昨年の春ごろに読んだ東京新聞だったか読売新聞で、韓国側に妥協して慰安婦問題で「名」を取ってはどうかと説得されて野田首相が揺れているという記事を読んだ。ソースが日本の新聞だったので、ある程度の信憑性はある。実際、挺対協の幹部が日本大使館から頻繁にコンタクトがあることを暴露していたし、前原誠司らの言動もあった。けっきょくは、韓国側が挑発を繰り返したので、じきにそんな雰囲気も消し飛んでしまった2012年であったが、野田首相が白旗を揚げようとしていたのは事実だったのかもしれない。中央日報のこの記事も、そう主張している。
野田政府は今年4月、韓国に密使を送って慰安婦問題解決案を出していた。(1)李明博・野田会談で野田が慰安婦問題を謝罪して(2)日本政府が慰安婦に対する慰労金を支給して(3)駐韓日本大使が慰安婦に会って慰労の言葉を述べるという内容だった。韓国政府は野田の提案を断った。 そこには法的責任が抜けていたためだ。「法的責任」とは何か?慰安婦動員が日本政府の責任であることを認定・謝罪することだ。私たちに重要なのはお金ではなく女性の性と人間性を抹殺された元慰安婦の人間的尊厳を少しでも回復することだ。私たちが望むのは慰労ではなく、反人類的犯罪行為に対する真の謝罪だ。日本が解決を先送りする間に慰安婦問題は世界の普遍的な戦時女性の性的奴隷(Sex slave)問題に変質・格上げされて日本が窮地に追い込まれた。
逆説的に日本で韓日間の3大懸案を解決できる人がいるなら、それは安倍晋三だ。彼が保守・右翼の硬い支持を受けているためだ。1972年、米国保守の代名詞リチャード・ニクソン大統領が劇的に中国を訪問して米中関係だけでなく国際政治に地殻変動を起こした先例がある。韓国・日本の新しい指導者は継続して対話をし続けなければならない。金正恩がミサイルを打ち上げても結局は南北、朝米対話をしないわけにはいかないのと同じだ。アジア・太平洋地域で中国の軍事的存在感を育て、北朝鮮の核・ミサイル威嚇が高い時期に韓日安保協力は必須だ。それで米国も韓日関係を改善するよう日本の背中を強く押している。
7月、日本の参議院選挙が終われば軍隊を持つ普通国家になるための改憲議論が本格化するだろう。日本が国防軍という名前の正規軍を持つことがすぐ軍国主義を意味するわけではない。私たちは日本の改憲と軍隊保有に対しては開かれた姿勢を持って、私たちに有利な世界世論を背負って公式・非公式の柔軟で余裕がある外交で法的責任がともなう慰安婦問題解決を引き出さなければならない。
中央日報日本語 2012.12.28
「慰安婦問題は世界の普遍的な戦時女性の性的奴隷(Sex slave)問題に変質・格上げされて日本が窮地に追い込まれた」
別に日本は窮地に追い込まれたわけではないが、反日運動家たちの狙いはそれだろう。
「逆説的に...解決できる人がいるなら、それは安倍晋三だ」
安部は日韓友好派であるから、韓国は彼に期待していい。ただし、彼は日本の名誉と尊厳に関しては敏感である。慰安婦問題で韓国側の希望を入れることはないだろう(河野談話の撤回は諦めるにしても)。民主党が下野した時点で終わり。今さら日本のニクソンとおだてても無駄である。