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2013/07/18

欧米と日本で使い分ける「慰安婦証言」

イ・オクソンと抱き合うドノバン郡長
李は信用できる証言者なのだろうか?

慰安婦の証言が紹介される度に「嘘」だと脊髄反射するネット上の風潮も残念だが、確かに元慰安婦の中には問題のある人もいるし、支援者が「証言」をコントロールしている気配もある。例えば、最近では日本で慰安婦が証言する場合、荒唐無稽な話はしない。初期にはあったらしいが、日本ではいろいろと突っ込みが入るので無難な発言に終始しているようである。あるいは証言者自体も支援団体によって選別されているのかもしれない。ところが、欧米で証言する場合、日本では聞けないような話がしばしば現れる。

イ・オクソンが日本の軍(人)によって拉致されたという話を(アメリカで)語ったのは初めてではない。ただ、二年前の中央日報の記事では、アメリカでの発言とは断定し難かった(前後の文章からその可能性は高いと思われるが)。今回は、確実だろう。朝鮮日報によれば、彼女は「近所を歩いていたら日本軍に無理やり連行された」などとアメリカで話している。また、憲兵が二度と逃げられないようにしてやると言って軍刀を腕や足に打ち下ろしたとも語っている。スパイならいざしらず、なぜ憲兵が慰安婦を拷問するのか?日本では到底通用しない話でも、アメリカでは十分通用する。イ・オクソンの話を聞いてバーゲン郡のドノバン郡長は、涙を流し彼女の肩を抱いたという。

ドノバンにはスミア(中傷)キャンペーンに加担しているという自覚はないだろう

運動家たちは欧米と日本とで証言を(そして時として証言者も?)使い分けている。「欧米では女性の尊厳の問題と捉えられている」「関与があった事は否定できない」などと言っている日本人は、もう少し引いた視点でこの騒動を眺めた方がいい。イ・オクソンは、元々韓国でもこんな話はしていなかったのである(「従軍慰安婦問題を考える/慰安婦証言/李玉善」を参照)

慰安婦:「慰安所はと殺場のようだった」

李玉善さんが訪米、慰安婦としての体験語る

「15歳のとき、近所を歩いていたら日本軍に無理やり連行された。それから3年間いた場所は、人が住む所ではなく『と殺場』だった」

米国ニュージャージー州バーゲン郡庁舎の会議室で15日午前(現地時間)、元慰安婦の李玉善(イ・オクソン)さん(86)が70年ほど前のつらい経験を打ち明けた。李さんは「筆舌に尽くし難い苦痛を被った。家族と連絡を取ることができず、毎日強制的に日本軍人の相手をさせられた。自殺さえできなかった」と振り返った。

慰安所から逃げ出して捕まり、連れ戻されたこともあったという。日本軍の憲兵は「二度と逃げられないようにしてやる」と言って軍刀を李さんの腕や足に打ち下ろした。李さんが袖をまくると、右腕に4-5センチの刀痕が2本くっきりと現れた。

証言を聞いていたキャサリン・ドノバン郡長たちの目に涙がにじんだ。ドノバン郡長は証言を終えた李さんに花束を手渡し、肩を抱いた

李さんは在米韓国人の利益団体「市民参与センター」の招きで訪米。この日、ドノバン郡長の案内で、バーゲン郡の裁判所前に建立された慰安婦犠牲者を追悼する「慰安婦の碑」を訪れた。李さんは花を供えた後、しばらく無言で碑石を見詰めていた。碑石の銅板には英語で「第2次世界大戦の際、日本帝国主義の軍隊により性的奴隷にさせられた韓国と中国、台湾、フィリピン、オランダ、インドネシア出身の数十万人の女性と少女たちを追悼する」と記されている。

この慰安婦の碑は昨年10月に来韓したドノバン郡長が元慰安婦たちと面会し、建立を約束したもので、今年3月に設置された。同裁判所の前には米国の奴隷制度の犠牲になった黒人、ナチスに虐殺されたユダヤ人、英国の収奪に苦しめられたアイルランド人など全世界の人権被害者を悼む碑石が置かれている。

ドノバン郡長は庁舎で李さんを迎え入れながら「韓国での約束を守れてうれしい。李さんを案内できて光栄だ」と語った。李さんは「日本からの謝罪がないことがずっと無念だったが、米国でこんな風に私たちを記憶してくれて感謝する。恨みがずいぶん晴れた」と答えた。李さんは同日午後、ニュージャージー州パリセイズパーク市にある米国で最初に設置された慰安婦の碑も訪問した。


2013/03/10

日本人女性の存在が消されたバーゲン郡の慰安婦碑お披露目


ほったらかしにしていた話題だが、コメント欄で現地紙の記事を教えて頂いたので(量が多くなったので、追ってupする)、3月8日にニュージャージー州バーゲン郡の慰安婦碑のお披露目があった。日本の新聞にも簡単に取り上げられているので、まずは読売の記事から。ハッキリと韓国系の主導だと指摘されている。

韓国系働きかけ、また米国に慰安婦モニュメント

【ハッケンサック(米ニュージャージー州)=加藤賢治】米ニュージャージー州北部にあるバーゲン郡ハッケンサックで8日、いわゆる従軍慰安婦のモニュメント披露式が行われた。


地元の韓国系住民の団体などの働きかけで、郡当局が設置を認めた。

設置場所は郡裁判所の前庭で、郡が管理する公用地。石に埋め込まれたプレート(縦約50センチ、横約70センチ)には、旧日本軍に多くの女性が「性的奴隷を強制された」と記されている。ユダヤ人虐殺や米国の奴隷制などに関するモニュメント4点と並ぶように設置された。

同郡の人口約90万人のうち韓国系住民は約6%で、費用約5000ドル(約48万円)の大半が韓国系住民による寄付金。同郡内での慰安婦モニュメントは2か所目。

読売 2013.3.9

このバーゲン郡の碑は、日本から抗議が押し寄せたという事もあったのだろう、碑文の内容を巡って一時計画が頓挫していると報じられていたが、結局当初の文面通りになったらしい。一昨日の現地紙によると、日本からの抗議は殆ど相手にされていないという事である。

2012年11月ドノバン郡長が署名して碑の建立が決定
結局、碑文は当初の計画通りに

”日本帝国の軍隊によって性奴隷制に強制された数十万の女性”

慰安婦に捧げる碑を詠いながら、日本人女性の存在は無視されている(慰安婦の国籍として上げられているのは、朝鮮・中国・台湾・フィリピン、オランダ、インドネシア)。これは後で紹介する現地紙の記事にも見られるように、「被害者」の多くが朝鮮人だったという俗説が定着してしまっているからである。つまり、慰安婦問題は、朝鮮人の民族受難の物語にすり替えられているのである。

「女性の名誉と尊厳の問題」だと言って外国の反日団体と一緒になって騒いでいる日本人はいい面の皮である。

先月の記者会見の様子(韓国KBN)
背後に韓国系米国人市民参与センターのバナー

右後ろには、ドノバンがナヌムの家を訪問した時の写真
情に訴える戦術に日本は対抗する術がない

CCTVにも慰安婦達が楽しみにしていると語っていた(2月)

先月の記者会見で、ドノバン郡長は、日本政府を非難するものではないと念押ししていた。最近のニューヨーク州議会の決議同様、あくまでも他国の内政・外交問題に干渉するものではない(It is not against government of Japan)という建前を取るのがパターンになっている。こういった工夫で決議採択などのハードルを下げているのである。

またKACEの関係者も、議論の余地があると主張しているのは日本の極右だけで、彼らは日本国民の声を代弁しているわけではないと地元紙に語っている↓ これも政治・外交問題ではないと言いたいのだろう。

Chejin Park, a staff attorney for the group Korean American Civic Empowerment, told NJ.com earlier this year that recognizing the sexual enslavement of women during the war is hardly controversial, and that the opposition comes from a vocal minority of far-right Japanese conservatives. (KACEの弁護士Chejin・パクは、戦時中の女性の性奴隷化には議論の余地は殆どない、反対しているのは日本の極右保守派の少数意見だけだとNJ.comに語った

"They have a loud voice, but they are not representing the Japanese citizens," he said. "Only they are saying it's controversial. It's not. It's a simple historical fact." (「彼らは声は大きいが、日本の市民を代表しているわけではありません」「論争があると言っているのは彼らだけです。そんな事はありません。単純な歴史的事実なんです」と彼は言う

nj.com 2013.3.8

碑の写真を披露するドノバン郡長(3.8)

郡長は、除幕式でもナヌムの家を訪問した時の思い出を披露したというが、こうした情に訴えるやり方が一番効果的であるらしい。それを承知の上で、韓国系の運動家たちはこの戦術を多用している

式には赤旗の記者も立ち会ったらしいが、彼は、慰安婦の多数を占めた日本人女性の存在が抹殺された碑が慰安婦の事実を伝えていると思うのだろうか?

「慰安婦」伝える記念碑

米ニュージャージー州で除幕式

 【ハッケンサック(米ニュージャージー州)=山崎伸治】旧日本軍の「慰安婦」とされた数十万の女性を記憶にとどめようと、米東部ニュージャージー州バーゲン郡に記念碑が設置され、国際女性デーの8日、同郡ハッケンサック市の郡庁舎で除幕式が行われました。

 キャスリーン・ドノバン郡知事と郡議会のデービッド・ガンズ議長ら全7人の議員のほか、韓国系・中国系住民の代表ら100人余りが詰め掛けました。

 式典でドノバン知事は、昨年10月に韓国・ソウル郊外の「ナヌムの家」を訪問し、元「慰安婦」の方々から記念碑設置の快諾を受けたと紹介。2007年に米下院が採択した「慰安婦」決議の共同提案者の一人で地元選出のビル・パスクレル下院議員(民主党)は「『慰安婦』の苦難を思い起こすことで、全世界の人権を守ろうという決意がますます強くなる」と述べました。

 記念碑設置を呼び掛けた住民組織「『慰安婦』記念碑委員会」のドンチャン・キムさんは、記念碑が「人道的罪の被害者を忘れてはならないこと、人権侵害者を許してはならないことを世界に伝えるものになる」と訴えました。

 記念碑は、郡庁舎近くの裁判所前に設置。そこには米国の「奴隷制」やナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)などの犠牲者にささげた四つの記念碑があります。

赤旗 2013.3.10