安倍総理の真の狙いは河野談話の撤回ではなく、新談話だろう。これは短命に終わった第一次内閣の時から変わっていないのだと思う。安倍総理は慰安婦の境遇に同情していると表明しており、この前提で河野談話の曖昧さを補うような談話を発表出来れば、問題はないはずである。
河野談話の撤回も行わないと明言しており、内容も確認せずに新談話に反対する大儀などないはずだが、政治的に反対している人たちはどんな理由をつけても反対する。よって、実現するかどうかは不透明である。朝日新聞はさっそく「萩生田氏の発言への日本政府の対応しだいでは韓国側が今後、反発を強める可能性がある」となんだか落ち着かない様子。
残念なのは、民主党の海江田代表。「新たな談話を出すということなら・・・(河野談話を)『全面否定する』ことになる」と難癖。一度は国民が国を託した民主党だったが、貧すれば鈍するとはこのことか。
「河野談話の検証次第で政府が新談話も」
自民党の萩生田総裁特別補佐は東京都内で記者団に対し、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る河野官房長官談話に関連して、政府による作成過程の検証の結果、事実と異なる部分が明らかになれば、政府が新たな談話を出すことはあり得るという認識を示しました。
いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って、政府の謝罪と反省を示した平成5年の河野官房長官談話について、安倍総理大臣は今月14日の参議院予算委員会で、「安倍内閣で河野談話を見直すことは考えていない」と述べています。
これに関連して自民党の萩生田総裁特別補佐は、23日東京都内で記者団に対し、「菅官房長官は、『河野談話の作成過程の検証作業は行う』と繰り返し言っている」と述べました。
そのうえで萩生田氏は、「検証の結果、談話の中身と事実とで違うものがあれば国民に知らせるべきで、新たな談話を出すことは全然おかしくない」と述べ、河野官房長官談話の作成過程を検証した結果、事実と異なる部分が明らかになれば、政府が新たな談話を出すことはあり得るという認識を示しました。
河野談話検証「新たな談話も」 首相側近の萩生田氏
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は23日、安倍政権が進める河野談話の作成過程の検証について、「新たな事実が出てくれば、その時代の新たな政治談話を出すことはおかしなことではない」との考えを示した。都内で記者団に語った。
萩生田氏は安倍晋三首相の側近。安倍首相は河野談話の見直しを否定しているが、萩生田氏は「首相は河野談話を継承すると言っている。矛盾はない」と強調。「河野談話の中身と事実で違うものがあれば、国民に知らしめるべきだ」と語り、新たな事実が出てきた場合は、河野談話の見直しではなく新たな談話を発表すべきだと主張した。
一方、民主党の海江田万里代表は23日、宮崎県小林市で記者団に「安倍首相の言っていることと違う。首相は『河野談話を守る』ということだから、新たな談話を出すということなら、『守る』というより『全面否定する』ことになる」と述べ、萩生田氏の発言を批判した。
韓国外交省は23日、「安倍首相が河野談話を修正しないとはっきり言及したのに、自民党総裁特別補佐がこれを否定する見解を表明したことは非常に不適切であり、容認できない。発言について日本政府のはっきりした立場表明がなければならない」とのコメントを発表した。
韓国政府が25日に予定されている日米韓首脳会談に応じたのは、安倍首相が河野談話を見直さないと表明したことが一つの理由になっており、萩生田氏の発言への日本政府の対応しだいでは韓国側が今後、反発を強める可能性がある。
朝日 2014.3.23
韓国政府はやはり反発。河野談話では日本軍慰安婦しか救われない。今度は韓国軍の慰安婦についてもカバーしてやればいい。韓国政府が反対する理由はない。とはいえ、このタイミングで萩生田総裁特別補佐が新談話の件を公言したのは、正しかったのかどうか。これはまた別の問題。
「新談話」発言巡り韓国政府が反発
自民党の萩生田総裁特別補佐が、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る河野官房長官談話に関連して、政府が新たな談話を出すことはあり得るという認識を示したことについて、韓国政府は「容認できない」として強く反発しています。
自民党の萩生田総裁特別補佐は、23日、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って、政府の謝罪と反省を示した河野官房長官談話に関連して、政府による作成過程の検証の結果、事実と異なる部分が明らかになれば、政府が新たな談話を出すことはあり得るという認識を示しました。
これについて韓国政府はコメントを出し、安倍総理大臣が今月14日の参議院予算委員会で、「河野談話を見直すことは考えていない」と述べたことに触れたうえで、「自民党の総裁特別補佐である人物がこれを否定する見解を表明したことは不適切だ。非常に遺憾であり容認できない」と強く反発しました。
そのうえで、「この発言について、日本政府の明確な立場の表明があるべきだ」として、日本政府に対し見解を示すよう求めています。
日本時間の26日未明には、オランダのハーグで日米韓3か国による首脳会談が行われ、韓国のパク・クネ大統領と安倍総理大臣は、就任以来初めて直接、会談を行います。
河野談話を見直す考えがないとした安倍総理大臣の発言は、首脳会談を拒んできた韓国政府が、今回、会談を受け入れた大きな要因となっただけに、韓国側が強い不快感を示した形です。
NHK 2014.3.24
慰安婦:安倍首相側近が新たな談話発表の可能性に言及
韓国外交部「容認できない」
日本の安倍晋三首相の側近で、自民党総裁特別補佐の萩生田光一議員が、「河野談話」に代わる新たな談話を発表する可能性について言及した。河野談話とは、1993年に旧日本軍の慰安婦強制動員を認め謝罪した談話だ。
萩生田議員は23日の記者懇談会で「河野談話の検証の結果、その内容が事実と異なることが分かった場合、国民に知らせなければならない。新たな談話を発表するということは、全くおかしなことではない」と述べた。また、萩生田議員はこの日、テレビ番組にも出演し「新たな事実が判明した場合、新たな談話を発表することになる」とも述べた。萩生田議員の発言は事実上、河野談話に代わる談話を発表する可能性に言及したものといえる。
安倍首相はこれまで、河野談話の見直しの可能性に言及してきたが、国際社会の圧力が強まったのに対し、最近「河野談話を見直す考えはない」との意向を表明した。これをきっかけに、今月25日にオランダで韓米日首脳会談が行われることになったが、会談が実現することになるや、またも前言を撤回したとも取られかねない。
これに対し韓国外交部(省に相当)は「安倍首相が今月14日、河野談話を見直すことはないと明言したにもかかわらず、自民党総裁特別補佐を務める人物がそれを否定する見解を表明したことは、きわめて不適切な発言であり、とても残念で、容認することはできない。日本政府のはっきりとした立場の表明がなくてはならない」との見解を表明した。
朝鮮日報日本語版 2014.3.24
で、菅官房長官は萩生田慎重な発言を促し、新たな談話の可能性を否定した。誤解されるというより、迂闊な発言は敵に利用される。
萩生田氏に「誤解される」 菅長官、慎重な発言を促す
菅義偉官房長官は24日、慰安婦問題をめぐる河野談話の検証を受け新たな談話を検討すべきだと表明した自民党の萩生田(はぎうだ)光一総裁特別補佐に、電話で「誤解される」として慎重な発言を促した。
産経 2014.3.24
河野談話の検証で新たな談話を出すことはない=菅官房長官
菅義偉官房長官は24日午前の会見で、河野談話の検証で新たな談話を出すことはないとの考えを示した。
萩生田光一自民党総裁特別補佐が河野談話の検証に関して、新たな事実が出てくれば新たな談話を出すこともあり得ると発言したことに関して菅官房長官は「河野談話を検証するが、見直しに及ぶことはありえない」と述べた。さらに新たな談話を出すかとの質問に「そこもあり得ない」と否定。萩生田氏の発言は個人的なものだとの認識を示した。
安倍晋三首相が検討している戦後70年の談話に河野談話検証の結果が反映されるかとの質問には「それはない」とし、「未来志向の談話を出したい」と述べた。
中国の習近平国家主席と韓国の朴槿恵大統領がオランダで会談し、朝鮮の独立運動家、安重根の記念館が中国に建設されたことに関して、中韓関係が強化されたとの認識を示したことについては「第三国の首脳会談への評価は差し控える」としたうえで、オランダで行われる日米韓の首脳会談への影響はないとの見方を示した。(以下略)
ロイター 2014.3.24