「慰安婦問題なら、日清、日露戦争当時はどうだったのか、他国はどうだったのかなども調べ、誠意を持って読者に伝えることしかない」と、朝日新聞のOB。
他国の同種の問題に触れると、他人もやっていたからと言って免罪にはならないとムキになる日本人もいるが、なんで彼らはああもムキになるのだろう?
朝日OBが衝撃本 元社長や元名物記者の“仰天エピソード”「秘密会合」も…
慰安婦報道や福島第1原発事故「吉田調書」報道の誤報と記事取り消しなど、報道機関としての姿勢を問われている朝日新聞社。同社の内幕を記したOBの著書が話題となっている。朝日を代表する大物記者たちが次々と実名で登場、人間性をあらわにするような行状が紹介される。さらには、現在の朝日的論調を方向付けた可能性もあるという“秘密会合”が存在していたことも明かしているのだ。
『ブンヤ暮らし三十六年 回想の朝日新聞』(草思社)を書いた永栄潔(ながえ・きよし)氏(67)は1971年に朝日に入社し、富山、大津支局を経て経済部、「週刊朝日」「月刊Asahi」副編集長、「大学ランキング」「週刊20世紀」編集長などを歴任した。
(中略)
朝日の「異論を認めない窮屈さ」は現在も続いていると永栄氏は指摘する。昨年9月、「吉田調書」の記事を取り消し、読者に謝罪した紙面では、天声人語や素粒子などのコラムや読者投稿、歌壇・俳壇、川柳までがこの問題を取り上げた。永栄氏は「“1億総ざんげ”のような違和感を覚えた」という。
朝日OBとして「若手記者にツケを残した忸怩(じくじ)たる思いがある」という永栄氏。「われわれの仕事は関係者や専門家に会って徹底的に疑問をただすこと。慰安婦問題なら、日清、日露戦争当時はどうだったのか、他国はどうだったのかなども調べ、誠意を持って読者に伝えることしかない」としたうえで、「事実より理念で書く新聞も必要ではあるが、“日本は開国以来悪かった”というような新聞が800万部も必要なのかは疑問だ」と苦言を呈した。