤報を認めたが、下村博文文科相は「現行教科書には、吉田証言に基づく強制連行の記述がない」として、教科書会社に記述の訂正を求める必要がないとの考えを示している。だが、拓殖大学の藤岡信勝客員教授は「吉田証言は慰安婦問題の根幹。文科相は訂正勧告すべきだ」と訴える。

産経 2014.9.13

[ライフ]【朝日慰安婦誤報】高校教科書記述どうなる 一部出版社「訂正を検討」

朝日新聞の報道で国内外に広がった日本軍による慰安婦の強制連行説。国内では一時、全ての中学歴史教科書に「慰安婦」が掲載されるなどの大きな影響を与えた。高校ではいまだに「連行」「強いられた」といった軍による強制連行を強くうかがわせる記述が横行しているが、8月の朝日の「誤報」表明を受け、記述の訂正を検討する教科書会社も出てきた。(河合龍一)

15冊中13冊に

平成23、24年度に教科書検定に合格した現行の高校日本史教科書は6社15冊あり、このうち13冊に慰安婦に関する記述がある。

「若い女性が強制的に集められ日本兵の性の相手を強いられた人たち」。実教出版の「高校日本史A」は「軍が関与した慰安婦問題」との見出しをつけて慰安婦について説明した。

清水書院の「日本史A」は「女性のなかには、日本軍に連行され、『軍』慰安婦にされる者もいた」、山川出版社の「新日本史B」は「朝鮮人女性などの中には従軍慰安婦になることを強要されたものあった」などと、各社差はあるが、いずれも日本軍による強制連行があったかのような印象を与える記述ぶりだ。

河野談話契機

強制連行説は朝日が昭和57年に「若い朝鮮人女性を『狩り出した』」などとする自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の講演記事を掲載し、この「吉田証言」をキャンペーン報道したことから国内外に広がった。

朝日報道を受け、韓国メディアも集中的に報道し、慰安婦問題は政治・外交問題に発展。日本政府は平成5年、強制連行説には立たないものの「本人の意思に反して行われた」などの表現で慰安婦募集の「強制性」を認めた「河野談話」を出さざるを得なくなった。

これを契機に、7年度検定の中学歴史教科書では、7冊全てで一斉に「慰安婦」「従軍慰安婦」「慰安施設」が記述された。その後、義務教育段階で教えることへの是非などが議論となって、記述する教科書はなくなった。

そんな中、朝日は今年8月、吉田証言について「虚偽だと判断し、記事を取り消します」として誤報だったと認めた。強制性を認めた河野談話についても、6月に公表された政府の談話作成過程検討チームの報告書で、「強制連行を直接示す資料はない」との政府見解が再確認された。

各社に温度差

高校日本史の教科書会社では記述内容の訂正を検討する社も出てきた。産経新聞の取材に対し、山川出版社は「朝日新聞の誤報の問題などを受け、これから検討する」、東京書籍も「慰安婦関係を含め編集委員会で検討する」と回答した。一方、清水書院は「吉田証言をベースに記述していないので訂正する予定はない」、第一学習社も「事実のみを記述しており、現時点では訂正は考えていない」。実教出版は「取材には答えられない」とした。

慰安婦と教科書問題に詳しい拓殖大学の藤岡信勝客員教授は「慰安婦問題は、吉田証言を基に言論界や政界に圧倒的影響力を持つ朝日新聞が報じなければ存在せず、教科書にも掲載されることはなかった。朝日新聞が吉田証言を嘘だと認めた今、慰安婦問題そのものが崩れたわけで、高校の全教科書から記述を削除すべきだ」と指摘している。

産経    2014.9.14

なお、実教出版の教科書を巡っては、最近こんなニュースもあった。

[資料]


実教教科書 広がる自主規制 「校長指示で選定覆る」

 神奈川県教育委員会は十九日、二〇一五年度の県立高校教科書を採択し、国歌斉唱に「強制の動きがある」などと記載した実教出版(東京)の日本史教科書を選定した高校がなかったと公表した。複数の学校の教諭が「実教出版を選定したが、校長の指示で覆された」と証言しており、特定の教科書を自主規制する動きが進んでいる。 (皆川剛)

 問題の教科書は、実教出版の「高校日本史A」と「高校日本史B」。昨年、国旗掲揚や国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記載を県教育委員が問題視。県教委が、一四年度の使用を希望した二十八校に「教委の方針と相いれないため不採択の可能性がある」と再考を促し、全校が他の教科書に変更した。

 県教委は今年四〜五月、全校の校長や教頭らが集まる会議でこの経緯に触れ、「考え方は変わらない」と口頭で伝えた。県教委高校教育指導課は「特定の出版社の教科書を避けるよう指示はしておらず、あくまで留意事項を説明した」としている。

 一方、複数の高校教諭によると、社会科の教諭が実教出版を選定した県立高で七月、校長が「先生方が選んだ教科書を使うわけにはいかない」と職務命令で変更させた。別の県立高では、教頭が「実教出版はダメ」と書いた会議のメモを教科担当者に渡したという。

 ある男性教諭は「実教出版の教科書は新しい研究成果を取り入れ、本文は端的で注が豊富。生徒の興味に応じた勉強ができる」と評価。「校長ら管理職は現場の実態に合った教育を守ってほしいが、実際は教委と一体となり規制を進めている」と批判する。

 実教出版の日本史教科書をめぐっては、東京都教委も昨年、国旗国歌の記述を理由に「使用は適切でない」との見解を都立高に文書で通達し、全校が選定を見送った。一五年度に使用する教科書の採択は今月中に行われるが、都教委は既に「考え方は変わらない」と各校に伝えている。

 埼玉県教委は昨年、八校で実教出版の日本史教科書を採択したが一部県議が異議を表明。今年は希望校がゼロになった。千葉県教委は昨年、五校で実教出版の日本史教科書を採択した。

◆「国旗・国歌強制の動き」記述

 <実教出版の教科書採択問題> 同社ホームページによると、教員経験者や歴史研究家らが「国際社会で通用する歴史認識を育てるため、東アジア、とりわけ朝鮮・中国との関わりを重視」して執筆。国旗掲揚や国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述がある。文部科学省の教科書検定を通っており、同省担当者はこの記述について「誤りとは言えない」とした上で、どの教科書を使うかは「県教委の判断」としている。昨年の教科書採択で、実教版を採択した埼玉県では県教育委員長が辞任。大阪府では、実教版希望校が、教委の資料集を活用することや指導を受けることを条件に採択した。

東京 2014.8.19(夕刊)

2014/09/12

NYT ラムジー記者 「歴史家は日本が数千の女性を強制した点で合意」

ラムジー記者より
間違いを指摘出来ない日本人記者が問題か

朝日新聞が戦時性奴隷の存在を裏付ける広範な証拠があると書いているとNYTが報じたことについて、マリコ・イノウエ、ヒサコ・ウエノ記者をツイッターで非難したが、記事を書いたのは台湾駐在のAUSTIN RAMZY記者である。よって話を歪めたのは彼かもしれない(もっともそれを許した責任は、イノウエ、ウエノ両記者にあるはず)。自分の知る限り、朝日新聞がそんな事を書いたという事実はない。「戦時中、日本軍兵士らの性の相手を強いられた女性がいた事実を消すことはできません」という分かり切った事は書いていたが。

ラムジーは、朝日新聞を批判するグループを右翼メディアと政治家(right-wing news media and politicians)と呼び、朝日新聞を日本で最も傑出したリベラルの代弁者の一つ(prominent liberal voices)と呼ぶ。こういう不公平はいけない。朝日を傑出したリベラルと呼ぶなら、産経も傑出した保守と呼んでやらねば公平ではない。

ラムジーは、この様に言う。

most historians agree that Japan forced thousands of women to work in a network of wartime brothels (殆どの歴史家は日本政府が何千もの女性に戦時売春宿ネットワークで働くことを強制したということについて合意している)

こうした誤解を日本(系)人記者が正せないのはやはり問題だろう。

Japanese Newspaper Retracts Fukushima Disaster Report and Fires Editor

By AUSTIN RAMZY

TAIPEI, Taiwan — The Asahi Shimbun, Japan’s second-largest daily newspaper, retracted an influential news report on the Fukushima nuclear disaster on Thursday after weeks of criticism from other news organizations.

The move, which included an apology, came a month after the newspaper retracted a series of articles on another hot-button issue: the women from Korea and elsewhere who were forced by Japan to serve in military brothels during World War II. The articles used reports about the practice by one Japanese man whose particular accusations have been widely discredited.

Japan acknowledged in a landmark apology in 1993 that the women had been forced to work in the brothels.

The retractions occurred amid an outpouring of angry accusations that the newspaper had damaged Japan’s international reputation with the mistaken articles, especially those on the Imperial Army’s role in forcing so-called comfort women to serve in military brothels during World War II. The intensity of the attacks, particularly from right-wing news media and politicians, has led many to warn of a politically motivated campaign to undermine the newspaper, one of Japan’s most prominent liberal voices.

“We hurt readers’ trust in our reports,” Tadakazu Kimura, Asahi Shimbun’s president and chief executive, said at a news conference Thursday evening.

Mr. Kimura announced that he was dismissing Nobuyuki Sugiura, Asahi Shimbun’s executive editor, and would punish other editors involved in the Fukushima reporting. Mr. Kimura said he would decide whether he himself would resign after carrying out a “drastic restructuring plan.”

In May, the newspaper cited testimony by the Fukushima plant manager Masao Yoshida in reporting that about 650 workers disobeyed orders and fled the Fukushima Daiichi nuclear power plant at a critical moment during the disaster in 2011.

In recent weeks other Japanese news organizations have reported on Mr. Yoshida’s testimony. Reports from The Mainichi Shimbun, The Yomiuri Shimbun and The Sankei Shimbun, three other leading newspapers, and the Kyodo News agency portrayed his comments differently, saying the exodus was the result of miscommunication.

Mr. Yoshida, who is regarded by many in Japan as a hero for preventing a wider disaster, asked before he died last year that the contents of his interviews not be made public. The government, however, released the text of his interviews on Thursday, saying that the release was necessary to clarify the public record.

“Only a part of the record of Mr. Yoshida’s testimony has been picked up and reported by several papers,” said Yoshihide Suga, the top government spokesman. “His original concern that his story would develop a life of its own without verification came to be realized. We think it would lead to a result that is against his will if we don’t disclose it.”

Since the Fukushima disaster, the liberal Asahi Shimbun has campaigned against nuclear power in its editorial pages, saying it regretted its earlier support. The conservative Yomiuri Shimbun has been critical of Asahi’s coverage, saying its report on Mr. Yoshida’s testimony “caused serious misunderstandings among the international media.”

The Asahi Shimbun’s coverage of another delicate topic has also come under scrutiny in recent weeks. Last month the newspaper retracted 16 articles, the first published in September 1982, citing a Japanese Imperial Army veteran who said he had rounded up Korean women to serve as sexual slaves during World War II.

While most historians agree that Japan forced thousands of women to work in a network of wartime brothels, some have long questioned the particular evidence given by Seiji Yoshida, a soldier who later became a writer. Shinzo Abe called him a “con man” in a speech in November 2012, shortly before taking office as prime minister. (Japan did not use Mr. Yoshida’s statements in developing the country’s formal apology to the women.)

Mr. Abe, a nationalist who has vowed in the past to end what he calls a masochistic view of Japan’s history, told a radio program on Thursday that he would not comment directly on The Asahi Shimbun. But he said, “I think it is true that, by the false reporting on comfort women, for example, a lot of people have suffered, and Japan was discredited in international society,” the broadcaster NHK reported.

The Asahi Shimbun said that it sent reporters to Jeju Island in South Korea in April and May to try to corroborate Mr. Yoshida’s claims of his personal involvement in rounding up women to serve as sexual slaves, but that after interviewing about 40 people, they were unable to do so. Mr. Yoshida died in 2000 and had declined to help in previous efforts to investigate his claims, the newspaper said.

In February, Mr. Abe ordered an investigation into the government’s apology for the sexual slaves. That effort prompted criticism from China and South Korea, which say Japan has not come to terms with the brutality of its wars against its neighbors. His government has since said it would not revise the apology.

There is broad evidence to support the existence of wartime sexual slaves, The Asahi Shimbun wrote last month in an article questioning whether the retraction of the articles citing Mr. Yoshida was being used to undermine Japan’s apology on the issue.

The newspaper came under further criticism last week after it spiked a column from a well-known contributor, Akira Ikegami, who said that the paper’s retraction of the comfort women articles was too late and did not go far enough, and that the newspaper should apologize. After criticism from readers and members of its own staff, the paper reversed course and published the column.

Makiko Inoue and Hisako Ueno contributed reporting from Tokyo.

2014/09/05

挺対協の前で日本政府を嘘吐きと呼んだ社会党(91年)日韓関係崩壊へ

慰安婦は国家総動員法で徴用されたと清水

さて、清水澄子議員二度目の登場。この時は、前年の11月に旗揚げした韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の会長(ユン・ジョンオクか?)が来日して見守る中での国会質疑であった。ユン・ジョンオクらは、やはり前年の10月、海部総理宛の公開書簡の中で、90年6月6日の政府答弁を問題視、

清水傳雄氏は、「徴用の対象業務は国家総動員法に基づく総動員業務であり[...]従軍慰安婦の業務とは関係ない」[...]と述べております。[...]”天皇”直属の日本軍の要請で慰安婦用に「朝鮮人女子挺身隊」の動員を命ぜられ、済州島や下関の朝鮮人女性を徴用したという元労務報国会の動員責任者(吉田清治)の証言もあります。[...]また、上の証言や元慰安婦の話によれば[...]このような強制連行総動員業務として記されていなかったとすれば、それこそ日本軍がこの蛮行を隠蔽しようとした証拠ではないでしょうか。

海部俊樹総理宛の公開書簡 1990.10.17
と批判。「日本政府は朝鮮人女性たちを従軍慰安婦として強制連行した事実を認めること」などとする6つの要求を日本政府に突きつけていた(挺対協が設立される一月前)。

清水澄子は、前回(1990.12.18)の質疑で何度説明されても理解出来ず、「同じことをお答えして恐縮なんですけれども(国民勤労動員署関係は関与していなかった)」と答弁者をウンザリさせていたが、今回も出だしから「政府は、今でも、従軍慰安婦問題に国は関与していないという認識でいらっしゃいますか」と再び無限ループを開始(わざとやっていた可能性もある)。公開書簡に見えるように、ユン・ジョンオクらの方がまだ政府の説明を正確に理解していた。答弁者は辛抱強く清水に同じ説明を繰り返してやったが、今回も右の耳から左の耳へ抜けたようで、政府が「傲慢でうそつきだ」と逆ギレしている。「と申しますのは、国家総動員法に基づいて挺身隊(清水は慰安婦が挺身隊という名目で動員されたと信じている)というのは徴用を受けたわけです」、と清水。

それにしても、本文ではカットしたが、質疑の中で当時外務大臣であった中山太郎が韓国の外務省の次官の「今日ほど日韓関係が円満にいっていることはない」という言葉を紹介している。

来日中の韓国の外務次官と約四十分間会談をいたしましたが、政府間の関係は、韓国の外務省の次官のな(ママ)言葉をかりれば、今日ほど日韓関係が円満にいっていることはないという御意見でございました。

それが四半世紀経った現在、円満だった日韓関係は落ちる所まで落ちた。慰安婦問題だけが原因ではないが、教科書問題でも靖国問題でも、構図は慰安婦騒動と変わらなかった。「良心的」な日本人が韓国の反日勢力を焚きつけることを繰り返した結果が現在の状況だろう。つまり、清水らの社会党(や朝日新聞)的なものが、二十年で日韓関係を破壊したのである(それを彼らは、安倍総理のせいにしている)。



○清水澄子君 意見がありますが、ちょっと先へ行きます。

きょうは、韓国の挺身隊問題対策協議会の会長もそちらに来て傍聴をしております。この会は、昨年の六月、この予算委員会におきまして(の)、政府答弁が非常に納得できないということで三十五万人の韓国の女性たちの怒りの中で組織された会であります。

そして、私は今ここで御質問したいんですが、総理にお伺いします。政府は、今でも、従軍慰安婦問題に国は関与していないという認識でいらっしゃいますか。――いや、総理にお伺いいたします。

○政府委員(若林之矩君) ただいまの御質問は、通常国会におきます私の答弁との関係での御質問だと存じます。

私ども、従軍慰安婦の問題につきましては、労働本省でいろいろ調査をいたしましたけれども、資料等がございませんでした。さらに、当時の勤労局あるいは勤労動員署で働いていた人につきましてもいろいろと聞いてみましたけれども、こういった方々の話でございますと、全く従軍慰安婦問題というものにはこれらの機関は関与していなかったということでございまして、私ども、そういうことになりますと、全くこの状況を把握する手だてがないということでございまして、政府が関与していたか否かを含めて状況を把握できないということでございます。

○清水澄子君 まことに論弁というよりも、日本政府というのがこれほど傲慢でうそつきだということに今本当に私も心から怒りを覚えております。

と申しますのは、国家総動員法に基づいて挺身隊というのは徴用を受けたわけです。それと、今これだけ情報を持っている社会、前の体制と違うことは事実です。しかし、それは本当に誠意があれば調べる方法はいっぱいあります。私は今、時間がなくて持ってきませんでしたけれども、たくさんの手紙が来ています。自分は元軍人でこうしたという、本当にたくさんの資料を持ち出されて、日本政府がこういう答弁をしていることに自分たちも責任を感ずる、我慢できないという、そういう多くの日本の生存する実行行為者の皆さんからの資料さえ集まっているわけです。ですから、政府が本当にこれを集める気があればできると思います。

最近、ソウルで元慰安婦の方が、今おっしゃったような答弁にもう我慢ができないということで名のり出られました。そして今、秋にやはり法廷に出て日本の蛮行を証言したいと言っているわけです。そしてまた、韓国の女性団体からもこの問題を韓国の国会で取り上げるよう要求が始まりまして、秋の国会の議題になるということを聞いているわけです。

総理、日本政府の皆さん方の発言によって日韓の間の民間の友好ですら壊されていく、このことについて、これは大きな政治問題になる、外交問題になると思いますが、これは総理はどのように解決をされようとなさいますか、お答えいただきます。

○国務大臣(海部俊樹君) 日韓の問題につきましては、私自身も二度にわたる首脳会談で歴史の反省の上に立った認識を述べるとともに、未来志向型の日韓関係を築かなければならないということを盧泰愚大統領とも確認をし、また国会をお訪ねして与野党の指導者の皆さんともその問題については率直に話をしてきたところでありまして、厳しい反省に立った対応というものと、もう一つ、昨年五月二十五日の外相会談の際に、いわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿入手についての協力要請があったことは、これは労働省を中心に名簿調査を行っておるところでありますし、その結果、これまで九万人分の名簿を確認し、そのうち韓国政府への提出について保有者の了解が得られたものの写しを、本年三月五日、外務省が韓国側に提出したどころでありますが、政府は、こうした名簿の調査に専念したいと考えており、今後とも引き続いて労働省を中心として関係省庁が協力して誠意を持って対応してまいる所存でありますので、御理解をいただきたいと思います。

また、冒頭にお尋ねありました朝鮮人従軍慰安婦の問題については、先ほど関係省庁で調査の結果を申し上げたとおりでありまして、全く状況がつかめない状況であるということでありますので、私もそのような報告を受け、今後とも努力をあらゆる面で考えていかなければならぬと思いますが、実情についてはでき得る限りの調査をさかのぼってしてきたということでございます。御理解をいただきたいと思います。

○清水澄子君 納得できません。

アメリカやカナダは、日系人強制収容者の人権を回復するために四十年目からでも事実を調査する機関をつくって、そしてその実態を調査し、補償いたしました。私は、こうしたアメリカの民主主義を日本は見習うべきだと思います。

ですから、日本でもぜひそういう調査委員会を設置していただきたい、そして今、御理解くださいじゃなくて、徹底して調査をするということをお約束いただきたいと思います。総理、御答弁お願いします。

○国務大臣(海部俊樹君) 今申し上げましたように、既に関係省庁で協力をしながら、引き続き調査を続けてまいります。

○清水澄子君 改めて質問いたします。

ありがとうございました。(拍手)

○前畑幸子君 改めて調査するのではなく、日本に最も近い韓国、朝鮮のことを一番最初に考えて政治というものに取り組んでいただきたいと思います。


2014/09/02

元女性基金理事の話に耳を傾けた韓国メディア (手遅れ?)

アジア女性基金の言い分に耳を傾けるなど、
以前なら考えられなかった?
第2のアジア女性基金を提案することは可能かとの質問に対し、日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気があるとした上で、現在の日本の雰囲気では提案を出せない」

・・・第二のアジア女性基金は、野田政権下などで検討されていたようであるが、けっきょく実現しなかった。挺対協が妥協しようとしなかったのが主因だろうが、「日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気がある」という大沼の指摘も正しい。現在の韓国側の強硬姿勢が、安易な妥協に走り勝ちな日本政府を押しとどめてくれている。

ただ、最近の韓国メディアは、原理主義者らとは一線を画すパク・ユハ教授にも一定の理解を示すし、こうしてアジア女性基金の関係者の話にも耳を傾けるようになった。隔世の感がある。しかし、「韓国社会の一部」に基金が批判された?当時女性基金を評価した人など韓国にいたのだろうか(償い金の受け取りを希望した元慰安婦以外に)?韓国の空気は確実に変わって来ているが、今さら女性基金に対する評価を変えてもね。

大沼氏は韓国内の元慰安婦支援団体にも言及。慰安婦問題を反日問題にしたことで、問題が変質してしまったと主張した。

元慰安婦支援団体とは挺対協のことだろうが、大沼が団体名を言わなかったのか、聨合ニュースが臆して名前を伏せたのか?



元女性基金理事の大沼保昭氏 韓国の慰安婦問題対応に絶望

元慰安婦に対する補償事業などをしていた「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金、2007年解散)の元理事、明治大の大沼保昭特任教授はこのほど訪日した韓国メディアの報道陣に対し、韓日両国間でこじれる慰安婦問題に対し、韓国の現在の状況については失望を超え絶望していると主張した。

大沼氏は慰安婦被害者の不幸な出来事をどうにかして払拭することを考えなければならないと指摘。その一方で、慰安婦問題がいつからか極度に政治化してしまったと説明した。

村山富市政権の1995年に発足した同基金は民間などの募金を基にしていたこともあり、韓国社会の一部から日本政府の責任回避の手段と批判され、償い金の受領を拒否する被害者が相次いだ。

大沼氏は第2のアジア女性基金を提案することは可能かとの質問に対し、日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気があるとした上で、現在の日本の雰囲気では提案を出せないだろうと述べた。

また日本が慰安婦問題の解決を目指そうとしたことについて、韓国側があまりにも評価しなさすぎたため日本側はダメージを受けたと紹介。朴槿恵(パク・クネ)大統領が、このことを十分に理解しているかどうか懸念しているとの見解も示した。

さらに、朴大統領が日本に対し慰安婦問題でこれまでよりも強い謝罪を要求すれば、日本社会が許さないだろうと指摘。韓国政府が現在のような強硬姿勢を続けるなら、得られるものはないのではないかとの考えを示した。

大沼氏は韓国内の元慰安婦支援団体にも言及。慰安婦問題を反日問題にしたことで、問題が変質してしまったと主張した。