2016/06/09

「日本を代表する歴史家団体」日韓合意を非難、その屁理屈

またこの人たち(5.30)

「日本を代表する歴史研究家の団体(韓国メディア)」が、12.28合意を批判する声明を発表した。日本歴史学協会と聞いても、日本人は左翼(に牛耳られた)団体だろうとしか思わないだろうが、外国人には分かるまい。この人達は、2年前も日本政府が慰安婦問題に関して不当な見解を有していると批判する声明を出し、韓国メディアを喜ばせた。欧米の日本研究者らによる187人声明の呼び水になったのも彼らだろう。

そんな彼らが今度は昨年の日韓合意を非難し、またも韓国メディアを勇気づけている。言ってることは挺対協と変わらない。それにしても、日韓が非難合戦を止めたら研究の進展に支障が生じるとか、どういう頭の構造をしているのだろう?吉見裁判とか、つまらない話まで持ち出している。

今回の合意で「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」し、国際社会において「互いに非難・批判することを控え」るとの表現によって、今後、歴史研究の進展にともなう新たな評価と問題解決の可能性が失われる

さて、前回「日本の歴史家を支持する声明」を発表して彼らを応援した欧米の学者らは、今回も「日本の多くの勇気ある歴史家」に対する支持を表明するか?恥の上塗りである。ぜひやって欲しい。

声明は英訳もされている

日本軍「慰安婦」問題をめぐる最近の動きに対する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明

わたしたち日本の歴史学会・歴史教育者団体は、日本軍「慰安婦」問題(以下、「慰安婦」問題)をめぐって、2015年5月に「「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明」を発表した。だがその後、12 月28 日の日韓外相会談後におこなわれた共同記者発表(以下、日韓合意)と、2016 年1月 20 日に言い渡された、吉見義明氏の名誉毀損をめぐる裁判(以下、吉見裁判)における原告敗訴の判決という、ふたつの大きな動きがあった。それらに対して、わたしたちは、以下の問題を指摘する。

今回の日韓合意は、第一に、「慰安婦」制度の責任を曖昧にしている。歴史研究は、日本政府・日本軍が軍の施設として「慰安所」を立案・設置・管理・統制したこと、「慰安婦」制度の本質は性奴隷制度であったこと、当時の国内法・国際法に違反していたことを明らかにしてきた。合意はそれらを踏まえておらず、「慰安婦」制度の責任については「軍の関与」という曖昧な認定にとどまっている。第二に、元「慰安婦」の方々の名誉や尊厳という人権に深く関わる問題について、当事者を置き去りにしたまま、決着をはかろうとしている。今回の合意で「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」し、国際社会において「互いに非難・批判することを控え」るとの表現によって、今後、歴史研究の進展にともなう新たな評価と問題解決の可能性が失われるのは不適切である。加えて、合意は歴史教育に言及しておらず、実際に教科書から「慰安婦」問題に関する叙述が削られる事態が進行している。教育によって歴史的事実を伝えていくことを、あらためて求める。日韓合意には、総じて当事者の思いや意思を顧みようとする姿勢がみられない。こうした、政府間で一方的に「解決」を宣言し、以降の議論を封殺するかのごとき手法では、「慰安婦」問題の抜本的な解決はありえない。

一方、吉見裁判の判決文において、東京地方裁判所は、2013 年5 月に桜内文城衆議院議員(当時)が吉見義明氏の著書をめぐって「捏造」と発言したことを、「名誉毀損に該当する」と認定しながら、「意見ないし論評の域を逸脱したもの」とはいえないとして免責し、原告の請求を棄却した。「捏造」とは、おもな辞書によれば、「事実でないことを事実のようにこしらえ」る意であり、判決は、実証という手続きをかさね、学界で広く受け入れられてきた研究成果を、「捏造」と公言することの重大さを理解していない。研究者にとって、自らの研究成果が「捏造」と評されることは、研究者生命に直接関わる問題である。そうした事情を斟酌することのない発言と、それを容認するかのごとき不当な判決を、見過ごすことはできない。

ふたつの動きは、問題の重要性を軽んじ、当事者を置き去りにしたまま、きわめて強引に「慰安婦」問題の幕引きをはかろうとする点で共通している。日韓両政府の関係者および日本の司法関係者が、「慰安婦」問題と真摯に向きあい、その真に根本的な解決にむけて取り組むことを求める。

 2016 年5 月30 日

 歴史学関係15 団体
 日本歴史学協会
 大阪歴史科学協議会
 大阪歴史学会
 ジェンダー史学会
 専修大学歴史学会
 総合女性史学会
 千葉歴史学会
 東京歴史科学研究会
 名古屋歴史科学研究会
 日本史研究会
 日本史攷究会
 日本思想史研究会(京都)
 歴史科学協議会
 歴史学研究会
 歴史教育者協議会

英語版: A Joint Statement from Japanese Historians and History Educators on Recent Developments in the Japanese Military’s “Comfort Women” Issue


6 件のコメント:

  1. 声明に名を連ねている団体の一つは、43年前にこんな本を出してますね。かの千田夏光『従軍慰安婦』が刊行された翌月です。
    歴史学研究会編『太平洋戦争史〈6〉 サンフランシスコ講和』(青木書店、1973年)「さらに悲惨だったのは戦場に連行された人々である。戦局がきびしくなると兵力不足を補うために朝鮮人を強制的に軍隊に編入した。(略)多数の女子が慰安婦として戦場に連行され、日本兵の欲望の犠牲になるという、民族としての恥辱をあたえられたのである」(29〜30頁)
    今頃騒ぐなら、当時もっと大騒ぎすれば良かったんです。まだ慰安婦の親の証言が取れましたよ。

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    1. 結局、朝日新聞のキャンペーンがこういう騒ぎを引き起こしたということなのでしょうね。

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    2. 43年前だと韓国はまだ軍政下だったから難しかったかもしれませんが、国内だけでも丁寧なフィールドワークをしておけば良かったんですよ。
      当時は無視された論文かもしれませんが、本当にそういうことがあったのかという検証がなされなかったのは痛いですよね。

      仮説がろくに検討もされず定説になった感が否めませんね。

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    3. 追加
      戦争にまつわる性の問題のやっかいさは、当人が「実名で出てきづらい」ってことなんですよね。
      慰安婦問題に限らず、強姦とかでもそう。
      匿名で証言を集めておいても「でっち上げだ」と言われますし、本人に出てこいと言えばセカンドレイプだし。

      だからこそ証言だけではない、書類とかで丹念に追っていかなければいけないのですが……

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  2. 去年、私を絶望のどん底に落とした187人声明の人たち、最近とんとニュースで聞こえてきませんね(日本語メディアに出ないだけかもしれませんが)
    あれは一種の署名みたいなもので、組織ではないようなので、動きが見えなくても仕方ないですが…

    >青民草さま
    そうですよね。騒ぐというか、きちんと一人一人を探して証言や書類の裏取りをしておくべきでしたよね。
    >慰安婦の親 あの頃だったらまだ生きてたかもしれないですね。慰安婦本人が40から50代くらいの頃だったでしょうから。

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    1. ウヤムヤにするのではなく、根気強く公開討論を呼びかけるなり真意をただすなりすべきでしょうね。

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