2017/04/02

グレンデール上告棄却:中国「歓迎」韓国「ノーコメント」にメディア「恥ずかしい」

外交権の侵害かが争われたが、
敗訴のイメージは悪い

グレンデールの慰安婦像を巡るアメリカ連邦最高裁の決定について、中国政府が口を挟んだ。何時ものように、日本非難の機会に飛びついたものだが、意外だったのは韓国政府で、連邦政府と地方政府との間の権限を巡る裁判だったと実に優等生的なコメントに終始した。これを聯合ニュースは問題発言だと言わんばかり、ハンギョレに至っては「国際社会に恥ずかしい」と空想世界に遊んでいる。恥を知るべきは彼らの方である。

確かに韓国政府は、12.28合意に驚くほど忠実たらんとしている。この判決については日本政府の方がいい加減で、官房長官が「慰安婦像設置の動きはわが国政府の立場と相いれない」などと、ピンぼけなコメントをしている。「日本の戦争犯罪を告発しようと建設した少女像に対する日本の妨害工作に終止符を打った」とするハンギョレや中国政府ほどではないが、日本政府もまた政治的メッセージを発信するのにこの判決を利用した感じか。

今回に関しては、韓国政府(優)日本政府(可)中国政府・韓国メディア(不可)の順で大人だった。

外交部、少女像撤去不可の米最高裁判決に「ノーコメント」

外交部は米国カリフォルニア州グレンデールの慰安婦少女像を撤去出来ないようにした米国連邦最高裁の判決について「政府として意見を出すのは適当ではない」と述べた。

外交部のスポークスマン、チョ・ジュンヒョクは、今日(28日)の定例ブリーフィングでグレンデールの少女像の撤去を要求する日系極右団体の上告申請を却下した米連邦最高裁の27日(現地時間)決定について「アメリカ連邦政府と地方政府の間の権限問題に関する法律上の争点に関する事案として理解している」と、このように答えた。

チョ・スポークスマンのこのような立場は、第三国の司法の判決を取り上げ論じる事を自制する必要性だけでなく、慰安婦問題の最終的不可逆的解決を宣言した韓日慰安婦合意を意識したものと見られる。

慰安婦合意には「合意が着実に履行されるということを前提に両国政府が今後国連など国際社会で慰安婦問題について相互に非難·批判を自制する」という内容が含まれている。

しかしアメリカの連邦議会議員も判決を歓迎したという点で、外交部のこのような立場は論議を呼ぶ(?)可能性が高いと見られる。

韓日合意により慰安婦問題と関連する韓国政府の正当な発言権も制約を受けるのではないか、という指摘が出ると見られる。

アメリカ連邦最高裁はグレンデールの少女像を撤去すると訴訟を起こし一二審で敗訴した目良浩一「歴史の真実を求める世界連合会」(以下GAHT)代表が提起した上告申請を27日却下した。

これに対してエド・ロイス(共和·カリフォルニア)下院外交委院長は「最高裁の決定に拍手を送る」としながら「今回の判決はこの3年間の歴史書き換えの無駄な努力に終止符を打った」と評価した。

SBS 2017.03.28 [2][原文]

中国外交部、少女像撤去不可、米最高裁判決に「賛成」

中国政府がアメリカ、カリフォルニア州グレンデールの慰安婦少女像を撤去不可にしたアメリカ連邦最高裁の判決を支持した。

外交部の陸慷(ルー・カン)スポークスマンは29日定例ブリーフィングで、アメリカ連邦最高裁の慰安婦少女像の撤去は不可とした判決について「私たちは判決に賛成する」としつつ「慰安婦を強制動員した第2次大戦の日本軍国主義は厳重なる反人道的犯罪」と述べた。

陸スポークスマンは「これはアジアとその他の国の国民に大きな災いをもたらした」としながら「これは明白であり、拭い去る事(?)は不可能」と語った。

彼は「我々は日本が歴史問題に対し正しい立場を取れずに(?)国際社会の正義にむやみに抵抗している(?)と考える」としつつ「(日本のこのような態度は)国際社会の関心を呼ばずにはいられない(?)」と強調した。(以下略)


韓国政府は日韓合意に忠実であろうとしたが、韓国メディアは相変わらず。ハンギョレは、中国政府と韓国政府が入れ替わった、日本(加害者)と韓国(被害者)が逆転したと不満を言っている。勢い余ってグレンデールの慰安婦像が韓国系による日本糾弾目的だと認めてしまっているのはご愛敬。

[社説]LA少女像判決に沈黙する韓国外交部の屈辱

米国連邦最高裁が27日、カリフォルニア州グレンデールに設置された「平和の少女像」撤去を要求する日系極右団体の訴訟を棄却した。米国の韓国人団体が「慰安婦」被害者の痛みを記憶し日本の戦争犯罪を告発しようと建設した少女像に対する日本の執拗な妨害工作に終止符を打ったのだ。(中略)

韓国外交部のチョ・ジュンヒョク報道官は同日、定例ブリーフィングで「韓国政府の立場があるか」という質問に「米連邦政府と地方政府間の権限問題に関する法的争点に関連した事案」とし「(外国の)裁判所判決に韓国政府として意見を出すことは適切でないと見る」と答えた。29日、中国外交部の陸慷報道官は定例ブリーフィングで同じ質問に対し「判決に賛成する。慰安婦を強制動員した第2次大戦当時の日本軍国主義の厳重な反人道的犯罪だ」と述べた。韓国と中国の政府報道官論評がさかさまになったようだ。 少女像を中国が建設したのか、我が同胞が作ったのか、こんがらかるほどだ。

韓国政府がこのように「川向こうの火事見物」のような姿勢を取るのは、「12・28慰安婦合意」を意識したためと見える。合意案には「国際社会で慰安婦問題に関して相互に非難を自制する」という内容が入っている。しかし、日本政府は米連邦最高裁に少女像撤去意見書を提出しており、判決後には「遺憾」を表明し、今後も継続的に立場を出すと公然と騒いでいる加害者と被害者が逆転したようだ

在外同胞が十匙一飯でお金を集めて少女像を設置し、日本の極右団体の訴訟にまきこまれ3年間苦しんでいる時、グレンデール市議会は「少女像を守る」と言い、現地の法律会社の弁護士は無料で弁論に立った。その間、韓国政府は何をしていたのか。今は少女像判決に「歓迎する」という一言も言えない。被害者には申し訳なく、国際社会には恥ずかしい