毎日新聞とのインタビューで、韓国の研究者も慰安婦が必ずしも「強制連行被害者」ではない事を承知しているとパク・ユハ教授が明かしている。また、河野談話が強制連行と無関係であることについて、河野洋平が彼女に同意したとも語っている。
パク・ユハ教授の主張は、(少なくとも)朝鮮半島ではなかったというものなのだが、教授によれば、韓国の研究者達はそれと知りつつ「それまで言っていたことを守るために公には言わない」のだそうである。まぁ、想像はしていたが。
もう一つ、強制連行を認めたものか否かで長く議論になっていた河野談話について。これは、日本政府による検証で強制連行を認めたものではないと決着したが、河野洋平がちゃんと説明すれば韓国もいくらか冷静になってくれるのだろうに、彼はそれをせず逆に紛らわしいことを言うものだから、今だに韓国メディアに「河野洋平元官房長官は・・・明らかに強制連行があったとの認識を示した」などと書かれる始末。ところがである。パク教授は、河野洋平が談話は強制連行を認めたものではないと言ってくれた、自分の見解に同意してくれたと話している。一体どっちなのか?河野のあやふやな態度と言説は、日韓両国にとって極めて有害になっている。
−−アカデミズムの中でも慰安婦問題については表現の自由、学問の自由がなかったということか。
◆それはとても複雑な問題だ。(元慰安婦は)強制連行(された)という見方に対し、(慰安婦問題を)研究していた人たちは(強制連行とは)違うということもちょっと分かってきたはずだ。学界の中ではもちろん(そういう話が)出ていた。しかし、公には出ていない。
そうした中で「そんなことは知っている、しかしそれを公に言うのは問題だ」という人もいる。そういう意味では(表現、学問の自由のなさは)あったかもしれない。
「軍人が連れて行った」という支援団体が出した情報を公式に修正したことは一度もない。それが私は問題だと思う。強制連行説とは違う(必ずしも強制連行ではないとの)見方が注目された時、「そんなことは知っている」というふうに言う。公に修正すべきなのに、それまで言っていたことを守るために公には言わない。そういうことが起きているのはとても問題だ。
「朴裕河の主張は間違っていないかもしれないが、日本が謝罪していないのになぜそれを公に言わなければいけないのか」と言う人もいる。だが、皆これまでの枠組みを守るためにそう言っているとしか考えられない。
(中略)
−−検察の判断資料の中に旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話(1993年)があったが、声明の賛同人に河野洋平元衆院議長自身が名を連ねている。
◆そうだ。私を批判した人たちが「河野談話」を根拠にしているから、(談話の)読み方自体が違うわけだ。私は談話を強制的連行じゃないと読んでいるが、批判する人は強制連行と読んでいる。それは間違いだと(河野氏があるインタビューで)おっしゃってくださり、私に同意してくださったので、うれしかった。ただ、韓国にはあまり届いていないと思う。
毎日(一部) 2015.12.3