運動家たちは、何年にも渡り、人脈を作り情に訴え、手を変え品を変え議員たちを説得する。日本においても未だこうした意見書が地方自治体レベルで可決されてしまうのに、アメリカでこの種の政治的な動きを阻止するのは難しい。
泣いて訴える老婆の姿を見せられ、「問題」の解決が必要だと言われれば、こうした「正論」に反対するのは難しい。よほど確固とした信念が無ければ・・・。まずは、日本人自身がもう少し常識として慰安婦問題の本質を知ることだろう。
「慰安婦に謝罪と補償を」 京都府議会が意見書可決
京都府議会は26日、旧日本軍の慰安婦とされた女性に謝罪や補償をするよう国に求める意見書案を賛成多数で可決した。市民団体によると、同様の趣旨の意見書が可決されるのは都道府県議会では初めてという。
府議会会派の公明が「『慰安婦』問題の早期解決を求める意見書」を提案し、民主と共産が賛成、自民は反対した。意見書は、「被害女性の声を聞き、調査分析を進め、理解ある補償を行い、名誉と尊厳を回復することは日本政府の残された責務」と指摘。これらを「誠実に急ぎ行うこと」や、「歴史の事実と教訓の継承に取り組むこと」を求めている。
従軍慰安婦問題に取り組む市民団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」によると、2008年3月から昨年9月までに全国39の市町村議会が同趣旨の意見書などを可決。京都府内では6市議会が可決している。同府議会の各会派には市民団体が10年から働きかけていた。
朝日 2013.3.26
アムネスティが一言。
アムネスティは、京都府議会が日本軍性奴隷制の被害者に対する公正を求める意見書を可決したことを歓迎する。
京都府議会は3月26日、政府に対し被害者の名誉と尊厳の回復などの補償を含む、「『慰安婦』問題の早期解決を求める意見書」を都道府県議会として初めて可決した。
日本では、旧日本軍の性奴隷制の被害者への支援活動が拡大するにつれ、2008年以来、全国39の市町村議会が政府に対し「慰安婦」問題に早急に対応することを求める意見書などを可決してきた。
京都府議会が意見書を可決した同じ3月、政府は国連人権委員会の第二次普遍的定期審査(UPR)の勧告を拒否した。各国は勧告の中で日本政府に対して、日本 軍性奴隷制の法的責任などを受け入れ、十分な補償を含めた被害者の尊厳を回復 するための適切な対応策を取ることを要請していた。
アムネスティは、被害者に対する過去の謝罪を見直す旨の安倍首相の発言を特に懸念している。これは、日本が被害者の求める正義を否定し続ける憂慮すべき徴候である。政府がUPRの勧告に対して、問題を政治化したり外交問題にしては ならないとする声明を出したのも同様である。
旧日本帝国の軍隊は年齢、貧困、階層、家柄、教育、国籍、民族などで、性奴隷制のわなにはめやすかったアジア各地の女性や少女を性的な奴隷にした。旧日本軍は、暴力と甘言を使って女性たちを奴隷化し、その結果、被害者は身体的・ 心的傷害を負い、孤独に耐え、恥の意識に苛まれ、多くの場 合、赤貧にあえいできた。
アムネスティはこれまで、日本政府が被害者の求める正義を受け入れないことは、女性たちが被ってきた人権侵害を助長するだけであると、懸念を表明してきた。
アムネスティは、日本政府に対して以下のことを求める。
生き延びた被害者の大半が納得する方法で彼女たちが被った損害を公に認める。また法的、道義的責任を全面的に受け入れる。
「慰安婦」に対し、旧日本軍が犯した犯罪について全面的に、はっきりと謝罪 する。
日本政府は、国際基準に適った十分で、かつ中身のある補償を、「慰安婦」被 害者が同席する場で、直接、彼女たちに示す。
第二次世界大戦に関する歴史の教科書に日本軍性奴隷制について正しく記載する。
以上
アムネスティ・インターナショナル国際声明
2013年3月29日