2014/10/05

朝鮮日報、一転して吉田証言ロンダリング


あちこちで吉田証言ロンダリングが始まっている。朝鮮日報も、「『吉田証言』が虚構であることは、河野談話が発表されるよりも前に、韓国で暴露されていた」などと今さら力説してみせるのだが、二年前、「日本政府の関係者は、この(吉田清治の)本をしっかり読んでもらいたい」と説教していたのは誰あろう朝鮮日報である(崔さんに指摘してもらうまで自分も忘れてた)。

(強制動員を認めた)河野談話を発表することになったのは、旧日本軍が慰安所の設置や慰安婦の動員に直接・間接的に関与していたことを証明する公書が見つかったからで、日本政府は慰安婦問題をこれ以上否定することはできなくなった・・・。つまりこう。チャ氏(仮名)は、痴漢をしたことを否認していたが、被害者と知り合いであることが明らかになったので、痴漢の事実を認めざるを得なくなった・・・。そんな理屈で有罪にされたらたまらない。

「国連は旧日本軍の慰安婦強制動員を取り上げた96年の報告書で吉田氏の証言に言及したが、同証言について『信ぴょう性をめぐって論争がある』という点も指摘している」・・・で、朝鮮日報が吉田証言の信憑性について疑問を呈したことは、これまでにあったのか?

慰安婦:吉田証言の「作り話」、25年前に韓国で暴露済み

済州島の住民の証言で「本を売るための作り話」が明らかに
河野談話の根拠にはならず

日本の与党・自民党や閣僚たちは、朝日新聞が1982年9月に掲載した吉田清治氏(故人)へのインタビュー記事を取り消したことで、「河野談話」の根拠が崩れたと主張している。吉田氏は自らの体験を基にしたとして、1977年に『朝鮮人慰安婦と日本人』、83年に『私の戦争犯罪』という本を出版した。

だが日本政府は、慰安婦の強制動員を認め謝罪した河野談話(1993年8月)を作成する過程で、吉田氏の証言は参考にしなかったという。

同年8月、元慰安婦の金学順(キム・ハクスン)さん(故人)が初めて公の場で証言したのを皮切りに、韓国はもとより東南アジアでも被害者の証言が相次いだ。

「吉田証言」が虚構であることは、河野談話が発表されるよりも前に、韓国で暴露されていた。済州島の地元新聞は89年、吉田氏が本の中で「女性たちを(慰安婦として)狩り出した」と言及した地域の住民の証言を基に「吉田氏が金もうけのため、でたらめな内容の手記を出版した」と批判した。

日本の政治家たちは、国連や米国で慰安婦問題が提起されたことについても、朝日新聞の吉田氏へのインタビューのせいだという主張を繰り広げている。国連は旧日本軍の慰安婦強制動員を取り上げた96年の報告書で吉田氏の証言に言及したが、同証言について「信ぴょう性をめぐって論争がある」という点も指摘している。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員

2014/09/29

将校たちが身請けした慰安婦 「救出せよ、一人残らず答えた」

長谷川伸

劇作家長谷川伸が記した中国の三竃島でのこの話。著者の手が入っているのか、実際に見たままを書き記したものか、自分には分からない。だが、あまりに生々しい情景はノンフィクションとして十分に説得力を持つように思える。

ここに記された慰安婦の姿は複雑である。彼女たちは、金稼ぎの為に追い返されても再び戦地へ舞い戻ってくるプロの売春婦であると同時に、(元々は)騙されて連れて来られた気の毒な人々でもあった。そして、甘言で慰安婦にされたらしい処女を救出するのに、軍人たちは契約内容を確認し、カンパを募り落籍の資金を作ってやらねばならなかった。このカンパには阿部弘毅司令官までが協力している。部隊中の慰安所関係の担当者が主計中佐に叱られているが、契約書は正式な物であったようである。

慰安婦には玄人の女が向いているとか、「初めは将校向きの五円の女を希望するが、ほどなく下士官兵向きか徴用工向きの二円の女に転向したがる。・・・二円の女だと荒稼ぎが出来るから」という話も、最近の作られたセックス・スレイブのイメージからは想像し難いが、千田夏光が集めた証言の中にも同様の話があったと記憶している(要確認)。慰安婦は台湾などで募集された者らであったという。

事実残存抄                  

華南の真っ只中にある三竈島に、数日私はいたことがある。昭和の大戦がまだ太平洋戦争に突入しなかった、昭和十三年十一月下旬であったと思う。この島の雨はふとさが細引き縄ぐらいあり、たちまちのうちにそこら中が海のごとくなるほどの降雨量であると、上陸した途端に海軍の士官に聞かされ、また、ここは百歩蛇・コブラのような毒蛇七種がいると、道案内の海軍下士官におどかされた。

[...]

しかし私たち数人の小説戯曲映画関係のものは、幸いに縄のような雨や百歩蛇や胴まわりが四斗樽ぐらいの大蛇などには、お目にかからないで済んだ。

この島で私たちの世話をしてくれたのは、詩人の主計中佐(後に大佐)矢野兼武であった。その矢野中佐に頼んで私と他に一両人が、同島に出来ている三種の売女がいるところを視察につれて行ってもらった。

[...]

その見送りの一般日本人とは別なところに、一群の女がいて、あるものは笑って嬌声ともども手を挙げ、ハンカチを振り、手拭を振り、あるものはトラさんとか、杉村さんとか呼びかけ、呼んだ軍夫君が振りむいて、手をあげたり袋入りの日本刀をあげて見せたりすると、女は涙を頬に走らせて再び呼びかけるのが、明かに別離を惜しむものであること、疑う余地がなかった。その女たちが遠目にも白粉臭い女とわかり、かつ服装がやや正常を欠いてケバケバしいので、居合わした下士官に尋ねたら、あれは慰安所の女でありますと答えた。それ以来、私たちは戦地には慰安所の女というものがあるのを知っていたので、この島にもそれがあるのをちらりと見かけ、矢野中佐に案内を頼んだという訳であった。

ここが士官用の慰安所ですと矢野中佐がつれて行ったところは中国風家屋に手を少し入れて無理やり日本的にした家で、白粉の女たちは一人も顔をみせなかった。がしかし私は、入口の壁に鉛筆で、「泣かせてよ泣かせてよ、泣かずにいられないわたしじゃないの」と書いてあるのを見た。

慰安所の宿舎に女がいないのを、矢野兼武中佐は、きょうは検査日で、ただ今がその折柄ですと説明した。

ここは下士官兵の慰安所女の宿舎ですと、矢野がいいながら門口に近づくより早く、宿舎の奥から飛び出して来た芸者くずれらしい大年増の女が、「主計長さんまた帰って参りました。どうぞよろしく」と立ち身のままで挨拶した。矢野は「今度はゴタゴタを起さんでくれ」といった。この女の引っかけていた黒縮緬の羽織の紋が汚れていた。とまた、もう一人、二十六、七歳の女が赤大名のお召の袷に、二本独鈷の伊達巻で出てきて、「また来ちまいました」といって、人を食った笑い方をしてみせた。このどちらの女も、私どもには用がないので無視してかかっていた。矢野は「君も来たのか、今度はおとなしくしろ」と歎息まじりにいった。

あとで聞いたところによると、きのう来たばかりの黒縮緬古羽織の女は、抱え主を困らせることが達考で、こんな時にこんな島へ女をつれて来るほどの抱え主が、何に彼につけて阿婆ずれの巧みさに負かされるので、遂に金をいくらかやって、募集地の台湾まで帰ってもらったのだという。

赤大名の女の方は、仲間の女の間に波瀾を起させるのが上手で、そのテにかかって、陰性と陽性と二種の喧嘩が、当番交代のようにたびたび起るので、抱え主が往生して、これも募集地の台湾まで帰した。それがやって来たのは、台湾でまたもこの募集に応じたので、偶然というものがやる奇妙さで、もとのこの島へ舞戻ったのだという。

この種の女はそのとき二十余人いたが、数週間の後に、約十人やって来ると、これは徴用工と下士官兵のうちの或る二、三人がいったことである。女の名を呼ぶことは非公式だが禁止してある、その代り番号で呼ぶ。しかし、十三番の女のことを客の男はジュサ(十三)ちゃんと呼び、二十三番の女のことはおフミ(二三)さんと呼ぶ、という式でやっているので、女の名を呼ばせないという趣意は無効になっている。女の名を呼ばせないのは、情意の深入りをふせぐためであるとか聞いた。ところが、非情な番号を人人は、有情な呼び名に呼び改めたのだから、何もならない。

将校は五円の入場券がいる。下士官兵と徴用工の入場券ぱおなじく二円で、夜十時になると銅羅を打って、その打ち終りと同時にこの種の女のすることは、ことごとく止めとなる。行間はもちろんこの種のところは閉鎖し、夕食時から開店だそうである。

 [...]

女の前借金は多きは千二、三百円で、少ないのは五、六百円である。募集は台湾の基隆とか高雄とかでやるが、実際に女を集めるのは、募集の特約者で、つのりに応じてくる女も勧誘の手をのばす相手の女も、俗にいう玄人がいいとされている。素人は戦地向げのタマには適さないという、例外はある由。前借金のもっとも少ないのは百円の飯焚きである由。

こうした者たちは、初めは将校向きの五円の女を希望するが、ほどなく下士官兵向きか徴用工向きの二円の女に転向したがる。五円の女では相手が少数で稼ぎ高が低い。相手が人多数の二円の女だと荒稼ぎが出来るからだという。女の手取りは五円も二円も率は一つで、二円の女でいえは半分の一円は前借金へ入れ、残る半分の一円が手取りとなる、とこう聞かされたが、表面はそうだろうが、陰では勘定が別にあるらしかった。

私どもが南シナ海で短時日のうちに、二度も乗せてもらった紀州の第二江口丸という

海上トラックの船長が、今いったような女たちをあわれんでいった。

「ああいう女たちはみんなだまされて来ているのでねえ、この船でつれて来た女たちの顔というものが、当分のうち眼に残りましてねえ」

[...]

前にいった三竈島に再びやって来た二人の泥水を飲みつづけて来たらしい女達と、一つ船で来た二十歳の女があった。島へあがってすぐ軍医が、同時にやって来た女だちと同様に、検査をやったところ、軍医はその二十歳の娘が意外にも処女であることを知った。驚いたがそれを色にも出さなかった。

それから暫くし正午になり、食事にかかる前に矢野兼武(主計)中佐は、軍医から相談をかけられた。午前中に検診した慰安所の女のうち一人の処女がいる。これをおれはおれの良心に問うたところ、お前がその女を助けないでだれが助けるか、その女が処女であることを知っているものはお前だけではないかと答えた。そこでおれは助ける決心をつけたが、方法がわからないのみならず、救出に必要の金も、おれが受取る戦時加算付きの今月分では足らぬらしい。こういう時はどうすればいいのか、相談に乗れ、というのである。矢野はよろしいと引受けた。

昼食がすむと矢野が、食卓についたそのときの将校たちに呼びかけ、今日午前中に軍医によりて発見された娘を、救出するか放置するかを問うたところ、救出せよと一人残らず答えた。無論、この答えを求める前に、軍医の臨床報告と所感とが述べられたのである。

救出資金がみるみる矢野の軍帽の中へ集まった。軍医はその月の受取り分をそっくり出した。集まったそのときの総額は、確か八百何円かであったと憶えているが正確を欠いている気もする。矢野は時を移さず、慰安所関係の責任者と、女の監督や金銭収支の担当者を、司令部の主計長室に呼び、軍医の検診報告書をつきつけ、生娘をこんなところへ持ってくるからは話に聞く誘惑の嫌疑をかけると叱りつけ、娘に関する書類一切の即時提出をもとめ、その書類を検討して、前借金返済の金額をその場で決め、娘の身柄を酒保の責任者に預けた。悪い仲介人があって売り飛ばされたこの娘は喜びのあまり、顔をくちゃくちゃにして泣いたこと、いうまでもない。

矢野は第十四空防備の中少尉以下の寄付金は断わったが、司令阿部弘毅少将はじめ、大尉以上の寄付金を受けて、救出資金は満額を超えた。超えた方の金はその娘の新出発の資金にさせた。この娘がこの島を去るとき、莫蓮とか阿婆摺れとが人もいい私もいった慰安所女が、わがことの如く泣いて喜び、帰って後の身のもち方について助言するのを見ていると、姉か従姉に違いない真実さが溢れていた。そしてその次の時間には、莫蓮女になり阿婆摺れ女となる。

この島にも水兵中に悪徒がいて、夜中に原住民の家に押入り、強盗した外に、女を汚して逃げたイヤな事件が起っていた。この犯人は当夜の風紀衛兵の責任者であった兵曹が、夜が明けて二、三時間の中に捕えた。犯人は佐世保で後に重く罰せられた。

[...]

矢野はその後、茨城県の航空隊に転じ、それは短期で、東南方の戦場へ出ていった。矢野には『十二月八日未明』(仮題)という真珠湾攻撃前を描いた戯曲と『海戦後の筏』(仮題)という珊瑚海戦を描いた戯曲とがある。私たちが知っているこの二つの原稿は、矢野の最後の任地の室に置いてあったのではないかと思う。矢野のその室には私たちが贈った伊東深水作の美人画があった筈である。この方は英・豪・米どこかの者が、記念品に持ち去ったことであろうが、戯曲の原稿の方は見棄てられたことだろう。矢野はサイパン島にかりの宿を求めたその日、そこで戦死した。大佐であった。

生きている小説 長谷川伸 P.101-110

2014/09/24

パク・ユハ「帝国主義に基づく収奪と捉え直せば解決」 


パク・ユハ教授のキーワードは「帝国主義」らしい。彼女の新しい本のタイトルも「帝国の慰安婦」。「なぜ、慰安所に日本人だけでなく朝鮮人や台湾人がいたのか?そこを私は考えていただきたいと思います。・・・元凶は・・・帝国主義というシステムにあったのです」と言う。さらに、慰安婦問題を「帝国主義に基づく性の収奪」と捉え直せば解決策になるかもしれない、米蘭仏にも共通の問題であったと国際社会にアピールできると提案する。・・・そうかなぁ。

この問題を、日本が「帝国主義に基づく性の収奪」ととらえ直し、反省の意を国会決議として出せば、最高の解決策となるかもしれません。そうすることで、日本だけでなく、アメリカやオランダ、フランスなどの元帝国にも共通の罪だということを国際社会に示せることでしょう。

あの時点では同化は完全ではなかったが、事実として朝鮮人は日本国民であった。彼女の中では沖縄(ウチナンチュ)の慰安婦はどういう位置づけになるのか?男たちは命を女たちは性を国に捧げさせられた、慰安婦は暴力を経験したというなら、男たちだって現場でビンタの洗礼を受けていたのである。そもそも(特に内地人の)男性が有無を言わさず徴兵されたのは事実だが、女性が性を捧げさせられたというのは無理があるのではないか?

自国民でない女性たちの性を収奪し、苦痛を与えることが起きた元凶は、実は帝国主義というシステムにあったのです。

この括りでは、朝鮮戦争の慰安婦は救われないのは彼女も分かっているだろう。帝国主義で括るのならば、女性に限定する理由もない。中国のような多民族国家なら兵士の民族も多種多様である。イギリスのロイヤル・スコットランド連隊は「被害者」なのか?

男性が兵士として徴集された場合は、恩給や遺族年金など国からの補償がありますが、慰安婦としてつれていかれた女性たちにはありませんでした。法的補償の代わりに金銭を与えるシステムになっていたわけです。それは、近代国家の女性差別の表れでもあります。戦場に彼女たちを向かわせたのも、社会のいわゆる「売春婦」差別だったと考えています。

従軍看護婦には軍属とそうでない者がいたが、軍属でない者は恩給を受けていないはず(要確認)。売春婦だから差別(区別)されているのではなく、従軍看護婦の面倒は日赤が、慰安婦の場合は抱え主(慰安所の経営者)が面倒見たのである。仮に慰安夫がいれば、男だろうと同じ扱いだったろう。

それから、ストレートに米軍慰安婦の存在を突きつけてもはぐらかすのに、日本が反省して見せたからといってアメリカが日本に倣おうとは思えない。他人事のように振舞うだろう。フランスもオランダも。欧米は、「帝国主義に基づく性の収奪」などというアイディアには興味は示さないと思う。


※ タイトルは中央公論がつけたもので、自分の意図を反映したものではないとパク・ユハ教授が断っている。


慰安婦報道の大罪
国家による「性の収奪」は万国の罪である

「強制連行はなかった」と報じた韓国メディア

朴裕河世宗大学日本文学科教授

朴氏は慰安婦について、日本だけの責任にしては問題の本質を考える機会が失われると発言している

ようやく立場をはっきりさせた『朝日新聞』が過去の慰安婦問題の検証記事を出したことを、私は基本的に評価しています。内容には少し問題もありますが、あれだけ攻撃されていた『朝日』が、今回立場をはっきりさせたことです。ポイントは、「女子挺身隊」と「慰安婦」を混同して誤用していたと認めたこと。そして軍が組織的に「強制連行」に関与したという過去の報道を撤回した、そのうえで日本政府に責任があるとしていることです。そのような全体の枠組みは私の考えにも近いものです。

私自身は、少なくとも朝鮮人に関して、日本が国家として物理的な強制性をもって女性を連行することはなかったと把握しています。日本軍が慰安婦という存在を必要としたのはたしかで、政府はそれに関する指示も出しています。しかし、誘拐や人身売買といった強制的な方法を国が主導したという状況はいまのところ見えません。

ところで、記事では当時オランダ領インドネシアにいたオランダ人女性も慰安婦にされたことが示されています。

が、私はオランダ人と朝鮮・台湾人の問題は別に考えたほうがいいと思います。朝鮮・台湾は日本の植民地でしたが、オランダはインドネシアを介しての敵国でした。それぞれの国の日本軍との関係は解決を求めるにおいて重要です。

この『朝日』の検証記事について、韓国メディアはおおむね公平で誠実な報道をしました。多くは「安倍政権に対する『朝日』の反撃」を主題にしながら、吉田清治氏の証言が虚偽だったこともきちんと報じていました。唯一、日本批判を重ねてきた『朝鮮日報』は吉田氏の件に言及しませんでした。

植民地における物理的強制性を否定した今回の記事は、この問題を考えるのに必要なことだったと思います。朝鮮人慰安婦の全員が強制連行されたかのように言われるのは日本人にも不満だったことでしょう。しかし募集において国家による物理的強制性がなかったとしても、朝鮮人慰安婦たちは現場で暴行と強姦に遭ってもいました。物理的な強制性を私も否定しますが、そういう文脈から『朝日』の記事に、おおむね同意します。

それでも責任は免れない

物理的強制性の有無をはっきりさせる必要はありますが、たとえ強制でなかったとしても、「国家が女性を収奪した」ことは間違いありません。

「もともと売春婦だったのではないか」と言う人がいますが、そんなことは重要ではありません。女性が自発的についていったとしても、それは需要があったためで、そのようなシステムを考えた国に責任があるのです。現在、「強制連行だったか否か」が論争の的になっているわけですが、「日本の責任」という点で言えば、強制性の有無もあまり関係ないというのが私の考えです。

売春として代金を支払ったのだから、責任が果たされたはずだという意見もありますが、それは違います。男性が兵士として徴集された場合は、恩給や遺族年金など国からの補償がありますが、慰安婦としてつれていかれた女性たちにはありませんでした。法的補償の代わりに金銭を与えるシステムになっていたわけです。それは、近代国家の女性差別の表れでもあります。戦場に彼女たちを向かわせたのも、社会のいわゆる「売春婦」差別だったと考えています。

私は、ここに帝国主義というシステムの問題が関わっていると考えます。日本に限らず、当時は列強各国がアジアの国々を植民地化するという帝国主義がはびこっていました。日本も朝鮮半島を植民地にして、朝鮮人を自国民として従わせていました。男性たちが兵士として国に命を捧げたように、女性たちは性を捧げさせられた。それが日本国民の務めだという考えのもと、「愛国臣民」として女性たちをつれていったのです。そこには日本人慰安婦もいましたが、数が足りなかったので、朝鮮人女性が動員された。そのような構造の中で「売春婦」かどうかは重要ではありません。

なぜ、慰安所に日本人だけでなく朝鮮人や台湾人がいたのか? そこを私は考えていただきたいと思います。自国民でない女性たちの性を収奪し、苦痛を与えることが起きた元凶は、実は帝国主義というシステムにあったのです。先にオランダ人慰安婦と区別すべきと述べたのは、このためです。

そしてこの問題は、戦争中に限ったことではありません。軍隊は移動、隔離され、そこでは必ず、「性の問題」が起こり得ます。現代における日韓の米軍基地問題ともつながる問題なのです。

他国に先駆け国会決議を

この問題を、日本が「帝国主義に基づく性の収奪」ととらえ直し、反省の意を国会決議として出せば、最高の解決策となるかもしれません。そうすることで、日本だけでなく、アメリカやオランダ、フランスなどの元帝国にも共通の罪だということを国際社会に示せることでしょう。

現在、朴政権が慰安婦問題にこだわっている背景のひとつに、二〇〇五年に韓国で日韓会談文書が公開され、韓国政府が慰安婦個人の日本への賠償請求権は残っているとしたためです。そのあと、韓国政府がこの問題解決のために働きかけないのは憲法違反との訴訟が起こされ、二〇一一年の夏に勝訴しています。

日本を相手とする行動において韓国では左派が中心になることが多いのですが、そもそも韓国の右派左派は、植民地時代に国家に協力した側と抵抗した側で分かれます。両者の歴史認識の違いから、現在国内の対立が激しくなっている部分もあり、内部冷戦的な現在の葛藤の根本が植民地時代にあったことを、日本の皆さんにはぜひ知っていただきたいと思います。

この問題を解決するには、新しい層に議論に加わってもらうことが必要です。二〇年以上前から両極端に分かれて対立している人たちは議論の接点を見出し、歩み寄れる新しい議論の空間を作るべきです。党派的不信を乗り越えられる第三者たちが、合理的かつ倫理的に議論ができるといい。

そういう意味で、今回の『朝日』の記事はひとつのきっかけになり得るのではないでしょうか。

[慰安婦問題はどう語られたか 2] 「人権感覚が狂ってる」 平野啓一郎

twitter 2014.9.19

「『業者使って欺して連れてきただけですから!』と胸を張るのは何なのか?理解力がないのか、人権感覚が狂ってるのか」と芥川賞作家平野啓一郎。彼は、日本政府が業者に命じて女性を騙して連れて来させていたとでも思っているのだろうか?海外では(意図的に)そういった風に語られていたりするから外国人がそう思い込んでいても仕方ないが、彼は日本人である。「日本軍が慰安所なるものを設置・運営して、深刻な人権蹂躙を行っていたこと自体を非難されてる」。日本軍がやったのは設置までであり、人権侵害と言われているのは、数十万の女性を拉致し強姦し、証拠隠滅の為に殺害したことだったりするわけだ(もちろん事実ではないが)。

「歴史を間違った形で修正しようとすれば、相手国は反発します」と言う前に、そもそも彼は何が正しく何が間違っているか分かっているのだろうか?続くツイートで平野が紹介しているのは、(隠れ?)拉致問題相殺論者である。個人的にはこういうタイプが一番悪質だと思っている。例によってスマラン事件を持ち出している。

仮に安倍首相が主張するように「狭義の強制性」「強制連行」を証明する証拠の文書がなければ、世界から非難されるような問題はないとした場合、北朝鮮の拉致問題も世界から非難される問題ではなくなってしまいます。


「いつまででも。日本としての反省が不十分なまま、唐突に人類全体の問題と抽象化することは出来ません」・・・何をもって不十分と言っているのか分からないが、この問題を普遍的な問題として売り込んでいるのは韓国側である。全体的に空虚な文章だが、この人の文学もこんな感じなのだろうか?ずっと前に日蝕を読んだきりだが(もう忘れた)。

twitter 2014.9.19

2014/09/23

[メモ] 挺対協HPは韓国外交部の関連サイト

このスクリーンショットは日本語変換されている

豆知識。韓国政府(外交部)のウェブサイトには、挺対協のサイトが「関連サイト」としてリンクされている。日韓関係の最大の障害と言われる挺対協は、韓国政府にとって厄介者であると同時にもはや切っても切れない関係にあるのが分かる。



米下院議員、資料を手に日本批判「過去の犯罪を自白せよ」(テッド・ポー)



被害者の75%が亡くなったとか、いい加減してして欲しいと思うが、一方的な資料しか提供されていないのだから仕方ない。韓国側の立場に立つ者はこれからも増えるだろうが、日本を擁護する声は米国からはまったく聞かれない。テッド・ポーとはこういう人物。個人的には説得不可能なタイプだと思うが。

ところで、一番下の写真はKBSからのひとコマだが、ひょっとしてKBSは、この少女たちが慰安婦だと言うつもりなのだろうか?


米下院議員「日本は慰安婦など過去悪行自白すべき」

<アンカーコメント>

米連邦下院議員が過去の歴史を否定する日本を強い調子で批判しました。

慰安婦問題など過去の過ちを全部自白して謝るよう忠告しました。

移住した特派員です。

<リポート>

日本に向けたテッド・ポー(Ted Poe)下院議員の苦言はよどみませんでした。

あらかじめ配布した会議資料を通じて日本は軍隊慰安婦の強制動員と性奴隷強要など過去の誤った行動を全部自白するよう公けに批判しました。

特に日本軍慰安婦を認めた河野談話を修正しようとする試みを指し、悪行を煙幕の後に隠すと真実が変わりはしないと指摘しました。

20万人余りと推算される慰安婦被害女性のみじめな人生に対する憐憫も続きました。

被害者の75%が亡くなったが、生存女性たちは不妊と怒り調節障害、外傷性ストレス障害などで60年超えて苦痛な生活を送っていると強調しました。

<録音>テッド ポー(米下院議員): 「性犯罪事件で被害女性たちは非常に特別な人々です。 性犯罪によって彼らのアイデンティティは徹底的に破壊されるためです」

被害者が日本から謝罪を受け正義を享受する価値が十分にある、としながらこれは(?)韓日関係改善のためにも必要だと助言しました。

米下院の超党派議員会である「犠牲者権利会議(?)」の共同議長を受け持っているポー議員は過去に何回も性犯罪被害女性の人権を強調してきました。

今回の発言は過去の歴史を否定する日本右翼勢力に向かったアメリカ政界からの強い警告メッセージと解釈されています。

KBS 2014.9.22

どう見ても慰安婦と関係なさそうだが、意図的か?

미 하원의원 “일, 위안부 등 과거 악행 자백해야”

<앵커 멘트>

미 연방 하원의원이 과거사를 부정하는 일본을 강도높게 비판했습니다.

위안부 문제 등 과거의 잘못을 모두 자백하고 사과하라고 충고했습니다.

이주한 특파원입니다.

<리포트>

일본을 향한 테드 포우 하원의원의 쓴소리는 거침이 없었습니다.

미리 배포한 회의자료를 통해 일본은 군대 위안부 강제 동원과 성 노예 강요 등 과거의 잘못된 행동을 모두 자백하라고 공개 비판했습니다.

특히 일본군 위안부를 인정한 고노담화를 수정하려는 시도를 겨냥해 악행을 연막 뒤에 감춘다고 진실이 달라지지는 않는다고 지적했습니다.

20여만명으로 추산되는 위안부 피해여성들의 비참한 삶에 대한 연민도 이어졌습니다.

피해자들의 75%가 숨졌지만, 생존 여성들은 불임과 분노조절 장애, 외상후 스트레스 장애 등으로 60년 넘게 고통스런 삶을 살고 있다고 강조했습니다.

<녹취> 테드 포우(미 하원의원) : "성범죄 사건에서 피해 여성들은 매우 특별한 사람들입니다. 성범죄로 인해 그들의 정체성은 철저히 파괴되기 때문입니다."

피해자들이 일본으로부터 사과를 받고 정의를 누릴 가치가 충분히 있다면서 이는 한일 관계 개선을 위해서도 필요하다고 조언했습니다.

미 하원의 초당파 의원모임인 '희생자 권리 회의' 공동의장을 맡고 있는 포우 의원은 과거에도 여러차례 성범죄 피해여성들의 인권을 강조해 왔습니다.

이번 발언은 과거사를 부정하는 일본 우익세력을 향한 미국 정치권의 강도높은 경고 메시지로 해석되고 있습니다.

2014/09/19

朝日のスクープで国会の雰囲気一変? (92年)

国は関与を否定していたわけではなかったが

朝鮮人女性が国家総動員法に基づき「強制連行(徴用)」されたのではないかという社会党の本岡昭次議員の質問から始まった国会での一連のやり取りだったが、1992年になると議論が一変する。何があったのか。この年の1月、朝日新聞が「関与の証拠」が発見されたと報じて大混乱になっていた。二ヶ月後の清水澄子議員の質問は、「国の関与」をテーマに始まる。今度は外務省、防衛庁、警察、文部省などが労働省(総動員法業務を担当)に加わり答弁に立つ。議論は強制連行の有無から完全に国の各機関が慰安婦とどう関わっていたかに移っているが、それでも清水の頭には依然として慰安婦の強制連行(徴用)という先入観があるようで、「朝鮮での強制的に徴募」とか「なぜ朝鮮の女性が選ばれたのか」、その「法的根拠」明らかにするよう政府に迫っている。彼女が有名な詐話師吉田清治を参考人として国会に呼ぼうとしたことも分かる。清水が、朝鮮での募集の際に軍と警察が動員されたと言っているのは、吉田の本(私の戦争犯罪)や証言がネタ元と思われる。

私はきょう、朝鮮女性を強制的に駆り出す役割を果たした元山口県労務報国会動員部長だった方を、こちらでその実態をお聞きしたいと思って参考人として要請しましたけれども、それが実現しなかったことは非常に残念です。

国側は、軍が何らかの形で関与していたらしいとは認めるものの(これまでも、国は軍の関与は否定していなかった)、「従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのか」については「実態よくわかりません」と答える。俗に言う「強制連行」を裏付ける確たる証拠がないからだ。そんな政府を、清水は吉田清治が「非常に具体的な体験を持っているっしゃる」と政府の調査が不十分だと批判している。今から考えてショッキングなのは、加藤紘一官房長官が事実関係がよく分かっていないにも関わらず「我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわした」と告白している点だろうか。

まず、事実関係を誠心誠意調べていかなければならないと思っております。・・・我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわしたわけでございますし、また当時の方々の筆舌に尽くしがたい辛苦というものを考えれば何らかの措置というものを考えられないか、そういう骨組みで考えていきたいと思っております。(加藤紘一)

渡辺美智雄外相も、政治問題化している以上何らかの謝罪が必要という認識を示している。結果論だが、こういった甘さが命取りになった。

従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのかどうか実態はよくわかりませんが・・・政治問題になっていることは事実ですから・・・実態をまずきちっとつかんだ上で・・・何かおわびのしるしというか、そういうことは何か考えなければなるまい

慰安婦問題が外交問題化すると「警告」したり「心配しております」などと清水が言うのを、今となっては苦々しい思いで読む人も多いのではないか。彼女が日本人慰安婦の存在にも触れながら、朝鮮人慰安婦だけを問題にしているのは、やはり「強制連行の有無」と見ていいだろう。

日本人の女性を慰安婦にしたことにも私は非常に大きな問題があると思っております。しかし、朝鮮の女性たちにはさらに植民地支配という、そういうやはり民族的な支配と差別があった

かなり長いやり取りを思い切って省略した。日本政府の補償に対する考え方、訴訟に対する考えなど色々な情報が含まれているが、ブログの性質上ここはあえて内容を絞ることにした。



○清水澄子君 私は、昨年(注:一昨年の間違いか)十二月の本予算委員会におきまして、従軍慰安婦問題について質問いたしました。その際に、政府がこの問題に誠実に対応しなければ、必ず日韓、日朝間の外交問題に発展するということを警告しておきました。

その後、いろんな発展があったわけですけれども、現在、政府は調査をされておると思いますけれども、その進展状況と、今後の見通しについてお聞かせください。

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは今、軍がある程度関与したということですね。はっきりしてきておりますが、どの程度のものであるか、地区によってもかなり違うような気がする。それに、従軍慰安婦になられた方々の中にも、千差万別のような状況があって、実態がわかっていない。したがって、今実態上では各省庁、できるだけの実態的な把握に一生懸命努めているというところであります。

○清水澄子君 六省庁ですから、じゃ一つずつおっしゃってください、どういう段階で何が出てきたかということを。

○政府委員(谷野作太郎君) それではまず、外務省の方からお答え申し上げます。

このいわゆる従軍慰安婦の問題につきましては、昨年末、内閣官房の調整のもとに、関係省庁におきまして事実関係を調査せよというお達しかございました。そこで、私ども外務省といたしましても、保管中の文書について、ただいま誠心誠意、大臣から申し上げましたように、調査を実施しておるところでございます。

何分、膨大な調査でございますので、いま少しお時間をいただきたいと思います。調査の結果が判明次第、内閣官房に御報告申し上げたいと存じます。

○政府委員(村田直昭君) お答えさせていただきます。

防衛庁におきましても、昨年末、内閣官房の方からの調査依頼に基づきまして、防衛研究所を初め陸上、海上、航空の各自衛隊あるいは防衛大学校等の各機関等において、関係資料の有無について鋭意調査をしているところでございます。

なお、これまでに新聞等で報道されたものを含めまして六十九件の資料が発見されておりまして、これらの資料につきましては、内閣官房の方に直ちに送付しておるという状況でございます。

○政府委員(多田宏君) 私どもの方も膨大な資料を念には念を入れて今さらに点検をいたしておりますので、まとまり次第、また内閣官房の方に提出したいと思っております。

○政府委員(井上幸彦君) お答えいたします。

私どもの方でも、昨年末に内閣の方針を受けまして、警察庁はもとより全国都道府県警察に対しまして、関連の資料があるやなしやの調査を現在行っているところであります。現在のところ、これはという情報には接到していないところでありますが、なお念を入れて調査を続けているところでございます。

○政府委員(野崎弘君) お答え申し上げます。

文部省におきましては、全国の公立図書館、国公立、私立大学の附属図書館に調査を依頼いたしました。現在も継続中でございますけれども、現在のところ、公立図書館関係で、沖縄県教育委員会から、同県の浦添市立図書館所蔵資料の中に当時の資料が転載されている旨の報告がございます。この件につきましては、内閣官房外政審議室の方に報告をしているところでございます。

以上でございます。

○政府委員(佐藤勝美君) 労働省の状況でございますが、現在までのところ、省内関係部局及び関係機関におきまして所管する倉庫、書庫等を調査いたしましたが、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦に関します公的資料は発見されておりません。

当時の事情に詳しい行政関係者からもヒアリングを行いましたけれども、当該行政機関それから関係機関は、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦については関与しなかったということを聞いておるところでございます。

[...]

○清水澄子君 次に、名簿についてですけれども、あの資料を見まして、あれほど明確に各部隊の支隊まで、末端にまで何人と名前も全部名簿がございます。そういうことになれば、非常に名簿というのがはっきりしていたのではないかと思うわけですが、朝鮮での強制的に徴募した際の名簿というものは残っているのでしょうか。

そしてもう一つは、慰安所の設置場所で憲兵隊がきちんと名簿を作成しているという報告が出てまいります。それは、性病を予防し管理するために非常に厳重な管理をしているために逆に名簿は明らかであったと思いますけれども、その点いかがですか。

○政府委員(村田直昭君) その全体の名簿がどのように管理されておったかということは、私どもが持っている防衛研究所の資料だけではわからないわけでございまして、それについてはさらにいろいろな方法で調べるということが必要じゃなかろうかと思いますけれども、私どもああいう報告書というか、昔の旧公文書等だけでなかなかわからないのではないか、事実私は承知しておりません。

[...]

○清水澄子君 [...]いろんな記録によりますと、慰安婦の大半は朝鮮の若い女性たちですけれども、なぜ朝鮮の女性が選ばれたのか、その理由を明らかにしていただきたいと思います。

○政府委員(有馬龍夫君) 構成の比率等は正確にわかっておりません。

○清水澄子君 それでは、どこの国の女性が資料の中から出てきたか、国別に御報告ください。

○政府委員(村田直昭君) 資料に基づいて、この資料からそういうのが出てきたものとしましては、朝鮮の方、それから台湾の方、それから半島の方と書いてあるのもあるんですが、等でございます。

○清水澄子君 またごまかされます。中国ともありましたし、フィリピンというのもあります。いろいろあるわけです。ですから、そういうお尋ねをしたときにはあくまでも資料に忠実にお答えいただきたいと思います。

次に、朝鮮で若い女性たちを強制的に集めた、その場合の募集方法というのを明らかにしてください。そして、そのときに日本軍、警察が多数動員されておりますけれども、それらを動員するための法的根拠は何であったのかお聞かせください。

○政府委員(有馬龍夫君) 募集の実態についての資料は見つかっておりません。それから、法的な根拠というものもわかっておりません。

○清水澄子君 私はきょう、朝鮮女性を強制的に駆り出す役割を果たした元山口県労務報国会動員部長だった方を、こちらでその実態をお聞きしたいと思って参考人として要請しましたけれども、それが実現しなかったことは非常に残念です。

私たちはみずからの過去の歴史というものについて、みんなが本当に謙虚に事実を認識するということが大事だと思うわけですが、これまで質問した中では、本当にこれが実態調査、鋭意調査をしているという中身であろうか。全体像はおぼろげにわかりましたけれども、今までの資料の中でも、私たち素人がやってももっと正確なある程度の全体像が出てまいります。そういうものを今後も徹底して調査をしていただきたい、これでは調査だと言えないと私は思うわけです。

そこで、私は官房長官にお尋ねしますけれども、今お答えいただきました事実から、従軍慰安婦というのはやはりかつてのいわゆる帝国政府及び軍当局が戦争を遂行するための手段として、日本軍の軍人、兵士に性的慰安、これは旧軍隊が使っている言葉ですけれども、そういう性的慰安を与えるために朝鮮の女性を駆り出したものと見られますが、政府はこの事実をお認めになりますね。

○国務大臣(加藤紘一君) 政府が集めました資料につきましては、それが明確になったものから今先生のお手元にあるように公表いたしたりしておるわけでございますけれども、累次御答弁申し上げておりますように、いわゆる朝鮮半島出身の慰安婦の問題につきましては、かつての日本軍が何らかの形で関与していたということは確かなことのように思います。したがいまして、その旨政府としても従来からお答えいたしておりますし、またそういう認識を今も持っております。

[...]

○清水澄子君 外務大臣、私どもはいろいろ新聞等でお見受けしているわけですけれども、衆議院の方でもこの問題が論議されて、非常に前向きな発言をされていらっしゃるわけですけれども、補償の必要性は考えていらっしゃるでしょうか。そのしかるべき措置というのはどういう方法で、何らかの誠意を示さなきゃならないという点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、この問題は法律論争を幾らやっておっても、これはもう平行線である、補償問題はこれは請求権は放棄、これは両国政府は取り合わない、したがって国際法上は決着済み、これが政府の基本的立場だろうと思います。

しかしながら、現実の政治問題として、そういうような慰安婦問題というのが新しく出てきて、それで非常な悲惨なことではあるが、戦争というものは常にそういうものがつきもので、殺された人もあれば、まことに残念なことだが、片手をとられたとか傷ついた人とかいろいろある。しかしながら、そういう方々には、軍人軍属の場合は相手国政府が何らかの措置をとってありますと。たまたま同じ従軍という名のもとで強制的に連れていかれたのかどうか実態よくわかりませんが、軍が関与をして、そういうような今いろいろお話があったようないきさつの中で慰安所というものがあった、従軍をしてきた人もいた。これもいろいろ本当に何といいますか、先ほど日本の吉原がどうとかこうとかという読み上げた中にもありましたが、当時は売春防止法もありませんから、そういうようなところから連れていかれた方とそうでない方があるいはあるのかもしらぬ。それらは実態を見なければよくわからないんです、実際のところが。

しかし、これは何か解決をしたければ、政治問題になっていることは事実ですから、事実は事実、しかし個々にやるといってもこれもまた非常に難しい問題だと私は思います。人を特定するということが非常に困難。じゃ三人とか五人とかという訴え出た人はそれはわかるかもしらぬけれども、それ以外の人は、訴えたい人はわからないからいいということにはなかなかこれはもう難しい問題だなと。だから何とか実態をまずきちっとつかんだ上で、何か慰安といいますか慰霊といいますか、何かおわびのしるしというか、そういうことは何か考えなければなるまいた(ママ)という感じですかねという話を衆議院でしたんです。

[...]

○清水澄子君 [...]これまでの調査の仕方は非常に不十分だと思います。

それから、旧朝鮮総督府関係の資料とか旧内務省関係の資料、憲兵隊関係の資料などがまだ調査をされておりません。

そしてまた、きょう参考人としてお願いをした元山口県労務報国会動員部長の吉田清治さんなどは、本当に非常に具体的な体験を持っていらっしゃるわけです。それからまた、今名のり出ている元従軍慰安婦の方々からの事実関係というのは参考になります。その方々の話を聞きますと、まるで私どもは慰安婦という仕事だけかなと思っていましたけれども、お伺いしますと看護婦の仕事もさせられた、しかも赤十字の帽子をつけて、それをかぶらされて一カ月間いろんな訓練を受けて看護婦もやらされたという報告も聞いております。ですから、そういう実際に体験した方から事実関係のヒアリングを私は積極的に行っていく、そういう姿勢がなければ本当の実態は解明できないと思うわけです。

ですから、ぜひ今後の調査の中で、この従軍慰安婦や強制運(ママ)行に関する政府所管資料をもっと全面的に調査され、体験者からもお話を聞かれて、そしてその資料を全面的に私は公開をしていただきたいと思いますし、またこの事実関係を徹底的に明らかにしていく、そういう真剣な取り組みに努力した上で、私は被害者の心に届くような謝罪とそして補償、救済措置を講じてほしいと思いますけれども、官房長官はその責任者ですが、その御決意いかがでございますか。

○国務大臣(加藤紘一君) 先ほど外務大臣から御答弁いただいたとおりでございます。

まず、事実関係を誠心誠意調べていかなければならないと思っております。そしてまた法的措置の問題、補償の問題は、総理大臣が申されましたように、これは法的には決着済みですが、しかしそれは訴権を害するものではありませんから、それの訴訟の成り行きを見ていかなければならない。しかし同時に我々は、この間総理の訪韓によって謝罪の気持ちをあらわしたわけでございますし、また当時の方々の筆舌に尽くしがたい辛苦というものを考えれば何らかの措置というものを考えられないか、そういう骨組みで考えていきたいと思っております。そのためにも当時の事情がどうであったのか、そしてそれにかわる何らかの措置というものをどう考えていったらいいのか、それについて真剣に検討していきたいと思っております。

[...]

次に、今ジュネーブで開かれております国連人権委員会で、NGOの国際教育開発協会の代表の方が、二月十七日にこの慰安婦問題を取り上げておりますし、それから二月二十五日には、韓国の女性団体が国連人権委員会にこの問題について申し立てをしております。また、今韓国内での従軍慰安婦の申告されている数が三月二日現在で百九十四人申告をされております。元慰安婦という方は六十八人、勤労挺身隊という方が八十六人、行方不明が四十人という、これは三月二日の数字ですけれども、こういうふうにまだ韓国の中でだんだん広がりが出てまいります。

そこに加えて、今度台湾からやはり私は女性団体の訪問を受けたわけですが、そしてここに慰安婦の「慰」を入れ墨されたという女性にも会っているわけですけれども、そういう台湾、フィリピンの女性団体も今共同して国連人権委員会に提起をするという動きが出ているわけでございます。今や従軍慰安婦問題というのは、韓国、朝鮮との外交問題だけではなくなりつつある。世界は今、日本がさきの戦争で犯した、そしていまだに償おうとしない戦争と植民地支配の被害者、特に慰安婦にされた女性への深刻な生命と人権の侵害に対してみんなが注目をしております。

総理は、国際的な女性の人権問題に発展をしてきた従軍慰安婦問題をどう見ておられるのか、先ほどのお考えで私は国際的に通用しなくなるんじゃないか、このことを心配しておりますけれども、どうぞ御見解をお述べいただきたいと思います。

[..]

○清水澄子君 時間がなくて論争できませんけれども、日本人の女性を慰安婦にしたことにも私は非常に大きな問題があると思っております。しかし、朝鮮の女性たちにはさらに植民地支配という、そういうやはり民族的な支配と差別があったという、この問題は私たちはやっぱり反省しなきゃいけないと思うわけですね。それが、何か戦争一般論でこのお話をしていらっしゃるところに、私は、この問題の深刻な取り組みなり事態の受けとめ方がやっぱり弱いんじゃないかと非常に心配をしております。

[...]