ソウルで日本人相手の売春再び横行
ソウルで日本人相手の売春再び横行
「夜に明洞を歩いていると、『きれいなコいますよ』という誘いを10回も聞いたことがある」
ソウルの繁華街で出会った日本人観光客Hさん(33)は、特に大したことではないかのように韓国人女性との売買春の話を切り出した。日本人のNさん(32)も「韓国に行けば、日本よりも安く買春ができるという話が日本人男性の間で広がっている。どうせ遊びに来たのだから『楽しんでいこう』という男性も多い」と話した。
明洞・江南地区の中・低価格ホテルを中心として、日本人観光客相手の売買が横行している。江南区にあるAホテルのドアマン(35)は「昨年から日本の中年男性が買春相手の女性と一緒に歩く姿が増えた。安い宿に泊って、浮いた費用で女性を呼ぶケースが多い」と証言した。
2006年に「性売買(売買春)防止特別法」が施行されて以降、ソウル市内の売春街や性的サービスを提供するマッサージ店が減少する中、日本人観光客を相手にした売買春が急速に増えている。警察の取り締まりが厳しくなったことを受け、女性が日本人観光客相手の業者に集中しているためだ。
2010年半ばの100円=1200ウォン前後から、最近は同1490ウォン台へと円高ウォン安が進んだことも売買春が増えている一因だ。
1970年代に日本人が韓国にいわゆる「妓生(キーセン)観光」に訪れていたのと同じ状況が起きているというわけだ。
日本人観光客のSさん(24)は「夕方ホテルに戻るためタクシーに乗ると、派手な女性の写真が印刷された名刺を差し出し、売買春をあっせんする運転手もいる」と話した。
また最近は、日本人男性を相手にした「ポン引き」も登場している。通常、彼らは午後7-11時の時間帯に活動する。明洞でビラ配りのアルバイトをする男性(23)は「ポン引きは男性同士で来た日本人観光客を見事に見分け、彼らに付きまといながら上手な日本語で『女の子いますよ』と名刺を渡している」と語った。
日本人観光客専用の売買春情報サイトも少なくない。日本語の検索ポータルサイトで「デリヘル」「明洞」という単語で検索すると、日本語で書かれた韓国の売買春サイトが10個以上も出てくる。
あるサイトには「ホテルにチェックイン後、名前、ホテル名、部屋番号、好きな女性のタイプをお知らせいただければ、お好みのスタイルの女性を派遣します。観光と食事をゆっくり楽しんだ後、ホテルで翌朝までお過ごしください」と書かれている。観光ガイドまで兼ねた売春女性を派遣するという宣伝だ。価格については「会社員・女子大生は5万円、タレント・モデル級は10万円」と書かれている。
また、「××ハウス」という業者のサイトには、日本語で「韓国料理を食べながら、チマチョゴリ(民族衣装)を着た女性と朝まで伝統家屋で遊ぶことができる」と書かれている。日本人向け観光ガイドの女性(45)は「韓国に3-4回ほど来たことのある男性は、韓国の売買春サイトであらかじめ下調べし、どこで遊ぶかを決めてくるケースも多い」と話した