2012/12/11

ファイナンシャル・タイムズ「安倍は歴史を誤魔化し、近隣諸国の怒りを買った」


恐らくだが、安倍は「戦争中の歴史を恥じない」などと言ったことはないのだろう。しかし、彼は欧米メディアからそういう目で見られている。

ファイナンシャル・タイムズは安倍が「従軍慰安婦問題など日本の戦時中の歴史の一部をごまかすことに固執」したと言うが、慰安婦問題以外に何か思い当たることでもあるのだろうか?たぶんないだろう。FTタイムズは、安倍を慰安婦の存在を否定しようとした日本の右翼政治家として記憶しているに過ぎない。で、なんとなく、それ以外にも日本の戦時中の悪行を無かったことにしようとしていたのだろうと思っている。具体的に何?と聞かれれば返答に窮するだろう。

安倍は「戦時中の歴史の一部をごまかし」たわけでもなく、近隣諸国も本気で怒っていたわけではない。韓国などは怒る振りをして、日本を困らせていたに過ぎない。しかし安倍がこの様に誤解されるのは、彼自身にも原因がある。安倍は近いうちに首相に返り咲く。5年前の失言により、彼自身も誤解されたが、国際的に慰安婦問題が(間違った形で)広まった事で、日本国全体も見に覚えのない罪を着せられたのである。

安倍が総理大臣として任期中に5年前の汚名を晴らすことが出来るかどうか。出来なければ、彼も河野洋平と変わらない。動機の純粋性はどちらにも当て嵌るが、それで免責はされない。


(2012年12月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

自民安倍氏、消去法的な支持集める(社説)

自民党の安倍晋三総裁の復活は、最近の複雑な日本の政治状況においても最も不思議なことの1つといえる。5年前―そして5人前に―首相だった安倍氏が在職1年で突然辞任した時、復活を予想した人はほとんどいなかった。戦時中の歴史を恥じない「美しい国」を作るという目標を掲げたが、景気低迷に苦しむ国民には不人気だった。

■尖閣問題や民主党の失策などが追い風に

ただ、状況は大きく変わった。最も重要なのは、日本が実効支配する尖閣諸島について、中国が領有権を強く主張し始めたことだ。中国各地で激しい反日デモが起こり、多くの日本人に同国に対する懸念を抱かせた。この「尖閣ショック」が安倍氏に有利に働いた。日本は軍隊の保有を禁止する平和憲法を改正すべきだと主張しており、軍事費の増額も求めるとみられるからだ。

2番目の要因は、3年間で3人の首相が就任した民主党の失策だ。安倍氏の自民党が半世紀以上にわたり政治を支配した後、日本再生の期待を背景に民主党が2009年に政権を奪取した。もっとも民主党はチャンスを生かせず、日本は方向性を見いだせずにいる。

3番目の要因は、安倍氏がデフレ脱却に向け積極的な政策を検討していることだ。日銀に2~3%のインフレ目標を設定させ、目標達成まで紙幣を刷り続けるような総裁を任命するというアイデアをこれまでに示している。中央銀行の独立性を脅かさない限り、安倍氏の大胆な姿勢は歓迎すべきだ。むしろ、撤回するのがやや早過ぎた。

■幻想を抱いてはならない

もっとも、安倍氏に幻想を抱いてはならない。前回はひどい首相だった。国内ではリーダーシップと斬新なアイデアを欠いた。対外的には、従軍慰安婦問題など日本の戦時中の歴史の一部をごまかすことに固執し、近隣諸国の怒りを招いた

リーダー候補として安倍氏がベストに見える理由は2つ。中国の誤った外交政策と、他に適任者を輩出できない日本の悲惨な政治状況だ。

日経 2012.12.10 (FT 2012.12.10)


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