2014/03/20

セクハラ暴行などを阻止するための法案可決 (米軍)


シリカ太郎さんも触れておられたニュースだが、米軍と性の問題。「見えない戦争(invisible war)」とも言われている。アメリカ社会の意識が高いからこそ、こうした問題が陽の目を見るのかもしれないし、女性兵士の多さも関係しているだろう。単純にアメリカ軍に固有の問題とみなしてはいけないだろう。

【岐路に立つ米国】女性兵士への性的暴行「見えない戦争」に終止符打てるか 米議会

 米上院(定数100)は10日、米軍内での性的嫌がらせや暴行などを阻止するための法案を超党派で可決した。激しい戦闘が展開されるアフガニスタンなどでの戦争と異なり、米社会で「見えない戦争」と呼ばれるこの問題をめぐっては、オバマ大統領が軍幹部に綱紀粛正を指示。つらい体験が原因で除隊した元女性兵らは今回の動きを歓迎しているが、さらに踏み込んだ規制を求める声も出ている。(米南部アトランタ 黒沢潤)

 「被害後、精神的に私は私でなくなってしまった」-アトランタに住む元米陸軍兵のブリジット・マコイさん(43)がつぶやいた。マコイさんは、1991年の湾岸戦争当時、駐留していたドイツで性的暴行の被害に遭った。

 「普通の仕事に就いていれば、仕事後は家に帰り、店に買い物に行くなどして気を紛らわせることもできる。でも、部隊内ではそれは無理。私の苦しみを他人に経験してほしくない」と述べ、今回の議会の動きを歓迎している。

 米軍では、体力差のある女性兵に対する暴行が多発しているとされ、国防総省が昨年5月に発表した調査によれば、2012年に性的嫌がらせや暴行を受けた女性兵は全体の6・1%に上るという。

 ただ、これは「氷山の一角」とされ、被害者の実数は男性兵も含めると約2万6千件に上ると推定されている。特に女性の場合、「心理的な打撃のほか、自分の名誉やキャリアにも傷が付くと思って問題を公にしたがらない」(軍関係者)という。また、加害者が上官だったり、軍上層部に性的被害の報告を上げる担当者だったりした場合は事態が表面化しにくく、悪循環となっていた。


産経 2014.3.12