2014/11/06

国際社会に理解されそうにない次世代の党「強制連行は無かった」

日本人以外には意味が通じない

もしも次世代の党が国内での論争だけを考えているならそれでもいいが、「いわゆる従軍慰安婦の問題を巡り・・・国際社会から正当な評価を受け」たいと考えているなら、まず強制連行という言葉を使うのを止めるべきではないのか?ジャパン・タイムズの最近の記事(The uncomfortable truth about ‘comfort women’)を見ても分かるように、外国人は日本人(特に日本の右派)が何を否定しているのか、まったく理解出来ないでいる。この記事でも強制連行を— forced transportation(強制的な移送)と訳している。で、例によって「オランダ人女性が・・・」という話になっている。

次世代の党 慰安婦問題で決議案

次世代の党は党の総務会を開き、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡り、朝日新聞が一部の記事を取り消したことなどを踏まえ、国際社会から正当な評価を受けることができるよう、政府に取り組みの強化を求める国会決議案をまとめ、今の国会への提出を目指す方針を決めました。

次世代の党は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡り、朝日新聞が一部の記事を取り消したことなどを踏まえ、日本の立場を改めて明確にし、国際社会に発信する姿勢を国会が示す必要があるとして、4日の総務会で独自の決議案を取りまとめました。
決議案は「政府が徹底した調査をしたにもかかわらず、旧日本軍や官憲による、いわゆる強制連行を示す証拠が見つかっていないことを改めて確認する」としています。

そのうえで、決議案は、客観的な事実に基づく正しい歴史認識が形成され、日本の取り組みに対して国際社会から正当な評価を受けることができるよう、政府に対し、関連史料を外国語に翻訳して情報公開に努めるなど、国際社会への働きかけの強化を求めています。

次世代の党は、自民党などに賛同を呼びかけたうえで、今の国会への提出を目指す方針で、山田幹事長は記者団に対し、「決議案は政府のこれまでの国会答弁を踏まえた内容であり、自民党などの賛同を得て可決を目指したい」と述べました。

NHK 2014.11.4

次世代、「慰安婦強制連行なかった」対外広報強化要求も 国会決議原案まとめる

次世代の党は28日、慰安婦の強制連行はなかったことを確認する国会決議原案をまとめた。山田宏幹事長は記者団に「日本軍による強制連行があったという証拠がなかったことを確認し、その確認のもとに日本の対外広報をただしていく内容だ」と説明した。山田氏は「同じような志を持った国会議員や政党に対して(採択へ向けた)働きかけをしていく」とも強調した。

産経 2014.11.4



追記: 次世代の党は12月の衆院選で大敗。衆院での勢力は19から2へ。

・・・慰安婦問題は首相が重視してきた課題だが、足下の自民党では大きなテーマにはならなかった。首相と次世代は「保守」という共通理念の下、与野党の立場を超えて役割分担してきたといえる。首相が目指す憲法改正でも、足並みをそろえたいところだった。次世代の後退は、政権にとって野党からの側面支援を失うことになりかねない。

落選した次世代幹部は寂しげにこうつぶやいた。

「いったいだれが国会で慰安婦問題を聞くの? これから安倍政権は漂流していくよ」

産経(一部) 2014.12.21

19 件のコメント:

  1. 日本の記者クラブもアメリカのメディアも、この問題をロクに検証せずにヨタ記事を飛ばしているんだから、次世代の党が党として決めたこの決議、これはこれでいいいんじゃないでしょうか。「あれ、俺たちどこかで理解を間違ったかな」と思わせるなら、それはそれでいいと思う。
     どうせ、国会で社民党や共産党が食いついてくるに決まっているんだから、強制連行云々はそこで煮詰めた議論をすればいい。
     今は、何もしないことの方が問題だ。

     強制連行の英語ですが、これは forcible round-up, taking away by force(under coercion by Japanese Army/Authority)など、翻訳サイドで少し気を使うべきだと思いますが。基本的に、ケトウどもが朝鮮人女衒の存在と年季奉公としての合法売春を理解していないことが問題なのだ。

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  2. ちなみに、私は、女衒はwhoremongers 年季奉公としての岡場所勤めはindentured prostitutionを使うようにしています。

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  3. 「強制連行を示す証拠」
    There is no evidence that backs up (supporting) the forcible round-up by the Japanese Army or Authorityでしょうねえ。

    round-upというのは、囲い込んで紐で自由を奪い無理やり連れて行くことで、アフリカで実際に白人どもがやっていた「奴隷狩り」だから、意識して使ってやりたい。

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  4. 連投失礼:

    だいたい、日本にいる外人記者クラブの連中は駐在が長いくせに、ろくすっぽ日本語を解さない不出気者揃いなんだから、叱り飛ばしてもいいくらいだと思いますよ。「てめーらヨタ記事飛ばしやがって、もっと勉強しろ!」と。

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    1. さすがに英語の専門家は上手に訳されますね。日本の政治家も、英語のプロのアドバイスを聴いて表現に工夫してもらいたいものです。

      私は、個人的には拉致・誘拐を連想するような表現を避けています。必ずといってもいいほど、スマラン事件を持ち出して来ますから。もちろんスマラン事件は規則違反のケースですが、説明が複雑になるので、法律に基づいた徴用ではなかったの一点で説明しています。

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    2. >次世代の党が党として決めたこの決議、これはこれでいいいんじゃないでしょうか。

      もちろん次世代の党の意気込み、決議自体は評価しています。素人(外国人)にも正確に意味が通ずる表現を用いてもらいたいというだけで。

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    3. 近年外国人記者クラブの質の低下はひどいものらしいですね。取材しないで、気を引きやすいネタ(例の元放送作家女性東京都議みたいな)がくるのを待っている。
      その点マイケル・ヨン氏のような本物のジャーナリストは、自分の足で情報を稼いでいる。

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  5. Indenturedの訳について気になったのですが。。。。
    下記の記事によると、日本の徒弟制的な年季奉公をさすというより、西洋の奴隷的奴隷労働を指すとあるので、却ってマイナスの意味になるということはないのでしょうか?
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E5%AD%A3%E5%A5%89%E5%85%AC

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    1. その記事の解説はおかしいと思いますよ。indentured prostitutionはC. Sarah Soh のThe Comfort Womenで使われている用語で、「身売り」に相当する良い表現だなと思って使うようにしました。この本は、私も通読しましたが、きちんとした学術書です。
       indentured は「年季明け」が有ることが前提の徒弟奉公です。奴隷労働ならslave laborであって、主人のもとに売られてくるので、自分で自分を買い戻さない限り解放されません。

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  6. 追伸:

    南北戦争以前の奴隷については、私もずいぶんと調べたことがあるのですが、「自分で自分を買い戻す」」と云っても、基本的に奴隷身分の者に賃金は払われず、労働対価は現物支給ですから、「買戻し」は事実上ムリで、身分が子々孫々まで固定されることになります。

    南北戦争で奴隷がいなくなるまで、2世紀ぐらいだったか、アメリカには黒人奴隷がいたわけですが、それこそ黒人を縄で数珠繋ぎにする形でアフリカ内部から連れ出し、いったん海岸の奴隷城に留め置いて、それから奴隷船で新大陸沿岸に運んできて、天然痘のような病気や栄養失調で死ななかった者らを海岸の市場で叩き売っていたわけです。奴隷城は今のコートジボアール・ガーナ・ナイジェリアなどで見ることができます。

    海岸の「奴隷市場」は、アメリカ南部沿岸の都市はどこもそうですが、中でもサウスカロライナ州のチャールストンやルイジアナ州のニューオーリンズが著名でした。一人幾らと税金をとる税関があった関係で、規模も大きく、奴隷市場はほぼ通年開かれていましたから。南部の産業は藍玉とコメ、次がタバコ、そして綿花に移行してから奴隷が爆発的に増えた。

    これとは別に、ヨーロッパから自由身分の白人がくるルートがあって、前借りした渡航費の返済や手に職を得るために一定期間、工場や農場で働くという制度に乗っかって新大陸に来る連中がいた。これがindenture(年季奉公)の制度です。ニューヨークやデトロイトがそうですが、北部で造船・鉄鋼など産業革命が進み、五大湖周辺で農地が開かれ、水上交通の港や鉄道駅ができてくると、ヨーロッパの白人の移民が盛んになった。

    「奴隷身分」とはどういうものか、については、教育を与えてはいけない、賃金を与えてはいけない、アメリカ市民権を与えてはいけない、白人を訴えることはできない、処罰は持ち主が与えていい(つまり、極端にいえば、殺されても遺族は訴えられない)など、細々と州法で決っていて、奴隷法を持っている州を奴隷州slave states、奴隷法のない州を自由州free statesといいました。奴隷廃止を訴える共和党からA・リンカンが大統領になったので反発した奴隷州が連合を組んで合衆国連邦から脱退、そのため分裂した合衆国を再統合しようとして始まったのが南北戦争です。

    ですから、南北戦争の本質は「祖国再統一戦争」であって、日本で言えば西南戦争のバカでかいやつです。ただ、北軍が南部に進軍していくと、そこに農園があって奴隷がいる。占領して捕獲した「敵産」をどうするか、ということが問題となり、北軍の指導部は人身は持ち主(slave holder)との関係(bondage)を断ち切って自由身分にするという決定をした。

    それで、南部の地が全て北軍の手に落ちることによって、一応、合衆国から奴隷はいないことになった。同時に、プランター(農園主)は奴隷という財産を失い滅んだので、戦争をやっているうちに一階級が滅ぶという革命戦争になった、ということです。

    上記の事情を見れば、indentured laborとslave laborの違いは歴然としていると思いますが、どうでしょうか。

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    1. いろいろと教えて頂きありがとうございます。
      わたしも英語関係の仕事をしているもので、特にindenturedの意味が気になったのです。
      私が知りたいと思ったのは、辞書的な解釈というより、現代の欧米人がindenturedと聞いてどのように感じるかということです。お時間がございましたらお付き合いください。

      資料1:
      http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1172367181
      これは多分、喪黒様のおっしゃる「ヨーロッパの自由身分の白人・・・」に該当すると思います。これを読むと、多くの若いヨーロッパ人が、自由と仕事を求めて新天地アメリカに向かう姿が想像できます。(親が前金をもらっていたとしても、それ以上の自由な未来が想像できそうです。)

      一方、
      資料2:
      https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B4%E5%AD%A3%E5%A5%91%E7%B4%84%E7%A7%BB%E6%B0%91-1193879
      こちらの資料では「被誘拐者」も含まれる旨の記載もあり、年季明け後に自由になれるものの、無理矢理「誘拐された」人達も含まれる意味にとれます。

      また、
      資料3:
      http://www.kousyoku.net/topics/?cate=1&id=20130731192909
      ここでは日本人側が「indentured servantでなく、売春婦」と言っていますし、
      資料4:
      http://bridge-english.blogspot.jp/2013/12/blog-post_14.html
      ここに色々出てくるindentureの使い方は、ネガティブに感じます。

      日本語での「年季奉公」は、手に職のない若者が親方のもとで修行を積みながら一人前になるというプラスのイメージがあり、資料1でもヨーロッパの若者が新天地で働きながらやがて農主となるというプラスのイメージがあります。
      一方、資料2以下はそうでもないマイナスなものも感じられます。
      かといって、indentured prostitution 以外に慰安婦の実態を表す単語があるかといえば、私も思いつかないのですが。。。
      時々、英語のサイトに慰安婦問題でコメントすることもあるので、気になります。

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    2.  あなたが、どうしてもマイナスに感じる、でも、それ以外に対案がないなら、私のほうも処置なしですから、奴隷労働と受け取られないよう、indentured prostitutionを使うときは、これはこういうものだと少々の解説を加えるべきでしょう。

       私も際限なくおつきあいはできません。

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    3. 私のみがマイナスに感じるというより、他でもマイナスとして捉えられている例を挙げ、この文言について本当にそうなのかと疑問を呈し確認したかっただけです。
      しかし、どうも反感をもって受け止められているようですね。
      これ以上は無駄ですので失礼します。

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    4. 横からで恐縮ですが、私は常々欧米人に慰安婦(公娼)のシステムを説明するのにIndentured servantを例にするのが良いのではないかと思っていました。この場合のIndentured servantとは、貧しい白人が新大陸に渡るのに、船賃の代わりに一定期間奉公人として働く契約を結ぶというものです。実際にはIndentured servantにはもっと幅広い意味があるようなのですが、英語版のウィキペディアでも冒頭にイギリスやドイツ人のアメリカ植民地への渡航の話が書かれているので、アメリカではこれが主たるイメージなのかなと。

      ただし、権利を売り買いされるなど、日本の公娼制度と必ずしも一致しないと思われる部分もあり、単純に同一視すべきではないかもしれません。外国人がどう感じるかも結局の所、ネイティブに聞いてみなければ分からないですし。

      Indentured servantは合法的なシステムでありましたが、誘拐のようなケースは制度の中で許容されたものだったのか、それともルール違反のケースだったのか。ルール違反であれば、慰安婦の中にも本来なら許されないはずのケースが混じっていたわけで・・・。

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    5. (コメントの途中でblogspotに暫くアクセス出来なくなってました)

      なんにしろindentured(prostitute)あるいはindentured servantと聞いて英語圏の人々がどういう印象を受けるかも考え、用心してこういった言葉を使用する必要もありそうです。

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  7. https://twitter.com/Hazama_Hisatake/status/530846271787917312/photo/1
    の冊子の画像を見て、右のは妓生の皇軍慰問袋献納の時のもの。
    真ん中のは、ビルマミッチーナの捕虜収容所での聞き取りの時のもの
    ちょっと知ってる日本人ならすぐ理解できるのに、
    欧米の人らは騙されちゃうんでしょうね。

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    1. これ作ったのは韓国系のアメリカ人ですけどね。韓国のネットでも、この写真しばしば慰安婦の写真として使われているようです。

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  8. 山路 敬介2014年11月9日 6:04

    hazamaさんがおっしゃるように、確かに米国の誤解に対する発信という面ではいまいちでしょうね。
    次世代としては河野談話が米国における誤解のガンだと考えていたワケです。
    そこで、当初はある程度のショックやリスクを冒してでもこれを国会決議で撤回させよう、と運動していたのが山田議員や杉田議員などですね。
    しかし、これには自民党がついてこない。で、次に考えたのは新談話の発出ですが、政府に要望してもどうも、のれんに腕押しのような状態です。
    そこで国会で決議出来やすくするため、(自民党の同意を得られるように大分根回ししたようですが)ということで、「いわゆる強制連行」の否定という、一見しょぼい結果になりました。
    ですが、ここにも一応しかけがあって、「いわゆる」の中に、朝日の検証記事のなかでも否定されていない、あるいは歴史学会などの主張する「広義の強制連行」潰しが含まれているようです。
    「いわゆる強制連行」の否定が決議されれば、次は河野談話後に河野が記者会見でもらした「河野発言」の取り消しをせまります。
    (ここらへんまでは政府と歩調をとっているように見受けられますが)

    また、対米関係の発信についても、いちおうの戦略は練られていて、桜内議員と吉見教授の間の訴訟において有利な方向に向いていますから、「性奴隷」問題について何らかの収穫を得たうえで、「いわゆる強制連行」の否定決議と合わせて発信する方がベターだろう、との考えらしいです。(成果は、どういう発信の仕方かによると思いますが)

    とにかく一番の目的は国際刑事裁判所における「人道の罪」に該当するのだけは避けなければ、という事だそうです。
    当初、河野談話の否定を金科玉条にしていた頃よりも、長期的な戦略に変わっています。

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    1. >当初、河野談話の否定を金科玉条にしていた頃よりも、長期的な戦略に変わっています。

      マイク・ホンダ等が河野談話を根拠に非難→河野談話の撤回
      強制連行(拉致)説の浸透→強制連行の否定
      性奴隷言説の広まり→性奴隷を否定

      いずれも対処療法で、根治療法とはなりえないのでしょうが、今は他にやり様がないですからね。何もしないわけにはいきませんし、壁にぶつかる度に戦い方を学んでいるのが現状なのでしょうね。

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