2020/04/23

戸塚悦朗ら韓国の司法にアドバイス「日本政府の責任問え」


日本の弁護士ら、韓国裁判所に「慰安婦に対する日本政府の責任問うてほしい」

韓国の慰安婦被害者たちが日本政府を相手取り韓国の裁判所で起こした損害賠償請求訴訟で、日本の弁護士たちが「韓国国内での訴訟だけが日本から被害を賠償される最後の法的手段」であることを訴える意見書を提出し、訴訟を後押しした。彼らは「韓国の裁判所は他国を相手に裁判できる権利はない」として訴訟却下を主張する日本政府を真っ向から批判した。

日本弁護士連合会所属の山本晴太弁護士と戸塚悦朗弁護士は最近、キル・ウォノクさんら慰安婦被害者と遺族が日本政府を相手取って起こした訴訟を審理中のソウル中央地裁民事15部(裁判長ユ・ソクドン)に意見書を提出した。ハンギョレが22日に入手した意見書によると、彼らは日本の裁判所と政府が、被害者が日本の司法体系で責任を問う方法を遮断しているため、韓国の裁判所での判断が日本の法的責任を認められる“最後の手段”だと強調した。

日本政府は他国の裁判所の判決で自国の法的責任を強制できないという「主権免除」を掲げ、韓国で提起された訴訟に対応していない。2016年12月に初めて訴訟が起こされたが、日本政府の訴状送達の拒否で裁判は3年近く停止しており、日本外務省は主権免除の原則に基づいて訴訟を却下すべきだという立場を伝えた。最高裁事務総局の公示送達の決定で、昨年11月には初の裁判が開かれ、裁判部は慰安婦被害者側に「主権免除理論を克服できる主張を用意するよう」と求めた。裁判部が求めた日本政府の主張に対する反論を、日本の弁護士たちが意見書を通じて示したのだ。

彼らは意見書を通じて、韓国での裁判権を否定する日本が、自国内で提起された戦後補償裁判に対しても組織的に賠償責任を避けてきたと指摘した。戸塚弁護士は、日本の最高裁判所の独立した両裁判部が2007年の中国人慰安婦事件と西松建設の中国人強制徴用事件で被害者らにそれぞれ敗訴判決を下した際、判決文に明記された理由がかなり一致していると指摘した。彼は「中国人慰安婦判決の全文16項目のうち、西松事件と文章が同じところが12項目にのぼる」とし、「(これは)最高裁判所の方針がどこかで決定され、裁判部はそれに基づいて事務処理を行うだけであることを示している」と指摘した。実際、両裁判部は戦争被害者の賠償請求権はすべて連合国と日本が結んだ「サンフランシスコ平和条約の枠組み」の中で解決済みだとし、被害者個人が裁判上の請求権を行使できないと説示した。このような判断はその後、被害者たちの賠償を受ける道を塞ぐ論理として確立され、すべての裁判の敗訴根拠として使われた。

山本弁護士はこれについて「最高裁がこれ以上戦後補償裁判を認めないという目的意識を持って判決を下した」と分析した。彼は最高裁調査官だった瀬木比呂志の著書『絶望の裁判所』も引用し、「東京地裁で行われた中国人被害者戦後補償裁判で、裁判長らが秘密裏に会合を持ち、却下または棄却を前提にして審理を進める案を議論したものと推定される」と伝えた。そして、「韓国の慰安婦被害者が日本で同じ訴訟を起こせば、敗訴するのは確実だ。日本の現在の司法手続きで外国人の戦争・植民地被害者の請求が認められる余地がなく、被害者の裁判請求権も剥奪された点は、韓国の法廷で日本の主権免除主張を認めるかどうかを判断するうえで必ず考慮されなければならない」と強調した。

2016年から被害者の代理を務めてきたイ・サンヒ弁護士は、「裁判の過程で被害者が積極的に要求するのは、単なる金銭的賠償を超え、日本が過ちを認め、謝罪することだ。日本政府の(前向きな)態度を導くためにも裁判を行う」と説明した。

韓国の裁判所が日本の主権免除という主張を受け入れず、日本の賠償責任を認めれば、慰安婦被害者たちは韓国内にある日本の財産を強制執行する権利を持つようになる。5月20日に開かれる裁判では、主権免除理論関連の弁論が続く予定だ。その後、証人尋問や被害者の法廷陳述などを経て、9月~10月中に判決が言い渡されるとみられる。一方、24日にはイ・オクソンさんら被害者と遺族が提起したもう一つの日本政府に対する損害賠償請求訴訟の初裁判が開かれる。