ニュージャージー州に建てられた碑に続き、ニューヨーク州のアイゼンハワー公園にも日本軍慰安婦の碑が建てられた。アメリカを舞台にした一連の動きを巡る日本の保守派議員と外務省の役人との問答。これらの碑には、20万人の女性が(日本軍によって)慰安婦として拉致されたと刻まれている。議員たちはこれに憤慨しているのだが・・・。
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やり取りを聞いていると、河野談話がいかに日本の外交(官)を縛っているかが分かる。
まず、稲田朋美(自民)が、日本軍が20万人の女性を拉致して慰安婦にしたという話、キョウギノキョウセイ(こんな言葉を使うから、揚げ足を取られる)をちゃんと否定したのかとアジア大洋州局の山内参事官を詰問している。(分かり易いよう、実際の発言を書き改めた)そして、新藤義孝議員も役人に苦言を呈するのであるが・・・。
稲田: 「20万人は嘘、キョウギノキョウセイはないという事で抗議したのか?」
外務省: 「政府は一貫して河野談話に基づき説明している。慰安婦の総数は不明。20万以上という数字は根拠がないと・・・」
稲田: 「そんなんじゃダメ(怒)」
外務省: 「日本軍によって拉致されたかについては・・・募集には軍の要請を受けた業者が主に当たった。本人たちの意志に反して集められた事例が多かった。官憲などがこれに加担したこともあった(河野談話)。・・・こういう立場に立って、言うべきことは言っていく」
新藤議員: 「それは、やってないって事だ(怒)。内閣官房は『20万人』『強制』『性奴隷』『収容所』についてどういう見解か?」
内閣官房: 「河野談話に尽きる。総数は不明。 強制性、拉致されたという部分に関しては、募集は軍の要請を受けた業者が主に当たった。本人たちの意志に反して集められた例が多かった。官憲等がこれに加担したことが明らかになった・・・というのが、政府見解」
自民党領土に関する特命委員会 2012.6.19
これでは幾ら役人を叱りつけても無駄だろう。河野談話が政府の公式な立場となっている現状で、どうやって外交官たちに諸外国を説得させようというのか?河野談話の下では、どう弁解しても「日本軍は直接拉致に手を染めず業者にやらせていた」と解釈されるのが、せいぜいだろう。外交官は日本政府の公式見解に縛られているのである。政府見解を変えるのは政治家の仕事であり、さらに言うなら河野洋平は新藤や稲田と同じ自民党である。
本人が談話の主旨を説明すれば
国際社会の誤解は解けるだろうに
国際社会の誤解は解けるだろうに
河野談話という制約があるから、廣木ニューヨーク総領事の説得もあの様な無様な結果になるのである。総領事のパリセイズパーク訪問は、日本の保守系議員たちの圧力によるものだろうが、失敗に終わるのは必然であったのだ。ここではカットされているが、新藤議員は手続き的なことで役人を難詰しているが、そんな事はどうでもいい。抗議が目的ではなく、(国際的な)誤解を解くことが目的なのだから。