2012/01/09

鄭大均 「良心的日本人」が韓国人の中の偏見を助長



「良心的日本人」という言葉は、今でも韓国のメディアの中ではよく使われている。その「良心的日本人」たちが、実は日本に対する韓国人の偏見を助長し、日韓関係を歪めていると鄭大均は指摘する。80年代に日本と韓国の進歩派が提携した。実は慰安婦騒動もその流れの上にある。

和田春樹や高木健一は慰安婦騒動の中でも大きな役割を果たし、大江健三郎も慰安婦問題について発言している

今日の韓国に見てとれるのは、歴史に陥られると同時に、歴史を陥れているという状況であり、結果的には自己肯定派ばかりが意気軒昂としているが、日本のメディア言語空間を生活の地にしている人間として気になるのは、これら意気軒昂な韓国人とある種の日本人(や在日)たちとの連帯関係である。

ある種の日本人とはかつて韓国の「軍事独裁」や「独裁政権」打倒を叫びならがも、北朝鮮の本物の独裁や軍国主義には寛大であった政治的左翼・進歩派の人々であり、今日では人権主義者共生論者の装いで活動することが多い人である。彼らを進歩派と呼ぶと、その連帯の相手となるのは、80年代後半以降、民主化の過程で左翼思想が解禁されるにつれ急速に力をつけている韓国の進歩派である。

[...]これら二組の進歩派の間に、国際連帯が形成されるようになったのは80年代のことである。80年代は、ハングル世代が韓国社会の中堅を構成するようになった時期であるとともに韓国ナショナリズムが高揚した時期であり、一方の日本においては、共生論や人権論が日本人のアジア観を規定するようになった時期である。[...]かつて(保守派)の連帯が北朝鮮や中国、ソ連といった共産主義諸国の脅威を語るものであるとしたら、新しい連帯はむしろ過ぎ去った日本帝国主義の犯罪を暴こうとするものである。

日韓関係に加害と被害の役割分担を持ち込んだのは、これら進歩派たちの功績である。その韓国でもっとも知られた日本人は和田春樹、坂本義和、大江健三郎、高崎宗司、高木健一といった人々であろうか。彼らは韓国の知識人からその道徳性や韓国理解の深さゆえに「良心的日本人」などと呼ばれて賞賛され、賞賛されるがゆえに、自分たちの行為が、実は韓国人の日本に対する偏見やステレオタイプを助長し、その自己認識や他者認識をお目出度いものにし、結果的に韓国人が自身の「良い歴史」や「良い社会」を作り上げるのを困難にさせているのだということに気がつきにくい人々である。

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