2015/05/27

「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明


河野談話とは「日本軍が『慰安婦』の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明」なのだそうな。日本政府の公式見解は、強制連行を裏付ける資料は発見出来ずであったはずなのに、なぜ官房長官談話が「軍が強制連行に関与したことを認めた」ものになるのか?強制連行やら性奴隷やら187人声明より遥かに過激な内容に、187人声明を主導したダデン女史も羨ましかろう?なお、英語版では強制連行をforced recruitment(強制的な募集)と訳している。この間の秦・大沼教授の会見でもforced recruitmentと訳されていたから、今の定訳と見ていいのだろうが、意図的にこう訳しているのではないかと疑ってしまう。このforced recruitment という英訳について思うことは他にもあるが、繰り返さない。

慣れている人なら、慰安婦を「」付きで記述している時点でピンと来る。声明をまとめたのは、偏りのない日本人(学者)ではない。平均的な日本人の常識を反映したものとは考えない方がいいだろう。日本のマスコミからは、あまり相手にされていないという指摘もある。

「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明

『朝日新聞』による2014年8月の記事取り消しを契機として、日本軍「慰安婦」強制連行の事実が根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家やメディアの間に見られる。われわれ日本の歴史学会・歴史教育者団体は、こうした不当な見解に対して、以下の3つの問題を指摘する。

第一に、日本軍が「慰安婦」の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明(河野談話)は、当該記事やそのもととなった吉田清治による証言を根拠になされたものではない。したがって、記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。強制連行された「慰安婦」の存在は、これまでに多くの史料と研究によって実証されてきた。強制連行は、たんに強引に連れ去る事例(インドネシア・スマラン、中国・山西省で確認、朝鮮半島にも多くの証言が存在)に限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例(朝鮮半島をはじめ広域で確認)も含むものと理解されるべきである。

第二に、「慰安婦」とされた女性は、性奴隷として筆舌に尽くしがたい暴力を受けた。近年の歴史研究は、動員過程の強制性のみならず、動員された女性たちが、人権を蹂躙された性奴隷の状態に置かれていたことを明らかにしている。さらに、「慰安婦」制度と日常的な植民地支配・差別構造との連関も指摘されている。たとえ性売買の契約があったとしても、その背後には不平等で不公正な構造が存在したのであり、かかる政治的・社会的背景を捨象することは、問題の全体像から目を背けることに他ならない。

第三に、一部マスメディアによる、「誤報」をことさらに強調した報道によって、「慰安婦」問題と関わる大学教員とその所属機関に、辞職や講義の中止を求める脅迫などの不当な攻撃が及んでいる。これは学問の自由に対する侵害であり、断じて認めるわけにはいかない。

日本軍「慰安婦」問題に関し、事実から目をそらす無責任な態度を一部の政治家やメディアがとり続けるならば、それは日本が人権を尊重しないことを国際的に発信するに等しい。また、こうした態度が、過酷な被害に遭った日本軍性奴隷制度の被害者の尊厳を、さらに蹂躙することになる。今求められているのは、河野談話にもある、歴史研究・教育をとおして、かかる問題を記憶にとどめ、過ちをくり返さない姿勢である。

当該政治家やメディアに対し、過去の加害の事実、およびその被害者と真摯に向き合うことを、あらためて求める。



2015年5月25日



歴史学関係16団体      

日本歴史学協会     

大阪歴史学会      

九州歴史科学研究会   

専修大学歴史学会    

総合女性史学会     

朝鮮史研究会幹事会   

東京学芸大学史学会   

東京歴史科学研究会   

名古屋歴史科学研究会  

日本史研究会      

日本史攷究会      

日本思想史研究会(京都)

福島大学史学会     

歴史科学協議会     

歴史学研究会      

歴史教育者協議会



Joint Statement by Associations of History Scholars and Educators in Japan on the "Comfort Women" Issue

Triggered by the retraction of articles in the Asahi Shimbun in August 2014, certain politicians and sections of the media have made statements which intend to cast doubt on the wartime issue of the "comfort women" and facts regarding their forced recruitment by the Imperial Japanese Army. In light of such injurious statements, associations of history scholars and educators throughout Japan have come together to jointly issue this statement, and to point out the following three problems with these unjust points of view.

Firstly, the Kono Statement, in which the Japanese government officially acknowledged the involvement of the Imperial Japanese Army in the establishment and operations of military brothels, including the forced recruitment of women, is not based on the retracted Asahi articles; nor does it rely on the testimony of Seiji Yoshida, a former member of a semi-governmental organization for wartime mobilization, which was cited in the articles. Accordingly, the retractions do not undermine the historical basis of the Kono Statement. The existence of forcibly recruited "comfort women" has been verified by many historical records and extensive research. It should be understood that forced recruitment of "comfort women" was not limited to cases of straightforward kidnapping (confirmed in Semarang, Indonesia and the Shanxi Province in China and testified to by many in the Korean Peninsula), but also included cases of recruitment against the will of the individual (widely confirmed, particularly in the Korean Peninsula).

Secondly, those who were made "comfort women" fell victim to unspeakable violence as sex slaves. As recent historical studies have shown, victims were subjected not only to forced recruitment, but also to conditions of sexual slavery which violated their basic human rights. Furthermore, the "comfort women" system was based on structures of institutionalized discrimination between the colonizer and the colonized that was a fundamental part of everyday, imperialist-Japanese rule. Therefore, even if there had been something such as a contract for sex trafficking, ignoring the systems of inequality and injustice which formed the backdrop to these arrangements, and thereby disregarding the political and social context of the time is to miss the full picture.

Thirdly, due to coverage by sections of the mass media which has intentionally overemphasized the "misreporting" of the issue, some academics engaged in the "comfort women" issue, as well as their affiliated organizations, have been unfairly attacked with threats calling for their resignation or the cancellation of their lectures. This is a violation of academic freedom and must be emphatically rejected.

By continuing to take the irresponsible stance of denying the facts of wartime sexual slavery in the Japanese military, certain politicians and sections of the media are essentially conveying to the rest of the world that Japan does not respect human rights. This kind of attitude tramples further upon the dignity of the victims, who have already born terrible hardships. Thus, what is required now is-- as declared in the Kono Statement--an attitude that seeks, through historical research and education, to remember the issues and never repeat past mistakes.

We renew our demand for all concerned politicians and media outlets to squarely face up to the damage that Japan inflicted in the past, as well as to the victims.

7 件のコメント:

  1. 正直慰安婦問題で騒ぐことで人権が守れるのかと大いに疑問を感じる。

    挺対協は、アジア女性基金から、お金を受け取った元慰安婦を社会的に抹殺した。人権弾圧の実績がある組織だ。

    韓国では、知的障碍者を塩田などで過酷に使役する例が後を絶たない。海外での組織売春は、パスポートの取り上げや、前借金への高利などで、実質女性を奴隷化している。

    中国では、人権弾圧のオンパレードだ。チベット・ウイグル・内モンゴルでは、民族浄化が行われているが、経済的な恫喝で、欧米も口をつぐんでいる。日本は責任あるアジアの先進国として、告発し続ける必要がある。
    一人っ子政策で女の子の出生を届けないから、無戸籍の女性が沢山いて、地下組織により人身売買される。脱北者の女性も、中国人の家で性奴隷にされている。

    こういう事実に目をつぶっている歴史学会が、慰安婦問題だけに目を向けのは現実逃避としか思えない。人権を語る資格があるのだろうか。

    返信削除
  2. 山路 敬介2015年5月28日 0:45

    歴史学会のこのような動きは国内では、もはやナンセンス以外の何物でもありませんねェ。
    もっともこうした声明出す意味は日本国内向けというよりは、米国内の一部マスコミや民主党系歴史家、米国めぐりをしている植村隆らの行動を側面援助する目的のほうが大きいのでは?

    上のEiji Nakanoが書いておられる。
    >こういう事実に目をつぶっている歴史学会が、慰安婦問題だけに目を向けのは現実逃避としか思えない。人権を語る資格があるのだろうか。

    「慰安婦問題」というのは、けっして「普遍的な女性の人権の問題」などというものじゃない、って事です。

    返信削除
  3. (1)歴史学研究会の会員2200人、大半が中学高校の社会科教員、しかも日本共産党の影響下にある。職業・所属・年令に関係なく、人民がどうのこうの綱領に賛同すれば会員になれる。
    (2)他は大学学内の教授が運営する学内学会で学部学生全員が会員。
    (3)日本の歴史学者6900人が賛同、1万人に雪だるま式に増加と韓国では報道されている。そんな大勢の歴史学者が日本にいるか?という話。詐欺だよ。先の米国学者の生命に便乗してる。「消防書の方から来ました」の消火器詐欺、おれおれ詐欺と同じ。署名したわけでもなく歴史学者でもないのに、騙されちゃダメだよ。

    中央日報は歴史学研究会は日本最高の歴史学会と昔から書いている。もちろん捏造。綱領を持ち「歴史学の発展は人民と結びつく事」だなんて「綱領」を持つまともな学会などある訳がない。

    返信削除
    返信
    1. http://rekiken.jp/about_us.html
       歴史学研究会は、職業・所属・年齢・専門を問わず、会の綱領・会則に賛同する人が自由に 入会し参加できる、誰にでも開かれた全国的な学術団体です。現在、会員数は約2,200名で、年一回大会・総会が開かれています。

      歴史学研究会綱領
      第一 われわれは、科学的真理以外のどのような権威をも認めないで、つねに、学問 の完全な独立と研究の自由とを主張する。
      第二 われわれは、 歴史学の自由と発展とが、歴史学と人民との、正しいむすびつきのうちのみにあることを主張する。
      第三 われわれは、 国家的な、民族的な、そのほかすべての古い偏見をうち破り、民主主義的な、世界史的な立場を主張する。
      第四 われわれは、 これまでの学問上の成果を正しくうけつぎ、これをいっそう発展させ、科学的な歴史学の伝統をきずきあげようとする。
      第五 われわれは、国の内外を問わず、すべての進歩的な学徒や団体と力を合わせ、 祖国と人民との文化を高めようとする。

      歴史学研究会委員会 個人情報保護ポリシー
      (3)歴史学研究会委員会は、本人の同意を得た場合を除き、個人情報を第三者に公開、提供 しません。

      削除
  4. >しかし、私たちは昨年末に日本の歴史学研究会が発表した声明の影響を受けていました。歴史学研究会の声明は、安倍政権の「慰安婦」問題に対する姿勢を強く批判する内容でした。
    http://toyokeizai.net/articles/-/69930?page=4

    結局日本人が火付け役。いつもそう…。

    返信削除
  5. どうでもいいてすが、例の声明、日本の歴史学者の相当数がカウントされてますよ。私も呉座さんも 呉座さんは二回されてる?
    https://twitter.com/syakekan/status/603043701070307328?s=09

    私は4回カウントされてるな(大歴・歴研・日本史研・歴科協)。日本歴史学協会は昔は学術会議への選出母体だったが、今は何をやっているのか知らない。日本史攷究会と日本思想史研究会は初めて聞いた。 https://t.co/Fd9JX2tVQv
    https://twitter.com/toshiitoh/status/603050069214896128?s=09

    歴史家ってのは「慰安婦の人数は問題ではない」と説教を垂れながら自分達は数の威圧に頼るわけね。

    いつかはこの声明も「歴史」となるだろう。しかし誰が「歴史」を歪曲してたのかよく覚えておきたいものだ。

    返信削除
  6. 「めそめそ」です
    >日本談児様
    こちらに書かれたツイートは日本談児様のものではなく、他の方の引用でしょうか。ちょっと紛らわしい印象を受けました(^^;)

    それぞれの会員同意なく該当団体の幹部だけで声明を出してしまってるんでしょうかね。

    それで複数の学会・団体に所属する人が重複カウント…と。

    だとすれば声明の内容以上に出し方が問題ではないでしょうか。

    返信削除