資金不足の話は昨年から出ていた。台湾では馬総統が慰安婦問題に熱心で、日本政府と交渉するのだと宣言したのは一昨年の暮れ。その時は正月明け(2011年)にも日本政府に提議すると言っていたはずなのに、あれから一年も経つのに、まったくそんな話は日本国内から聞こえて来ない。総統選挙で再選を果たしたばかりの馬総統だが、もともと韓国のように国民の関心事でないようで、誰もこの事について突っ込む人はいないようである。
従軍慰安婦ドキュメンタリーの撮影が進行中
(台北 17日 中央社)日本統治時代に、日本の従軍慰安婦とされた台湾の女性らを追ったドキュメンタリー「阿嬤的春天」(おばあさんの春)の撮影が進行中だ。女性たちの平均年齢は90歳近くになっており、制作を行っている婦女救援基金会では、時間や資金難と戦いながら作業を急いでいる。
台湾の元慰安婦たちによる、日本政府への賠償要求運動が始まってから、今年でちょうど20年目となる。運動を支援している婦女救援基金会は1998年に、慰安婦経験者らのインタビューをまとめた第1弾となるドキュメンタリー映画「阿嬤的秘密」(おばあさんの秘密)を制作、その年の金馬奨(台湾版アカデミー賞)で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞している。
その後、少なくない女性がこの世を去り、現在台湾に残っているのは確認されている範囲では9人のみ。基金会では、残された女性たちが存命のうちに第2弾を完成させたいと急ピッチで制作を進めているが、現在、制作費用150万台湾ドル(約380万円)のうち集まっているのは3分の1ほどのみだという。
フォーカス台湾 2012.1.17