女子挺身隊に送った教え子の安否を気遣った日本人教師の話が、韓国のマスコミによって日帝の蛮行の話にすり替えられたこの一件は、黒田と同じく当時ソウルにいた西岡力も書いてる。彼は問題の記事を書いた記者の一人に直接取材し、少女たちが慰安婦でなかったことを知りながら、あえてあのような書き方をしたのだという事を聴き出している。そのくだりと東亜日報の問題の記事は以前のエントリーで確認いただければと思う。
ここでは黒田の著書より引用。
話は終戦の前年、当時ソウルで国民学校(小学校)の先生をしていた日本女性が、女子児童6人を内地(日本)の軍需工場に「女子挺身隊」として派遣したことが戦後も気掛かりで、韓国を訪問して教え子たちの消息をたずね歩き、全員が無事だったことを確認したというものだった。
ところがこの話をもとに韓国マスコミは、韓国の小学校に保管されている過去の学籍簿から「女子挺身隊選抜」の記録を探し出し「日帝の蛮行!」と一斉に伝えた。
「女子挺身隊」は工場での勤労奉仕を意味する「勤労挺身隊」だったのだが、韓国では以前から「挺身隊イコール慰安婦」という思い込みができあがっていたため、世論は「児童を慰安婦として連れていった」と理解し激高した。マスコミはあえて「工場での勤労動員であって慰安婦ではない」と否定しなかったからだ。
当時のメモを振り返ると、新聞社説は「12歳の国民学校生徒まで戦場での性的おもちゃとして踏みにじった」とし「勤労挺身隊は真っ赤なウソ」とまで書いている。テレビ解説は「12歳の幼い少女を戦場での性のいけにえぬするという残酷きわまりない日本の蛮行」と伝えている。
韓国の12歳は数えだから満でいえば11歳だ。こんな報道がマスコミあげて大々的に展開されればどこの国民だって民族感情を刺激され激高するだろう。この報道ぶりは「意図的な誤報」といってもいいが、これでは反日感情はいやがうえにも高まらざるをえない。