2017/10/19

「ベトナムに謝ってます」挺対協必死のアピールの本音は?

挺対協代表がベ大使館前でパフォーマンス
水曜デモと異なり、大使館を背にしカメラ向き

挺対協などがベトナム大使館の前で、韓国軍の性暴力を謝罪するプチデモを始めている(今月31日まで)。挺対協が韓国軍の蛮行を反省して見せるのは、初めてではない。これまでにも勉強会を開いたり、ベトナムを訪れたり、募金活動だってやっている(ちゃっかり慰安婦問題の宣伝を兼ねて)。なぜ挺対協はわざわざベトナムの件をアピールするのか、戦時性暴力問題に取り組む団体だから当然?・・・まるっきり嘘とも言えないが、最大の理由は、(日本軍)慰安婦キャンペーンを滞りなく遂行する為だろう。彼女たちも日本側からダブルスタンダード批判された事が理由(の一つ?)だと認めている(ソースは失念)。

彼女たちは柔軟である。昔は、米軍の基地村売春婦とハルモニ(慰安婦)を同列に扱ったとして、大学教授がナヌムの家で謝罪させられるといったようなこともあったが、現在では、挺対協は彼女たちの味方という立場である。そうした「配慮」があったればこそ、挺対協などの反日活動を擁護する一部の日本人も、「韓国軍のベトナム戦争時の性暴力は・・・韓国の市民たちの手によって問題化されている」(北原みのり)などと安心して彼女たちを持ち上げる事が出来るわけである。しかし、よく考えれば気づくことだが、挺対協は韓国軍の性暴力について批判する事はあっても、韓国軍の慰安所(婦)については口を噤んでいる。

日本バッシングに同調する北原やコヤマは、
挺対協を持ち上げるが・・・

北原みのり AERAdot(2018.3.13)

彼女たちははるばるアメリカに日本の慰安婦問題を訴えに行くが、そこで基地村や米韓軍の慰安婦問題を持ち出す気配はない。韓国に基地村やライダイハン問題に本気で取り組んでいる団体は確かにあるが、挺対協はそれらとは違う。

その挺対協の「ベトナム問題にも取り組んでいます」アピールだが、最近必死度が上がっている印象である。ベトナムにおける韓国軍の性暴力を問う声が、韓国外でも少しずつ高まっているのであるが、どうもそれが慰安婦キャンペーンに触発されている気配がある。ライダイハンを支援する団体も幾つか出来ている。

英国で新団体「ライダイハンに正義を」が設立(9.12)
集会にはジャック・ストロー元外相も

ライダイハン像を制作し、在ベトナム韓国大使館前などに設置し世論喚起する」というアイディアが、慰安婦キャンペーンの真似である事は間違いないだろう。「ライダイハンに正義を」のイベントにはブレア内閣で外務大臣などを務めたジャック・ストローが姿を見せた。慰安婦団体は韓国系多く、お手盛り感が露骨だが、このライダイハンイベントでは白人の姿が目立ったのが特徴か?ただ、これら団体の活動実態もいまひとつハッキリしない。・・・という所で、エミ・コヤマなどは、日本政府による陰謀説を仄めかしている

真相がどうであれ(私は日本政府が影で糸を引いている説には懐疑的だが)、挺対協が今まで以上に「ベトナムに謝りましょう」キャンペーンを熱心にやらざるを得なくなっているのは事実のようである。しかし、そもそも彼女たちはアジア女性基金を民間基金だと言って拒絶して来たのである。ベトナム大使館前にサンドイッチマンを立たせる程度なら、彼女たちが日本国に見せている容赦ない態度とダブルスタンダードだと言われても仕方ないだろう。

2015年?に設立した「ベトナムの声」
目立った活動はないようだが

実際に海外紙の中には、日韓合意で問題を解決したように韓国はベトナムとの問題を解決すべきだと忠告するものある。挺対協のユン・ミヒャン代表は「日本のようになるな。ベトナムに謝ろう」と檄を飛ばしているが、日韓合意を否定する挺対協に対し、国際社会は、日本は謝ったが韓国は謝っていないと見ている。

Park Geun-hye has previously been reticent to pursue South Korean admissions of responsibility for events in Vietnam, but the growing ties between the two countries would only be helped by her tackling the issue head-on. The long battle over the treatment of Korea’s comfort women, settled by President Park and Japanese prime minister Shinzo Abe last December, was a critical step in healing the troubled ties between the two countries.(パク・クネは、これまでベトナムでの出来事の責任を韓国が認めることを追及する事について口が重かった。しかし深まる二つの国の結びつきは、この問題に正面から取り組む事によってのみ後押しされる。昨年の12月にパク大統領と日本の安倍首相の間で決着した朝鮮の慰安婦の取り扱いについて長い戦いは、二国間の厄介な関係を癒す決定的な一歩だった。)

Healing Old Wounds in Vietnam Daily Kos 2016.5.30[2]

とはいえ、挺対協のこうした行動は、必要に迫られてとはいえ思い切った決断である。究極の目的である日本政府を屈服させる為には、韓国の恥を晒してもいいという判断である。ユン・ミヒャン代表のリーダーシップと決断力が無ければ出来なかったろう。たとえ偽装だとしても。

参考: 
ベトナム戦争に派兵された韓国兵士の女性暴行「韓国政府に謝罪要求」英国で団体設立、混血児問題で像制作(産経 2017.9.19) 
ライダイハン、韓国社会に衝撃 ベトナム派兵、徐々に汚点 対日批判ブーメランも (産経 2017.9.19)
挺対協、ベトナム大使館前で「韓国軍の戦争犯罪を謝罪します」(ハンギョレ日本語版 2017.9.14)