産経新聞の編集局編集委員久保田るり子の解説。
選挙期間中に慰安婦像を撤去することに、与党であっても大統領候補がいい顔をするはずがない。グズグズしている内に政権交代でも起これば、慰安婦像を動かそうという者は誰もいなくなる。日本政府が10億円の拠出を急ぐのは、こういう理由も大きいのだろう。米国を立ち会わせた以上、「不可逆的解決」が丸ごと雲散霧消するとは考え難いが・・・。10億円拠出問題に関しては、産経新聞が意外にも現実的で驚く。実に意外である。
日韓合意で10億円拠出へ 条件のはずの慰安婦像撤去で韓国は早くも「年内は無理」と逃げ腰だが…
・・・韓国は来年12月に次期大統領選を控え、来年夏には大統領選の政局が本格化する政治の季節に入る。慰安婦像撤去は反日ナショナリズムをあおる格好の材料だけに、来年夏前に像の移転・撤去への動きが出ない場合、政府与党として「適切に努力する」とした日本との“約束履行”が困難になる状況もあり得る。
朴槿恵政権で慰安婦像が動かせなかった場合、次期政権がこれを引き継ぐ可能性はほとんどない。「和解・癒やし財団」も朴槿恵政権内の解散を予定しているため、不可逆的な解決は雲散霧消、慰安婦像だけが残るとの事態も考えられる。
産経(一部) 2016.8.22