2021/02/06

強制的性奴隷と表現するのは国連の勧告事項(朝鮮日報)

 日本軍慰安婦被害者を「強制的性奴隷(enforced sex slaves)」と表現するのは国連の勧告事項だ


「慰安婦は性奴隷ではなく売春」…日本政府から叙勲されたハーバード大学教授の論文が波紋


知日派に分類される米国ハーバード大学ロースクールの教授が、日本軍「慰安婦」被害者は強制動員された性奴隷ではなく売春だったという内容の論文を発表した。日本軍慰安婦被害者を性奴隷と規定した国際社会の普遍的認識だけでなく、日本政府が慰安婦動員の強制性を認めて謝罪した1993年の河野談話とも反する内容で、論争が予想される。


 ハーバード大学のジョン・マーク・ラムザイヤー教授は、3月に出版予定の学術誌「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」第65巻に「太平洋戦争における性契約(Contracting for sex in the Pacific War)」というタイトルの論文を掲載した。


 論文情報サイトに載った抄録によると、ラムザイヤー教授は、慰安婦の女性たちと雇用主である慰安所は契約関係にあり、その契約の力学関係を調べると、両者には与えられた条件下で相手と相互作用しつつ最大限の利益を追求するという「ゲーム理論」の論理が反映されていた、と主張した。


 ラムザイヤー教授は、女性たちは戦時売春に随伴する危険と評判上の被害を相殺する条件を要求し、慰安所は直接監視できない環境で女性たちが十分かつ熱心に仕事をする動機を付与しなければならなかった-と明らかにした。こうした相互要求を充足するため、女性たちと慰安所は、十分な収益を創出した場合にあっては女性たちが早期に離れることを可能にする条件や、1-2年分の巨額の前払い金などを組み合わせた雇用契約を結んだというのだ。


 ラムザイヤー教授は、1954年に米国シカゴで生まれた直後、宮崎県に移り住んで18歳まで現地で暮らし、日本法と法経済学を専攻した。米国における日本学の発展と日本社会・文化の理解に寄与した功績を認められ、2018年に日本政府から旭日中綬賞(ちゅうじゅしょう)の叙勲を受けた。


 産経新聞の報道によるとラムザイヤー教授は、慰安婦は性売買を強要された性奴隷ではなく、慰安婦被害は朝鮮で行われた就職詐欺に伴うものだと主張した。産経は、同論文が「慰安婦が当時政府規制下で認められていた国内売春婦の延長線上の存在であることを理論的実証的に示した」と報じた。右派寄りの産経は、同論文が「慰安婦=性奴隷」説に異議を提起するものであって「意義は大きい」と評価した。


 しかし、日本軍慰安婦被害者を「強制的性奴隷(enforced sex slaves)」と表現するのは国連の勧告事項だ。1996年に採択された国連人権委員会の報告書に「性奴隷」という表現が登場した後から、本格的に通用してきた。