WW2日本政府は「戦争の手段としてのレイプ」を実行した
サンフランシスコ市の慰安婦碑・・・というより慰安婦像の碑文が決定した。
実は最初にこの報に接した時、もっとトンデモな内容かと思って密かに期待した(!)のだが、慰安婦正義連合側(CWJC)が修正して、トンデモ度は大部分カモフラージュされてしまった。予想された事ではあったが・・・。
トンデモ像は不快ではあるが、一番厄介なのは「女性の人権の象徴」などと胡麻化される事である。ヘイトのモニュメントは露骨である方が望ましい。その方が後々、問題にし易い。言うまでもなく、CWJCの中核メンバーの本音は日本叩きである。碑文の内容を穏当な物に修正せざるを得なかったのは、彼女たちにとっても本意でなかったに違いない。しかし、彼女たちは制約の中で目一杯自分達の主張を盛り込んだ。
では、碑文はどこが問題なのか?
産経新聞はいつものように、「『性奴隷』の表記」がある事を問題視しているようだが、問題はそこよりもsexual violence as a strategy of war(戦略としての性暴力)の部分だろう。「戦略(戦争の手段)としての性暴力」というのは、敵国(民族)の女性を組織的・計画的にレイプすること。戦争犯罪であり人道に対する罪である。挺対協は当初、日本軍慰安婦がこれに該当すると主張していた。アメリカ西海岸の慰安婦団体(CWJC, KAFC)は慰安婦像の碑文に再びこの主張を復活させた(ただし、碑文の中では直接日本を名指しない方法を取っている)。
組織的レイプは「民族浄化」の中で戦争の武器として頻繁に用いられる(Systematic rape is often used as a weapon of war in 'ethnic cleansing')。 (Sexual violence as a weapon of war ユニセフ)
産経によれば、大阪市の問い合わせに対しサンフランシスコ市は「『碑文の文言が事実に基づいており、(人身取引の問題について啓発するという)真の目的を伝えている』と市機関が判断した」と答えて来たという。
サンフランシスコに建つのは「日本軍による戦争の手段としてのレイプの被害者像」なのだが、表向きは人身売買などに反対する為のモニュメントという事になっている。碑文は更に、戦争の手段であるレイプ、人権に対する罪・・・つまりは時効のない戦争犯罪であるが故に、(日本政府が法的に)責任を負わねばならない、13カ国に渡る被害者が存在する(よって日韓合意では解決しない)と市民グループの中心メンバーの日頃の主張と日韓合意反対のメッセージが巧妙に潜り込ませてある。
大阪市はこんな功名な企みを一刀両断してサンフランシスコ市に像の設置を止めさせることが出来るのだろうか?出来ないのなら、下手に碑文を変えさせるより、このまま設置させた方がいい。大阪市は市のウェブサイトに英語で詳しい反論を掲載し、国際社会の歴史の審判を待てばいい。気の長い話だが、サンフランシスコ市がヘイト・キャンペーンに加担した事を姉妹都市によって半永久的に晒されることになるのである。これは泣き寝入りではない。
慰安婦正義連合のサイトでは
慰問袋を持つ少女を慰安婦として紹介している
碑文の日本語訳
「私達がもっとも恐れているのは、第二次大戦中の私達の痛ましい歴史が忘れされる事です」・・・元「慰安婦」
このモニュメントは、日本帝国軍により性的に奴隷状態に置かれた数十万人の婉曲的に「慰安婦」と呼ばれたアジア太平洋地域の13の国々の女性や少女の被害を証言する物である。この女性達の殆どは戦時中監禁中に死亡した。この闇の歴史は、サバイバー達が勇敢にも声を上げた1990年代まで数十年間も隠されていた。
彼女(元慰安婦)達は、戦争の手段としての性暴力が人権に対する罪であり、政府がその責めを負わねばならないという事を世界が宣言する原動力となった。
この記念碑は、これらの女性の思い出と、世界中の性暴力の根絶と性的人身売買根絶運動の為に捧げる物である。
「慰安婦」正義連合より市への贈り物
http://remembercomfortwomen.org/(注:慰安婦正義連合のURL)
サンフランシスコ市と郡のコレクション