「第2のアジア女性基金を提案することは可能かとの質問に対し、日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気があるとした上で、現在の日本の雰囲気では提案を出せない」
・・・第二のアジア女性基金は、野田政権下などで検討されていたようであるが、けっきょく実現しなかった。挺対協が妥協しようとしなかったのが主因だろうが、「日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気がある」という大沼の指摘も正しい。現在の韓国側の強硬姿勢が、安易な妥協に走り勝ちな日本政府を押しとどめてくれている。
ただ、最近の韓国メディアは、原理主義者らとは一線を画すパク・ユハ教授にも一定の理解を示すし、こうしてアジア女性基金の関係者の話にも耳を傾けるようになった。隔世の感がある。しかし、「韓国社会の一部」に基金が批判された?当時女性基金を評価した人など韓国にいたのだろうか(償い金の受け取りを希望した元慰安婦以外に)?韓国の空気は確実に変わって来ているが、今さら女性基金に対する評価を変えてもね。
大沼氏は韓国内の元慰安婦支援団体にも言及。慰安婦問題を反日問題にしたことで、問題が変質してしまったと主張した。
元慰安婦支援団体とは挺対協のことだろうが、大沼が団体名を言わなかったのか、聨合ニュースが臆して名前を伏せたのか?
元女性基金理事の大沼保昭氏 韓国の慰安婦問題対応に絶望
元慰安婦に対する補償事業などをしていた「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金、2007年解散)の元理事、明治大の大沼保昭特任教授はこのほど訪日した韓国メディアの報道陣に対し、韓日両国間でこじれる慰安婦問題に対し、韓国の現在の状況については失望を超え絶望していると主張した。
大沼氏は慰安婦被害者の不幸な出来事をどうにかして払拭することを考えなければならないと指摘。その一方で、慰安婦問題がいつからか極度に政治化してしまったと説明した。
村山富市政権の1995年に発足した同基金は民間などの募金を基にしていたこともあり、韓国社会の一部から日本政府の責任回避の手段と批判され、償い金の受領を拒否する被害者が相次いだ。
大沼氏は第2のアジア女性基金を提案することは可能かとの質問に対し、日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気があるとした上で、現在の日本の雰囲気では提案を出せないだろうと述べた。
また日本が慰安婦問題の解決を目指そうとしたことについて、韓国側があまりにも評価しなさすぎたため日本側はダメージを受けたと紹介。朴槿恵(パク・クネ)大統領が、このことを十分に理解しているかどうか懸念しているとの見解も示した。
さらに、朴大統領が日本に対し慰安婦問題でこれまでよりも強い謝罪を要求すれば、日本社会が許さないだろうと指摘。韓国政府が現在のような強硬姿勢を続けるなら、得られるものはないのではないかとの考えを示した。
大沼氏は韓国内の元慰安婦支援団体にも言及。慰安婦問題を反日問題にしたことで、問題が変質してしまったと主張した。
聯合ニュース日本語版 2014.8.31