「史上例を見ない日本軍性奴隷性」(朝鮮新報)
朝鮮新報(朝鮮総連の機関紙)をソースにしていいものか迷うのだが、先ごろ開催された女性国際戦犯法廷10周年シンポジウムについて詳しくレポートしていたので取り上げてみた(このエントリーを書いたのは一週間前)。
気になるのは、かつて「戦犯法廷」で首席検事を務めたパトリシア・セラーズが、この10年で日本軍の慰安所に対する認識をどう変えたのか、変えたか否かである。
最近では韓国の慰安婦運動に批判的な著書がアメリカで発売されたりしているので、行きすぎたジャパン・バッシングに加担してしまったことに多少の後悔はあるのだろうか?
あくまで朝鮮新報によればだが、パトリシア・セラーズはこの日、
「この間、1人ひとりの被害者らは、繰り返し、日本政府を提訴して、賠償を求めてたたかってきた。・・・加害国日本、第2次大戦時の連合国各国及び被害国の市民社会には、日本政府が補償を実行するよう圧力をかける特別の責任がある』」
と講演したことになっている。
しかし、琉球新報には、このシンポジウムに集団自決問題でも有名な宮城晴美が登場して、沖縄の米兵の性犯罪の実態を報告したことも伝えられている。
宮城さんは「検挙されるのは一部で、検挙数の背後でどれだけ大勢の女性が泣き寝入りしているか分からない」と説明。事件が繰り返される背景に「沖縄が日本とアメリカの植民地状態であり、民族差別、女性差別が続いている」と指摘。「沖縄の女性が独自に性暴力を断ち切ることはもはや不可能。だから日米同盟の意義を問い、米軍基地の撤去を求めている」と訴えた。
「『法廷』は何を裁き、何が変わった」というテーマの中で、米軍の駐留する沖縄では問題はまだ「続いている」と訴えているのである。セラーズはこの言葉をどう聞いたのか?共同通信の配信と思われる日本のニュースでは、彼女は「弱い立場の女性が人身売買で性奴隷とされることは、現在も続いている」とコメントしたことになっているのだが、
それだけ??
「加害国(日本)」「連合国」「被害国」に色分けするのでなく、各国が自分の加害行為を清算し、再発防止に努めるべきではないのか?セラーズのアメリカはそれをしていない、と言われているのである。日本に圧力をかけよと訴えるセラーズは、その前に自国政府に「圧力をかけて」自国の軍隊の問題を解決してみせるべきだろう。(当日の予定表を見ると、最後までいなかった可能性もある)
対米プロパガンダ(朝鮮戦争)
女性国際戦犯法廷から10年、東京で国際シンポ
市民社会の責任 「加害国日本に圧力を」
2000年12月に東京で開かれた日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷から10周年を迎え、「法廷は、何を裁き、何が変わったか~性暴力・民族差別・植民地主義~」と銘打つ国際シンポジウム(共催=同シンポ実行委と東京外語大学海外事情研究所など)が、5日、東京・府中市の東京外語大学ホールで開かれた。
シンポには、「法廷」の首席検事を務めたパトリシア・ビザー・セラーズさん(元国連人権高等弁務官事務所・女性の人権とジェンダー・セクションの法律顧問)、「法廷」国際実行委共同代表だった尹貞玉さんとインダイ・サホールさん(国連人権高等弁務官事務所・太平洋地区ジェンダーアドバイザー)をはじめ南、中国、米国、フィリピン、インドネシア、台湾などから日本軍性奴隷被害女性たちとその支援者たち500余人が参加した。
シンポではまず、この10年の間に他界した被害女性たちに黙祷した後、主催者を代表して東海林得子・実行委委員長があいさつした。同氏は「10年前、法廷が戦時性暴力という不正義を裁き、日本史上初めて戦争当時最高責任者であった昭和天皇が裁かれ、国際史上例を見ない残虐で組織的な性暴力が行われたことが認定され、9人の日本軍責任者および日本政府の責任が問われた」とその歴史的意義を誇らしく振り返った。
シンポの第1部では、パトリシア・ビザー・セラーズさんが基調講演に立ち、「この間、1人ひとりの被害者らは、繰り返し、日本政府を提訴して、賠償を求めてたたかってきた。10年前の『法廷』の判決の脚注36は、『本判決の判決を確実に各方面に伝え、実行に移すのは、グローバルな市民社会の課題である。加害国日本、第2次大戦時の連合国各国及び被害国の市民社会には、日本政府が補償を実行するよう圧力をかける特別の責任がある』」と指摘した事実をあげて、同氏は「法廷」10周年を記念するこの場が、「市民社会による判決の実行のひとつの形だ」と強調した。
第2部ではアジアの日本軍性暴力被害者の証言が続いた。中国から来た韋紹蘭、羅善学さん親子は桂林で行われた残虐な住民虐殺と略奪、慰安所での野蛮極まりない拉致、監禁、強かんの実態について具体的な証言をした。韋紹蘭さんは、1944年11月、洞窟に隠れていて他に移ろうとしたとき日本軍に発見され、桂林に連行され、約3カ月部屋に監禁されて、連日兵士の相手をさせられたと涙ながらに証言をした。そして、ここで身籠り生まれたのが羅善学だった。その後、羅さんは村人たちから「日本鬼子の子」と蔑まれたことなど不幸な半生を慟哭しながら語った。羅さんは「私の人生は台無しだから何も望まない。ただ日本政府が母に対して行った仕打ちを謝罪し、賠償してほしい。みんなでたたかい続けよう」と呼びかけた。
また、フィリピン・ルソン島で被害にあったナルシサ・クラベリアさんも証言に立ち、1943年、14歳で慰安婦にさせられた体験と日本兵によって両親、弟妹が目前で虐殺された体験を詳述した。ナルシサさんは「8歳の妹は捕まえられ、空中に放り上げられて落ちたところを銃剣で刺し殺され、弟は水がめが置いてある家の台所に連れていかれ、そこで殺害された。父はのどから性器のところまで皮膚を剥がされて、まるで豚を殺すようにして殺された。母はレイプされ命を奪われ、その後家を焼かれた。ともに慰安所に連行された2人の姉のうち1人は、無惨な体験によって正気を失い、もう1人は行方不明、マニラで働いていた姉も日本軍によって性暴力を受けた」と悲惨きわまりない体験を語った。
第3部では「法廷の判決・勧告/証言をどう引き継ぐか」が行われた。また、同シンポには朝鮮・日本軍慰安婦・強制連行犠牲者問題対策委員会と朝鮮民主女性同盟中央委員会から連帯のメッセージが寄せられた。また、朝鮮検事団代理として丁煕子・女性同盟中央副委員長が出席した。
シンポでは「慰安婦問題解決のために、戦争と性暴力が繰り返されない21世紀を創るために、それぞれの生きる場でこれからも力を尽くす」ことを宣言し、閉会した。(文・朴日粉、写真・尹梨奈)
朝鮮新報 2010.12.7
【東京】従軍慰安婦問題など戦時中に起きた性暴力の責任を問い昭和天皇や当時の政府・旧日本軍責任者らを裁いた民間法廷「女性国際戦犯法廷」の開催から10周年を記念した国際シンポジウム「『法廷』は何を裁き、何が変わった」(女性国際戦犯法廷10周年実行委員会主催)が5日、東京都府中市の東京外国語大学で開かれた。元慰安婦らの被害体験を共有し、今後も政府に明確な謝罪と補償を訴え、二度と慰安婦制度が繰り返されないために行動することを確認した。
パネル討論では沖縄女性史家の宮城晴美さんが在沖米兵による性犯罪の実態を報告。宮城さんは「検挙されるのは一部で、検挙数の背後でどれだけ大勢の女性が泣き寝入りしているか分からない」と説明。事件が繰り返される背景に「沖縄が日本とアメリカの植民地状態であり、民族差別、女性差別が続いている」と指摘。「沖縄の女性が独自に性暴力を断ち切ることはもはや不可能。だから日米同盟の意義を問い、米軍基地の撤去を求めている」と訴えた。
元慰安婦のナルシサ・クラベリアさん(フィリピン)は、強制的に日本軍駐屯地に連れて行かれ、無理やり兵士の相手をさせられた体験を涙ながらに語り「日本政府が被害を認めないことに怒りを感じる。女性の尊厳を求める闘いを続けないといけない。たとえ一人になったとしても闘い続ける」と語った。
琉球新報2010.12.7
元慰安婦が謝罪や補償を要求 性暴力法廷10年集会
2000年に東京で開かれた「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」から10年を迎え、慰安婦問題を再考する国際シンポジウムが5日、東京都内で開かれた。
フィリピン人元慰安婦のナルシサ・クラベリアさん(80)は「日本兵に家族を殺され、駐屯地に連れて行かれて毎晩レイプされた。強制労働、空腹など、この世のすべての苦痛を経験した」と証言。日本政府に謝罪や補償を求めた。
韓国や台湾、インドネシアの出席者からも、元慰安婦が高齢化する中、早急な解決を求める声が相次いだ。
また、元慰安婦の中国人女性と日本兵の間に生まれた男性は「名誉は一生かけても回復できない」などと訴えた。
同法廷の首席検事を務めた米国の法律家パトリシア・セラーズさんは「弱い立場の女性が人身売買で性奴隷とされることは、現在も続いている」と指摘した。
岩手日報(共同?)2010.12.5