2014/08/24

元女性基金理事による挺対協批判 (下村満子)


凧さんが、文字起しして下さったのでご紹介(ありがとうございました)。冒頭部は書き足した。

アジア女性基金の理事であった下村満子が、挺対協に対する不満と内幕を暴露している。日本人にとっては目新しい話ではないが、外国特派員協会辺りでぶちまければ、多少日韓関係の改善に役立つのではないか?その方が、韓国政府もありがたいだろう。

秦郁彦は、実はアジア女性基金に批判的で、著書の中で「問題は・・・関係者のほとんどが不満足な気持ちを捨てきれず、対決ムードが充満するなかで、見切り発車した点にあったろう慰安婦と戦場の性 p.289)」と批判しているように、混乱の原因は基金側にもあると考えているが、ここではその事については黙っている。挺対協がモンスター化し、韓国政府から当事者能力を奪っているという点では両者同意している。なお、日本には反基金派もいて、先日朝日新聞が女性基金を評価したことに(下村も言っているように、朝日は転向組)、wamが「朝日新聞が相変わらず『女性のためのアジア平和国民基金』を評価していることには、失望を禁じえません」などと声明を発表した。挺対協のシンパは日本国内にもいる。

「わたしが怒りを感じたのは、この慰安婦の人権だとか色んなことを言いながら、(挺対協は)実は彼女たちの人権とか一切考えてなくて、200年戦争だって言うんだから」と下村。




小西美穂キャスター 「慰安婦問題を巡って日本政府としてはどういう対応をしてきたのかと言いますと、こちらの年表にあります1995年なんですが、元慰安婦に対する補償を行うアジア女性基金、正式名称は女性の為のアジア平和国民基金というのですが、こういう民間の団体を設立しました。このアジア女性基金は、韓国を含め数カ国の元慰安婦に対して、当時の橋本総理大臣によるお詫びの手紙の手渡しや国民の寄付から一律200万円の償い金の支給などの償い事業を行って来たということなんですけれども、下村さんはこのアジア女性基金の一員として業務に関わったおられたということなんですが」

下村満子 「一員というか、理事なんですが、呼びかけ人でもあったのですが」

小西美穂キャスター 「韓国の慰安婦に対する償い事業はうまくいかなかったということなんですが、どういう状況で、どうしてそうなったのか」

下村満子 「お時間がないので、簡潔に申し上げますけどね。さっきちょっと私言わせてもらったように、現実に、しかも名乗り出るということ自体が出すね、やはり韓国の社会の中では、日本兵に身を売った女とかね、もう汚い女とかね、韓国の中でも親戚づきあい出来ない、そういう女性たちというか、みんなが名乗り出で来ているわけじゃないですよね。名乗り出るにはよほどの勇気と、非常に困っているとか。それと償い事業は、国民の200万円の寄付と政府が税金から・・国家賠償を請求されると言っても、国家賠償日韓条約でもう終わっていると言うことでそれは絶対にできないと言ううことで、医療福祉費、あの医療とか病気を治すおカネと言うことで、道義的責任ということで出したんです。合計500万円なんですが(1995.7設立)それをね、それはまぁ不完全でありね、向こうも十分ではない、国家賠償、絶対だと言い続けていたし、日本はそれはできないと言うことで、そこが不幸の始まりではあったんですが。

私はもう朝日新聞はもう辞めた後ではありましたけど、朝日新聞はどちらかと言うと国家賠償と言うような立場だったけど、私はどう考えたってそんなものは成立するはずがないし、少なくともお婆さんが生きている間、お婆さんというのは慰安婦のこと、おばあちゃん。絶対、生きている間、どうせならば命ある間にね、少なくともとにかく困っていて、その日の・・・ほとんど皆さん貧しい。喉から手が出るように必要なんですよ。その方たちにね、せめて500万円だろうがなんだろうが手渡したいという意志でやったんですよ。

で、さらにそのおカネだけじゃなくて、さっきおっしゃった総理のお詫びの手紙。これは橋本さんだけじゃなくて、小泉さんにいたるまで。で、それは私が実はお渡ししたときに、もう皆さん、ワーーっと号泣してね。もう、これだけで十分ですと。もう親戚縁者にこれを見せればね、お墓にも入れてもらえる。おカネよりこれだって方が多いくらい感動して日本。わたしはもう本当にね現場で一緒に抱き合ってね泣いてっていうことが結構あったんですね。そのぐらい私は逆に言えば日本は真面目に、一生懸命にねやれる範囲でやったと。

それを、挺対協という先ほどから出ている慰安婦を、なんて言うんですかなんて言うの、慰安婦を保護して慰安婦の権利を主張する代弁者ですね。代弁者の団体の人たちが絶対に受け取るなとかね、受け取ったら将来、国家賠償が2000万円取ってやるのに、そのお前たちはもう権利がなくなるとか。もう嘘はっぱちを、ごめんなさい、嘘はっぱちと言うか。そう言うことを。で、おばあちゃんたちはもう、学問もないし分からないですよそんなことね。そしてしかもかなり逆に強制的に管理されていて、これを受け取りたいと言う方がいっぱい居ても、これを受け取ったら政府から出ている一種の生活保護も全部ストップするとかね。そう言うことをしたんですね。で、私は死んでも受け取らないと言う人は結構ですが、受け取りたいという方を妨害するのは、まさに人権問題じゃないんですかと。すごく(やりとりが)あったんです。これは台湾もそうでした

ところが、私の感じから言うと、この方たち(挺対協)は慰安婦をタテに取って、慰安婦というこの方たちを利用してね、ハッキリ言って慰安婦のおばあちゃんの方たちのことなんか、ぜんぜん考えてないんですよこの方たちは」

玉井忠幸キャスター 「そうすると政治運動に」

下村満子 「そう。政治運動というか反日運動の」

玉井忠幸キャスター 「に、引きずられて元慰安婦の方たちの想いが、こう置き去りにされてしまったと」

下村満子 「そう、まったくそうです」

玉井忠幸キャスター 「と言うことになるわけですね」

下村満子 「だから、受け取りたいって方には、もうどんどん今、死んでいて、あの頃の方たちもほとんど亡くなっています。その方たちがせめてね、わずかでもこれによって少しはその生活が」

玉井忠幸キャスター 「その韓国の元慰安婦である方たちが、そういう状況、想いであることを、たとえば韓国政府とかあるいは韓国の世論というのは、きちんと理解できていないと言うことなんですか」

下村満子 「できていないですね。政府は分かっていますが、政府はこの挺対協が怖いんですよ。日本と一緒でやっぱりその世論とかね、それとか新聞にどう書かれるとか。だんだん弱腰になってきて。最初このアジア女性基金はご存じだと思いますが、両国の政府がほぼ合意してこれで良かろうということでできているんですよ。韓国政府とも実は、それは書いてありますよね今度の新聞にも。私たちもそう聞いていました。ところが開けてみたら挺対協がもう断固反対とかね。言い出した政府が弱腰になって挺対協の側について。挺対協がオーケーすればいいけど、そうじゃない限りみたいなことを言い出して。まぁわれわれはもう本当に、なんなのコレと。で、一番、わたしが怒りを感じたのは、この慰安婦の人権だとか色んなことを言いながら、実は彼女たちの人権とか一切、考えてなくて200年戦争だって言うんだから。おばあちゃんが死のうが生きようが関係ないんだと。われわれは戦う、200年戦争をするんだとハッキリおっしゃった方も居るくらいですから。私は、今まで言わなかったんです。こういうことはね。やっぱり言ってはいけないと思ったけど、私はやっぱり今の日韓関係がこんなになったのは、確かに先生(秦)がおっしゃるように最初のスタートラインは吉田証言とかね、そういうものに飛びついてそれを非常に大きく報道したりとか、それはあったかもしれないけど、今は全部、分かっていながら、それをもうフルに利用して反日運動の道具に使っているというのは、ま、どっちもどっちと言えばどっちもどっちだけど、政治問題化をすごくしていて、本当にお婆さんたちの立場には立って居ないんです。

小西美穂キャスター 「秦さん、どうですか。本当のその癒されるべきおばあさんたち、その女性たちの立場に立っていないような政治問題化してしまった愚かさみたいなところを指摘されているんですが」

秦 「これはもうね、挺対協というのは今やモンスターなんですよ」

下村満子 「そうですね」

秦 「韓国政府の高官が言ってるんですね」

「わが国ではこの問題に関する限り絶対的な拒否権は挺対協が持っている

下村満子 「そうです」

秦 「だからいくら韓国政府と交渉してですね」

下村満子 「だめなんですね」

秦 「話がまとまってもダメなんです」

下村満子 「情けないじゃないですか韓国は、自分の国のそういう運動をねぇ」

秦 「おまけにですね今度は韓国の司法部、裁判所がまたね」

下村満子 「あ、そうそう」

秦  「これ政府が結んだ条約もダメだって平気で言うでしょ。だから端的に言いますと、いまや韓国政府は当事者能力がないわけです」

下村満子 「そうです」

秦 「だからそれについて、なんとかしようと思っても、わたしは見込みがないと。何をやってもですね。だから今そのまだ慰安婦を救えとかなんとか言ってますよね

下村満子 「だってもうほとんど居ないんですよね」

秦 「もう、ほとんど居ないんですけどね」

下村満子 「あのとき一番若かった人でも85歳ぐらいですから」

秦 「そうなんですね」

下村満子 「当事者が居なくて運動だけが残るんですかね。だからこう銅像を立てたりとかね」

秦 「いろいろやってますね」

下村満子 「いろんな形にして」

秦 「そうなんです。それで朴大統領もね日本人の顔を見るたんびに言うわけでしょ、慰安婦問題を善処しろとね。じゃあどういう要求なのかと」

下村満子 「まったくそう」

秦 「ぜったい、言わないんですね。つまり言いようがないんですよね。だからその日本側から知恵を出してくれと言うことだろうと思うんですよ、わたしの推測ではね」

下村満子 「アジア女性基金」

玉井忠幸キャスター 「活動されてきたアレで言うと、日本が新たに知恵を出す余地っていうのは何か考えられますか?」

下村満子 「まぁ、実はアジア女性基金の元理事たちと、実は最近こんな風になってきて、われわれのあの15年はなんだったんだろうと。もう命がけで一銭のお金もいただいてるわけじゃないんですよ、ボランティアで。むなしくなって全部、暴露するインタビューをしようかなんて、インタビューじゃなくて記者会見をしようかなんてジョークを言ってますが、あの、これ以上の、これ以上のものはこれからはできないでしょうと言うのが。あの、あのときだからねできたんで、しかもほとんど当事者が居なくなってるんだから、お渡しのしようもないわけですね。挺対協にそんなおカネを渡したって謝ったってしょうがないわけで

秦 「だから、挺対協もね、だからおカネは出しなさいと追加でね。出しなさいと。そのおカネもですね筋の通らないカネじゃなくて国会で議決してとかね、それからお詫びもね誠意のこもったね、総理大臣なり国会決議とかね」

下村満子 「だからね、壊れたレコードみたいにおんなじことの繰り返しなんですね。だから私は正直、あのどうしたらいいかと言うときに、まぁ、二つあって、一つはもう放っとけと。もう両方がどん底まで行ったら嫌でも反転するからと言うのが一つと、同時に、もう戦争を知っている世代ではない新しい若い世代が過去のこの不幸な歴史をですね、70年前に時計を戻すことはできないんですよ。どうしろと言われたって、謝れとか処罰せよと言われたって。だからこれをね、本当により良い日韓関係を作るために次の世代がね、もう戦争のそういうことと関係のない世代が本当に知恵を出してやっていただくしかないんで、しばらくはあの」

秦 「ただね、向こうの人でもねちゃんとものの分かる人が居るんですよ。そういう人が発言するとね、袋だたきに遭うんです。

下村満子 「そうそう」

秦 「親日派だーって言う一言でね。だからこの前も首相候補で就任するかと思われたら、これ親日派だと誰が言い出した途端にですね、もう本人も辞退と。だから親日派はね学者でもなんでも呼び出されてですね、挺対協の前で土下座させられて殴る蹴るなんですよ。ですからわたしはね、これどうしようもないからね、向こうからですね、あのちゃんとねこう冷めた気持ちになって、それで日本はいつでもドアは開いていますと言う」

下村 「ただ先生ね、一方において日本にもせっかくこう。また引っくり返すようなことを言う閣僚なんかもときどき出てくるんで」

小西美穂キャスター 「これだけでは時間がちょっと短いのは大変恐縮なんですがココでお時間となりました今日はありがとうございました」