2013/05/29

橋下市長の一人負けも、一定の成果あり?


四面楚歌に陥り維新の会の支持率も低下、(本当の事を言った為に?)全てを失ったかのような橋下大阪市長。一方の挺対協とハルモニの日本ツアーは注目を集めて盛況だったらしい。橋下の完敗と言っていいのかもしれない。しかし、彼の敗北は無駄ではなかったと、産経の黒田勝弘は分析している。

橋下発言を一斉非難も…韓国世論に“一定の効果”

【ソウル=黒田勝弘】慰安婦問題に関する橋下徹・日本維新の会共同代表(大阪市長)の日本外国特派員協会での会見内容は韓国では予想通り「妄言」「詭弁(きべん)」「二枚舌」「卑怯(ひきょう)」などとマスコミで一斉に非難されているが、それでも慰安婦問題で日本側から提起されてきた疑問や反論などが紹介される機会となり、世論向けには一定の“効果”があったとみていい。

日韓の外交懸案としての慰安婦問題はすでに20年以上たつ。このため一般世論の関心は高くなく事実関係や経過に関する情報も十分でないなか、世論はマスコミの突出した反日報道で日本非難だけを一方的に印象付けられてきた

今回の橋下会見を機に韓国マスコミが「妄言」といい続けている日本側の主張の一端が具体的に伝えられた。とくに「国家の意思として組織的に(慰安婦女性を)拉致・人身売買をしたという証拠はない」「(元慰安婦の)証言には信頼性に疑問がある」と発言し、いわゆる“強制性”を認めた河野談話のあいまいさを指摘した点は、一つのメッセージになっている。

補償問題ではすでに解決済みとの日本政府の立場に立ち、問題があれば竹島(島根県隠岐の島町)と同じく国際司法裁判所で争ってはどうかという“案”も耳目を引いた。韓国では反日愛国の象徴になっている“独島(竹島)問題”を持ち出した橋下発言の反論に意表をつかれたかたちだ。

ただ橋下代表が元慰安婦に対する謝罪と反省は必要と語り、日本がすでに官民共同の「アジア女性基金」を通じ元慰安婦(61人)に「償い金」を手渡したことに触れながら、小泉純一郎首相の「おわびと反省の手紙」(2001年当時)を紹介しなかったのはミスだ

慰安婦問題は、韓国政府(金泳三政権)が河野談話(1993年)を評価し今後は外交問題にはしないとした時点や、その後の「アジア女性基金」など解決の機会はあった。しかし韓国側で対日強硬派の支援団体の力が強くなり、元慰安婦救済という人道的配慮より日本糾弾という反日運動になってしまった

市民運動全盛時代とあって韓国政府も強硬派の支援団体を説得できない。その象徴が在韓日本大使館前に不法設置された慰安婦記念像だ。国際法にも抵触する外国公館前の前代未聞の違法設置物さえ韓国政府は撤去できないでいる。

産経 2013.5.29  

しかし、橋下が犠牲になって勝ち取った成果を日本政府が生かせるかどうか・・・。今回の騒動で、多くの日本人は彼に味方しなかった。

橋下市長の「辞職」決議案、市議会自民共が協議

日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の一連の発言を受け、大阪市議会の自民、民主系、共産の3会派は、市長辞職を含めた政治的責任を求める決議案を30日の市議会最終日に提案する方向で協議を始めた。

可決されても拘束されないが、自民市議団幹部は「市政に混乱を招いた責任を問いたい」としている。

また、公明党市議団は29日、橋下氏に「猛省を要望する」と申し入れた。

読売 2013.5.29

「支持率下落の最大要因は慰安婦問題」 維新・小沢氏

[...]今回の支持率の下落の最大要因はやっぱり慰安婦問題であり、影響は大きいと思います。橋下徹共同代表が言おうとしたことは、女性を戦場から守り、かつ、日本だけが不当に侮辱を受けていることを改善し、日本の誇りを回復するということだ。しかし、これとまったく逆な受け止め方が海外や国内の一部からされた。落ち着いていけば、少し違うところに目を向けてもらえるのかなと思う。(国会内の記者会見で)

朝日 2013.5.29