「韓国の国際世論工作拠点」と言われる東北アジア歴史財団
産経新聞は、慰安婦問題を国際的なプロパガンダと見ている。この見方は正しいと思う。
第3部 プロパガンダ戦争(4)韓国 官民挙げ「慰安婦」工作
ソウル中心部にある在韓国日本大使館前に1月末、若い韓国人の男女が集まった。彼らは大使館前に違法に設置されている日本統治時代の「慰安婦」の像を囲み、笑顔で記念撮影した。
元慰安婦の少女時代を題材にしたというブロンズ像は、大使館前で毎週集会を続ける強硬な反日団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」が2011年12月に建てた。
男女は次世代の国際社会を担うリーダーを生み出すために設立された世界最大規模の学生NPO(民間非営利団体)「アイセック(AIESEC)」に所属する学生たち。ソウル大や梨花女子大などの名門大の学生も含まれている。
学生たちは1月29、30両日には慰安婦問題に関する討論合宿をソウルで主催した。慰安婦問題は「日本が犯した戦争犯罪」という韓国側の論理を世界に広げようとするのが目的だ。高い英語力を持つ学生も多く、他国の若者とも頻繁に討論会などを開いている。
学生らの活動は自発的とはいえ、韓国政府が財政あるいは宣伝面でバックアップすることが多い。今回も韓国の政府機関が発行する媒体の誌面を割いて活動を支援した。
◆「財団」政府と直結
学生たちの活動を支援する団体がソウル市内にある。「東北アジア歴史財団」で06年に発足した。名称こそ「財団」だが韓国政府と直結している組織だ。理事長は閣僚級の扱いで、ナンバー2には歴代外務省から派遣された次官級幹部が就任している。「東海」や「独島」など「国際表記名称」の変更と定着を担当する大使級の外交官もいる。
財団は活動目的の第一に「日本軍『慰安婦』の研究と国際問題化」を挙げ、「発足当初から慰安婦問題を主要な歴史懸案として認識し解決のために努力してきた」としている。
3つある研究室の1つで慰安婦問題、もう1つで日本との領土領海関係を扱う。
内外の市民団体の取り込みを担う交流広報室や、歴史問題への対応を練る戦略企画室もある。
財団の内部資料によると傘下の「独島研究所」の研究員や契約職を含む財団の全体の人員は約100人。13年の予算は210億ウォン(約18億円)に上る。
07年には韓国の近現代史の学会とともにインドネシアや台湾などで「慰安婦実態調査」などを実施した。
挺対協にも、行事への財政支援を07年以降5回以上行っている。
長く慰安婦問題を担当した日本政府関係者は財団について「韓国の国際世論工作拠点といっても過言ではない」と指摘する。
◆安倍首相狙い撃ち
6月に英領北アイルランドで開かれる主要国首脳会議(G8サミット)では、「戦場における女性」がテーマとなっている。
この場で慰安婦問題が議論される可能性が指摘されている。日本の政府・与党内には「日本の取り組みを説明する好機」ととらえる向きもあるが、欧米メディアに向けて慰安婦問題で安倍晋三首相を標的にした働きかけはすでに始まっている。
ミンディ・カトラー
米国では「慰安婦問題のエキスパート」扱いらしい
ミンディ・カトラーといえば、2007年のアメリカ下院の慰安婦決議の頃だったと思うが、日本軍の慰安所システムを、合法化されたミリタリー・レイプ(legalized military rape)と言っていたような気がする[要確認]。安倍晋三に対する偏見も当時から酷く、産経新聞の古森記者は、彼女が「日本側の一定勢力から情報や助言(しかもきわめてゆがんだ種類の)を受けているのではないか、という疑惑にはそれなりの状況証拠が多々あります」と自身のブログのコメント欄に書いていた。
キム・トンチャン
祖国・韓国から尊敬されたい?
そして、KACEのキム・トンチャン(ドンチャン・キム)もお馴染みの顔であるが、彼はこれまでキム・ドンソクの後ろにいた印象だが、最近露出が増えてきた?
慰安婦問題に詳しい専門家というのが誰か見当もつかないが、キムのような人間は、「祖国と自分を切り離さないためにも(日本批判をすることで)気持ちのバランスを取ろうとしている」「祖国から“戦士”として尊敬してほしいとの気持ちもあるようだ」という指摘は、当たっていそうな気がする。
サニー・ハン
同じ韓国系でも一連の対日ネガキャンに批判的
しかし、西岡力。「権力による強制連行はなかったと堂々と主張し・・・広報戦の取り組みが必要だ」。・・・もういい加減、反論する側も強制連行という言葉の呪縛から自らを解き放つべきではないか?
第3部 プロパガンダ戦争(4)「Abeを信用できますか?」慰安婦問題、執拗に追及
■票目当て なびく地元議員
「Abeを信用できますか?」
2月下旬の安倍晋三首相の訪米直前、日本を担当する外国メディアの記者たちに、こんな書き出しのメールが届いた。発信元はワシントンに拠点を置くシンクタンクで、主宰者は慰安婦問題で日本の責任を執拗(しつよう)に追及してきたミンディ・カトラー氏だ
日米関係に関する分析やコメントを提供できると売り込むメールはこう続く。
「安倍首相はワシントンで信用されていない。彼は米国との同盟関係の深化を誓うが、日本の平和憲法と第二次大戦の歴史を修正しようとする願望で、その誓いの誠実さと実効性に疑問が生まれている」
メールはさらに、安倍首相や閣僚らが野党時代、米ニュージャージー州の新聞に出された慰安婦に関する抗議広告に署名していることや、ある閣僚の家系が戦争捕虜を強制労働に従事させたことなどを列記する。
メールと前後し、米外交誌フォーリン・ポリシー(ネット版)は、慰安婦問題で日本政府はもっと行動すべきだとする内容の記事を掲載した。その中で引用されたコメントの一つがカトラー氏だった。
メールを受けた外国人記者の一人は、「慰安婦問題はソウルで動きが多くあるだけに報道される量も多くなる」と語る。
事情を把握していない外国人記者が「慰安婦問題のエキスパート」として紹介されたカトラー氏にコメントを求めることは想像に難くない。
米20カ所に碑
米国をはじめ台湾、欧州連合(EU)、カナダなど各地で慰安婦問題を非難する決議が採択されている。米国ではこのほか、3月にニュージャージー州バーゲン郡で慰安婦碑が建てられた。同種の碑はすでに同州パリセイズパーク市、ニューヨーク市近郊にもあり、今後、国内約20カ所に建つ見込みだ。
米国内での決議や碑の建立は、移民として地域社会に根を下ろす「ニューヨーク韓人会」や「韓米公共問題委員会」「韓国系米国人権利向上協会」など複数の韓国系団体が、地元議員らに強く働き掛けて実現したものだ。
いずれの団体も取材を拒否したが、唯一立ち話に応じた同協会のドンチャン・キム代表(46)は、「日本政府は謝罪し、若い世代にも事実をきちんと伝えるべきだ。私たちは新たな世界を築きたいのであり、決して『反日本政府』ではない」と強調した。
慰安婦問題に詳しい専門家はこれらの団体が慰安婦問題に熱心な理由について「日本統治時代に苦しんだ親を持つ世代が中心だ。祖国と自分を切り離さないためにも(日本批判をすることで)気持ちのバランスを取ろうとしている」と説明する。同時に「祖国から“戦士”として尊敬してほしいとの気持ちもあるようだ」との指摘もある。
ニューヨーク州やニュージャージー州は韓国系住民が多い。パリセイズパーク市の韓国系住民の数は全体の52%。バーゲン郡でも1990年以降、韓国系住民が約4倍の8%へと急増している。決議や碑の建立は選挙に向けてのパフォーマンスという側面もある
中国と共闘も
議員への韓国系団体による攻勢には足元からも批判が出ている。ニューヨーク州議会議員候補(共和党)で韓国系の米国人女性、サニー・ハン氏は「日本や韓国の70年前の問題を全く関係のない米国でなぜ持ち出すのか」と疑問を呈す。韓国系の若い世代の間でも「日本への挑発は不健全」との声が上がる。ただ「表立って口に出せる雰囲気ではない」(ハン氏)のも事実のようだ。
ニューヨーク州では韓国系だけでなく中国系の住民も増えており、“中韓共闘”の動きも出ている。
韓国系団体は中国系ニューヨーク市議のピーター・クー氏(民主党)に働き掛け、同市クイーンズ区にある韓国系住民の多い地区を通る道路の名称を「慰安婦メモリアル通り」に変更する計画を進めている。同地区での中国系と韓国系住民の反目は有名だが、当選を確実にしたいクー氏は韓国票を当て込んでか変更に合意したという。
慰安婦問題におけるウソを指摘し続けてきた東京基督教大の西岡力教授はこう強調する。
「日本政府には世界の国々に権力による強制連行はなかったと堂々と主張し、誤解を解くための官民挙げての広報戦の取り組みが必要だ」