2014/01/05

冷え切る日韓(5) 読売

反日に利用される子供たち

読売新聞に連載された「冷え切る日韓」シリーズの第5弾。慰安婦問題と関係のない第3回、第4回は飛ばした。

冷え切る日韓(5)

「反日無罪」教育が影響

繰り返されるシュプレヒコール、感極まって泣き出す女子高校生教師に引率された小学生たちはこんなプラカードを掲げていた。

「日本の欲望で多くの国が苦痛を受けた」

「性奴隷ハルモニ(おばあさん)の心は汚された」

11月6日昼、ソウルの日本大使館前は若者を中心に2000人ほどの群衆で埋まった。毎週水曜、いわゆる従軍慰安婦問題で日本に抗議する「水曜デモ」だ。

1992年にはじまった水曜デモは、翌週13日に1100回の節目を迎えた。主催する市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の代表者が記念のあいさつに立ち、大勢の報道関係者も集まった。

デモに参加した大田(テジョン)市の女子大生(22)は読売新聞の取材に語った。

「英語を勉強し、外国人に慰安婦問題を知らせたい問題解決のためにはもっともっと水曜デモに足を運ぶことが必要だと思う」

外交関係に関するウィーン条約は大使館の保護を受け入れ国の義務と定め、韓国の法律も外国の公館から100メートル以内での集会やデモを禁じている。しかし、韓国の警察は日本大使館前のデモを見守るだけで、事実上黙認している

韓国には「反日無罪」という言葉がある。反日なら何でも許されるという意味だ。韓国で「親日派」と見なされれば命にかかわる恐れもある。

今年5月、日本の統治時代を懐かしむ発言をした95歳の男性が、38歳の男にソウル市内の公園で殴られ死亡した事件が韓国内で報じられた。インターネット上には犯人を擁護する書き込みが相次いだ。

評論家の金完燮(キム・ワンソプ)氏は2002年、日本の統治を肯定的に評価した「親日派のための弁明」を出版し、激しいバッシングにさらされた。暴行を受けたこともある。同書は「青少年有害刊行物ご指定され、事実上の発禁処分となった。

新聞も日本に関する驚くような言説を堂々と掲載する。

最大部数を誇る朝鮮日報は9月上旬、「風水で日本を制圧する努力」と題する寄稿文を掲載した。韓国には、日本に流れる「地の気」を遮断するために建てられた実相寺という寺があり、〈釣り鐘に彫られた日本地図を連想させる部分を突く度に、富士山を1発ずつ殴ったことになる〉のだという。筆者は全州市にある又石大学の教授だった。

こうした「理性を欠いたかのような反日」(日韓関係筋)の一因に、韓国の歴史教育の問題が指摘されている。韓国では、朴正煕政権下で国定教科書が制定され、民族主義色の濃い歴史教育が推進されてきたからだ。

最近まで中学校で使われていた教科書「国史」は、戦前の日本の統治を「強圧的で非人道的な武断統治」「(韓国人は)奴隷状態に成り下がった」などと書いていた。島根県・竹島については「日本が一方的に領土編入したが、光復(日本の統治からの解放)と共に取り戻した」と不法占拠を正当化。こうした歴史教育を受けた人たちが今、韓国社会の中核を担う。

歴史教育に関し、朴槿恵大統領が今月14日、唐突な提案を行った。ソウルでの演説で「東北アジア共同の歴史教科書の発刊」をぶちあげたのだ。

しかし、日韓両国はすでに2002年から10年にかけ、歴史学者による共同研究を試みたことがある。研究に参加した古田博司・筑波大教授(東アジア政治)によると、日韓の議論は全くかみあわなかったという。日本側が客観的資料を提示して議論しよろとしても、韓国側は大声で怒って受け入れないことが多かった。古田教授は「韓国が客観的史実に基づく歴史教科書を作ることは今後もないだろう」と話している。

読売 2013.11.20 4面

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