2014/05/25

国連機関日本に「国民に慰安婦教育を」 愛国バンド事件が引き金

ナヌムの家に送りつけられたCD
即座に日本のイメージダウンに利用された

愛国ロックバンドの行為に、国連機関から日本に対し国民の教育を徹底するようお達し。「日本の嫌韓派のロックバンド」・・・ありましたね。昨年、桜乱舞流というバンドですが、ナヌムの家に慰安婦を罵る内容の歌を録音したCDを送りつけたという事件。日ごろ韓国には厳しい笑韓ブログ「こりあうぉっちんぐ」のご隠居さんにも、このように批判されてました。

黒田記者は「日本軍が強制連行したという事実はないが、大変な仕事に従事してこられた方々には、ご苦労様でした、という言葉を贈りたい」というような意味のことを書いていたかと思います。・・・慰安婦の大半は貧しい東北その他から身売りされた娘たちだったのです。

雪深い越後の寒村・・・要するに私の村・・・からも身売りした娘たちは確実に存在していたのです。とても”売春ババア”などという罵り言葉は許せるものではありません。


もっとも、ご隠居さんも「ナヌムの家の連中を『嘘吐きババア』と罵るのなら別に非難はしません」と言っているように、「ハルモニ」が恨みを買っているのは、支援者たちのせいである。とはいっても、「愛国バンド」の行為により、日本は国連機関で評判を落とした。結果的に彼らはジャパン・ディスカウントに一役買うことになったのである(Youtubeに彼らが上げた動画は差別を理由に削除された)。

「慰安婦妄言が出ないよう全国民に教育を」国連、日本に警告

国連が日本に対して「全国民レベルで慰安婦問題の教育をするように」との勧告に乗り出した。

国連の経済・社会・文化的権利委員会(CESCR・社会権規約委員会)は21日、ホームページに掲載した公式見解を通じて「日本は(日本国内の)ヘイトスピーチ(Hate speech、特定人種・性・宗教などに対する憎悪表現)と元従軍慰安婦の女性らに汚名を着せるような行為を防ぐために、国民に従軍慰安婦の強制連行問題を教育することを願う」と明らかにした。

CESCRは、国連の人権保障条約である『経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約(社会権規約)』締結国を対象に定期的に見解を発表している。CESCRの見解は法的拘束力はないが、締結国政府はこれを誠実に受け入れる義務がある。今回の見解は、先月末に日本政府と市民団体の意見を聴取した後に整理した。CESCRは「日本は従軍慰安婦問題に対処し、被害者女性の経済・社会・文化的な権利を保障するためにあらゆる手段を取るように」と付け加えた。

今回の審査は、日本の嫌韓派のロックバンドが3.1独立運動記念日を翌日に控えた2月28日、従軍慰安婦出身の女性を売春婦だとののしる歌詞の歌を入れたCDと歌詞の翻訳文を元慰安婦の女性らが住む京畿道広州(キョンギド・クァンジュ)の“ナムヌの家”に郵送した事件がきっかけになった。日本維新の会の橋下徹共同代表の慰安婦関連妄言が出てくる前のことだった。

朝日新聞は22日「日本政治家の発言を直接批判したものではないが、従軍慰安婦について日本社会で理解が深まっていない点を憂慮した言及とみられる」として「『殺せ』などのような極めて差別的な表現行為が放置されている日本の現実に対して今後も厳しい批判が続くようだ」と指摘した。

菅義偉官房長官はこの日の記者会見で「(日本政府の)立場を説明して、私たちがこの問題にどのように対応しているのか理解を得られるように努力していく」と話した。




参考までに当時の報道。

「ナヌムの家」側は告訴を検討――日本から人権侵害のCD送付

 元従軍「慰安婦」の女性たちが共同生活している韓国・広州市の「ナヌムの家」にこのほど、「売春ババア殺せ チョン切れ」などという歌詞の入った日本のロックバンドのCDが何者かから送り付けられ、現地で怒りを呼んでいる。

 韓国の「聯合ニュース」などの報道によると、届いた包装物の差出人は「東京都千代田区 桜乱舞流」とあり、中に「チョン斬る!桜乱舞流」と書かれたCDと、曲の歌詞のハングル訳を記したA4判の紙一枚が入っていた。

 この「桜乱舞流」と称する女性ボーカルを交えたロックバンドは実態が不明だが、演奏が公開されているインターネットの You tube で「愛国バンドです。朝鮮人を殲滅せよ!」とだけ、自己紹介されている。

 流されている曲の歌詞は「竹島から出て行け」「特定アジアはいらねえ」「クソ野郎 飲み水までクソまみれ」などと、朝鮮・韓国人に対する攻撃と差別表現だらけの内容だ。曲と同時に、「日の丸」を持った若者が韓国の国旗を踏みにじったり、「朝鮮人慰安婦の大嘘 日本人の重大な人権侵害」と書かれたプラカードを掲げる動画も含まれている。

 今回、「ナヌムの家」に送りつけられたCDはこれと同じ内容と見られるが、「聯合ニュース」(日本版)が三月三日に配信した記事では、「ナヌムの家」の女性たちが「幼くして連行され、苦痛を強いられた事実を全世界が知っており謝罪すべきだと言っているのに謝罪はおろか、なぜこんなことができるのか」と、「失望と怒りをあらわにし」ていると報じられている。このため「ナヌムの家」の女性八人が四日、ソウルの中央地検に名誉毀損でこのバンドを告訴した。今回の問題の背景にあるのは、「在特会」(在日特権を許さない市民の会)など日本の排外主義者グループが、各地のデモなどで「朝鮮人殺せ」といった過激なスローガンをエスカレートさせている現状だ。『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』(講談社)の著者であるジャーナリストの安田浩一氏は、「『桜乱舞流』は悪質な排外主義者の流れだろう。元従軍『慰安婦』の方々にすらこういう行為をする人間が出てきたということは、排外主義の高まりを示す極めて憂慮すべき事態だ」と語っている。

週間金曜日 2013.3.26