亡くなった慰安婦に黙祷を捧げる村山元首相
長くバッシングに耐え忍んで来たアジア女性基金だが、この所、国際社会への数少ない(日本は償いをしましたと言い訳する為の)反論カードとしてその存在感を増しつつあるようである。女性基金を評価しないわけではないが、江川紹子のように「関係者はこんなに頑張ってたんです」と感動するだけで終わってはいけないだろう。
日本人慰安婦は事実上想定外として扱われていたし(差別?)、最終的には怪しげな人々に乗っ取られて(善意の人々の意思とは無関係に)かなり胡散臭い組織に成り下がったことなどは秦郁彦が著書の中で明らかにしている。江川は「バラマキという言葉が最もなじまない事業」と言っているが、そんな甘いものではなかったようである。挺対協や日本の一部の市民団体が政治的な理由で基金をバッシングしていたのは事実としても。
亡くなった慰安婦に黙祷を捧げる村山元首相の脳裏にはどんな慰安婦像が浮かんでいたのであろうか?産経新聞の阿比留瑠比記者は、このように証言していたが・・・。
筆者は12年10月、元慰安婦に一時金(償い金)を支給するアジア女性基金の理事長だった村山富市元首相にインタビューし、こう問いかけたことがある。「慰安婦の多くが日本人だったことはどう考えるのか。今後は、日本人も一時金の支給対象とするつもりはあるのか」
すると、それまで能弁だった村山氏は「うっ」と言葉に詰まったきり、何も答えられなかった。同胞の元慰安婦のことなど、それまで意識になかったのだろう。
産経 2014.2.12
アジア女性基金の資料集を出版 記念会に村山元首相ら
旧日本軍の元慰安婦に「償い金」を支給するなどの活動をした財団法人「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」(2007年解散)の活動内容を記録した資料集がこのほど出版され、9日、東京都千代田区で出版記念会が開かれた。基金の関係者ら約50人が出席した。
冒頭、基金理事長を務めた村山富市元首相があいさつし、「アジア女性基金がどのような役割を果たし、世界からどのような評価を受けているのか検証することが必要だ」と述べ、政府と国民の協力で進めた元慰安婦への「償い事業」の再評価を訴えた。
副理事長を務めた石原信雄元官房副長官は、韓国で基金の活動が世論の批判を受け、元慰安婦の多くが償い金を受け取らないまま終了したことに触れ、「残念でならない。日韓両国で何らかの形で克服されなければならない」と述べた。
基金は河野談話を受けて1995年7月に発足した。首相によるおわびの手紙と国民の寄付から償い金200万円、国費から医療福祉支援事業として120万~300万円を元慰安婦に支給した。
刊行された資料集は「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」(村山富市・和田春樹編、青灯社)。基金解散後、活動を伝えるためにウェブ上で公開されていた同名のサイト(http://awf.or.jp)を収めた。ウェブ版は日本語、英語で公開され、今年7月には韓国語でも公開された。
朝日 2014.11.9