2021/01/17

韓国系も距離を置く中、マイク・ホンダ健在

現在、米下院に韓国系の議員が4人いるが、慰安婦問題でほとんど動いていないと辺真一は言っている。たぶんそうなのだろう。

かつて熱心に慰安婦問題を宣伝していた韓国系の有権者団体も、ここ数年全然名前が出て来なくなった。現在アメリカやドイツで活発に動いているのは、元裁判官や学者の肩書を持っていても、基本的に主婦のイメージで、アメリカでもプロの政治家はこの問題から距離を置こうとしているのではないか。

そんな中で、悪い意味で日系人の一つの典型マイク・ホンダは相変わらず。


また現れた「マイク・ホンダ」 慰安婦判決で韓国メディアに「日本に制裁を!」

  1月8日、ソウル中央地方裁判所は日本政府に対し、元慰安婦12人の女性らへの賠償を命じる判決を言い渡した。賠償額は原告1人あたり1億ウオン(約950万円)で、日本政府は「断じて受け入れられない」と強く抗議。すると9日、日系アメリカ人のマイク・ホンダ元米下院議員(79)が韓国メディアにこう吠えた。「(判決は)良い決定だったが、日本政府を動かすことはできない」「日本政府に制裁を加えなければならない」。


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 ホンダ氏は、韓国総合ニュース通信社とのインタビューで、こう発言している。


《文在寅政府が外交的手段を用いて、日本政府の法的な謝罪と日本の教科書に慰安婦の内容を盛り込むようにすべきだ》


《中国、ベトナム、インドネシアなどの戦争被害国と共に、日本政府に制裁を加えなければならない》


《韓国政府が乗り出すことができないのなら、韓国人による「不買運動」を続けるべきだ》


 日系アメリカ人でありながら、日本政府に対して“制裁を加えろ”とは、日本人には眉をひそめる発言だ。


「ホンダ氏が慰安婦問題や徴用工問題で、徹底して日本を攻撃するのは、日本に対して“トラウマ”があるからでしょう。それにしても日本政府にとっては、目の上のたん瘤的な存在ですね」


 と語るのは、「コリア・レポート」編集長の辺真一氏。


慰安婦問題の代名詞

 ホンダ氏の祖父母は熊本県出身で、1900年代にアメリカに移住。両親はカリフォルニア州生まれで、彼は日系3世となる。太平洋戦争が起こると、一家は日系人強制収容所に収容させられた。


「強制収容所に入れられたことで、戦争の被害者になった。日本に恨みを持ったのかもしれません。もともと、この局面で『日本政府に制裁を加えろ』とは、韓国人も言わないような激しいことを言いますね」(同)


 ホンダ氏はサンノゼ州立大学を卒業後、高校の教員となるが、1996年にカリフォルニア州下院議員に選出。2001年に米下院議員に選ばれた。


「2007年、日本を糾弾する慰安婦決議を下院で成立させたことで、韓国から絶大な信頼を勝ち取りました。また、同じ年に元慰安婦を下院で演説できるように根回しをしました。アメリカには、慰安婦像が10カ所程度設置されていますが、それにあたって動いたのも彼です」


 しかし、ホンダ氏は2016年の下院選に落選してしまう。


「韓国にすればショックだったと思いますよ。ただ、議員でなくなっても、彼の影響力はまだあります。韓国は2017年、これまでの活動を評価して、ホンダ氏に修好勲章光化章を授与しています。いまや彼は慰安婦問題の御意見番的な存在になっています。現在、米下院には韓国系は4人いますが、慰安婦問題では彼らはほとんど動いていません」(同)


バイデン大統領でさらに活動が活発

 今も慰安婦関連のイベントがあると、韓国に招待され、韓国メディアも事あるごとに彼にインタビューを行っている。


 2019年8月、ソウル市庁で開かれた日本軍慰安婦国際シンポジウムに招かれた。中央日報の取材に対して、


《(安倍首相が)謝りなさい。謝れば良い。簡単だ。それがそんなに難しいか?》


 朝鮮日報(2020年6月10日付)では、ホンダ氏は電話インタビューでこう答えている。


《(慰安婦被害者)李容洙(イ・ヨンス)さんは慰安婦運動の魂(soul of movement)であり、すべての被害者の声を代弁する生きている証言者(living testimony)だ。彼女を100%支持する》


「一連の慰安婦関連の裁判で、韓国は国際司法裁判所(ICJ)に提訴するとの見方もあります。ICJには15人の裁判官がいますが、もし提訴することになったらホンダ氏はロビー活動をするでしょう」(同)


 民主党のバイデンが大統領になったことで、ホンダ氏にプラスに働くという。


「バイデンは副大統領時代の2014年、当時の石破茂幹事長に慰安婦問題で険悪だった韓国との関係を改善するよう促しています。同じ民主党議員だったホンダ氏は、慰安婦問題で動きやすくなると思います。今後さらに活動が活発になる可能性があります

」(同)


デイリー新潮 2021年1月15日掲載